笑福亭鶴瓶&原田知世が語り合う、理想の年齢の重ね方『35年目のラブレター』夫婦役は「お互いしか考えられない」

笑福亭鶴瓶&原田知世が語り合う、理想の年齢の重ね方『35年目のラブレター』夫婦役は「お互いしか考えられない」

「鶴瓶さんの周りには、いろいろな人が集まってくる」(原田)

――原田さんは、撮影時に「鶴瓶さんを見つめていろいろ発見したい」とコメントされていました。夫婦役として共演した感想を教えてください。

いつの間にか周囲を魅了してしまう保。笑福亭鶴瓶がハマり役として演じている
いつの間にか周囲を魅了してしまう保。笑福亭鶴瓶がハマり役として演じている[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

原田「撮影の合間には、鶴瓶さんの周りにいろいろな人が集まってくるんです。鶴瓶さんはスタッフの人たちだけではなく、エキストラの方にも、私たちがテレビで見ているあのままの雰囲気で分け隔てなくお話をされていて。誰にでもすごくやさしくて、すごく温かい。そして情の深い方なので、一緒にいると安心できるんです。私は今回、関西弁もありましたし、クランクイン前には少し不安な気持ちもありましたが、最初の1日を鶴瓶さんと一緒に過ごしただけで、『大丈夫だ』と気持ちが楽になりました。普段、誰か親しい人といる時のように、無理して距離を縮めようとお話したりするのではなく、同じものに笑ったりしながら、自然とそばにいようと思っていました」

――そのナチュラルな空気感が、劇中の西畑夫妻からにじみ出る温かさに繋がっているように感じます。

原田「鶴瓶さんは、いつもとても自然体なんですね。食卓で物撮りをしていた時に、鶴瓶さんは喉が渇いていらしたのか、そこに置いてあったお茶をガブっと一気飲みされたことがあって(笑)。シーンの繋がりなどもあるのでスタッフさんも『ああっ!』と驚いているなか、鶴瓶さんは『大丈夫、大丈夫』と言ってまたお茶を注いでいました。現場ではそういったおもしろいエピソードがたくさんあって、それが私を含め、スタッフさんも全員が『かわいい』と思うものばかり。いつも鶴瓶さんの人間味に魅了されていました」

終始和やかな雰囲気だった鶴瓶と原田
終始和やかな雰囲気だった鶴瓶と原田撮影/河内彩

鶴瓶「あはは!忘れていたわ。よう覚えてますね」

原田「『今日はこんなことがあったな』とメモしていたんです(笑)」

鶴瓶「ええ!いつかそれ、見せて(笑)」

――とてもいい現場だったことが伝わってきます。心を込めて握ったお寿司や、一生懸命に手紙を書いた文字から伝わる想いなど手作りのよさを感じる物語ですが、本作の撮影現場でものづくりのよさを感じた瞬間はありますか。

鶴瓶「撮影中も情の深さを感じることばかりでしたね。僕は仕事に臨むうえではいつまでも変わらずに、情の部分を大事にしていきたいと思っているんです。夫婦が住んでいる長屋のロケセットも、いい雰囲気があって。スタッフの人も頑張って、よう見つけてきよったなあ。映画の撮影って、それぞれの情や頑張りの積み重ねを感じることばかりですね。撮影中もそうやけれど、この映画は全体から昭和の匂いがしていて。僕は『二十四の瞳』という映画が大好きなんですが、本作にはそのような人とのつながりが深かった時代の空気感があるなと。皎子は保と結婚して、この人と関わった以上、絶対にこの人を支えていくんだと決める。皎子からは、『この人のために生きる』という気持ちが見えます。いまは物が多くて、捨てるものも多い時代だけれど、ひとつのものをずっと大事にするということがいかにすばらしいことか。派手なことが描かれた映画ではないですが、忘れかけてしまっているけれど、いまを生きるうえでものすごく大事なことが描かれた作品やと思います」


保は、コツコツと読み書きを学んでいく
保は、コツコツと読み書きを学んでいく[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

原田「映画の撮影は関わっている人も多いし、みんなで同じ船に乗って一緒に進んで行くような感覚があるものです。みんなで力を合わせているなという実感があるからこそ、完成した時にその喜びを分かち合える。また作品ごとに一期一会でもあるので、同じ人がまた全員集まれるというのも二度とない。だから今回の撮影現場でも、すべての瞬間を大事にしていきたいなと思っていました。あと本作で、とても印象的だったことがあって。現場を体験したいという学生さんたちが、撮影のお手伝いをしてくださっていたんです。若い女性が多くて、彼女たちが生き生きと働いている姿を見ると、なんだかとてもうれしくて。彼女たちが映画作りを喜んでやっていて、『すごくいい経験ができました』と帰っていく姿をよく覚えています。私がデビューをしたころは、映画の撮影現場にはほぼ男性しかいませんでした。女性は本当に少なかったんですね。いまは照明部さんや撮影部さんにも女性がいて、時代が変わってきているなという気がしています」

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■衣装協力
・笑福亭鶴瓶
HOLLYWOOD RANCH MARKET(ハリウッド ランチ マーケット/03-3463-5668)
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