南沙良、主演最新作で“毒親”に振り回される主人公を熱演『愛されなくても別に』公開決定

南沙良、主演最新作で“毒親”に振り回される主人公を熱演『愛されなくても別に』公開決定

南沙良主演の映画『愛されなくても別に』が7月4日(金)より公開されることが決定した。

【写真を見る】南沙良が“フツー”とはかけ離れた大学生活を送る主人公、宮田陽彩を演じる
【写真を見る】南沙良が“フツー”とはかけ離れた大学生活を送る主人公、宮田陽彩を演じる[c]武田綾乃/講談社 [c]2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

本作は「今日、きみと息をする。」、「響け!ユーフォニアム」などの作品で知られる武田綾乃による同名小説を、2016年公開の短編映画『溶ける』で日本最年少でカンヌ国際映画祭への出品を果たした井樫彩による脚本と監督で実写化。若者たちの言葉で表現しづらい心情を、フィルムライクな映像表現で活写する。

“フツー”とはかけ離れた大学生活を送る宮田陽彩(南)は、学校に通いながら朝から晩まで寝る間もなくアルバイトや家事に追われている。母親に金を渡し、世話をするために。母親から暴力は振るわれないし、暴言もない。ただ「愛している」と言う言葉で縛られ、陽彩は緩やかな絶望と人生に対する期待のなさのなかで生きている。そんなある日、同じバイト先の同級生、江永雅と出会うことによって、陽彩の人生は大きく変わっていく。

長編映画4作目で本作の映画化に挑戦した井樫は「映画にはならないような、劇的とは程遠い、表現という手段からこぼれ落ちてしまうような小さな小さな傷や痛み。それらをこぼすことなく映画に閉じ込めたい、と思いながら制作しました」と語り「だって、学生の時にわたしは陽彩と同じく“わたしの苦しみは大したことじゃないんだな”と思ったから。でも、苦しみや痛みは、大きさで測れるものではないし、誰かと比べるものではないといまはわかっている。“愛されなくてもいい”と言いながらも他者の手を取り、握ってしまうような…『心』は一辺倒ではない。愛も苦しみも、とてもグラデーションのあるものだと思うから」と自身の思いと本作を重ねる。

浪費家の母親に依存され、人生に一度も期待を抱いたことのない主人公、陽彩を演じるのは、三島有紀子監督作『幼な子われらに生まれ』(17)で鮮烈なデビューを果たした南。近年はドラマ「光る君へ」や「わかっていても the shapes of love」などの話題作に出演している彼女は、この作品と出会ったことで「陽彩を抱きしめてあげたくなりました」と主人公への愛情を示し「ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、いまを生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした」とコメント。そんな南の魅力について井樫は「南さんとご一緒するのはABEMA短編映画『恋と知った日』以来、2度目でした。彼女の魅力はたくさんありますが、その1つは内に秘めた感情を実感を伴って表面に出すことが出来ること。陽彩という心の中でさまざまな感情が渦巻いている主人公を、言葉少なくとも繊細に表現してくれました」と語っている。

また、本作を企画したプロデューサーの佐藤慎太朗は「同年代で同じ時代を生きてきた井樫さんとだからこそ、この映画が作れたと思います。生きていくうえで不安や悩みはつきものですが、登場人物たちの勇気が、誰かに寄り添い、救うことを願います」と話している。


俳優として着実にキャリアを重ねる南が主演を務める本作。追加キャストなどの今後の続報も要注目だ。

作品情報へ