
“劇場”というメディアにこだわり続けてきた劇作家・小林賢太郎が、舞台とドラマと絵画でつくる映像作品。舞台公演の映像と、ロケで撮り下ろしたドラマパート、さらに監督自身が描いた絵画で構成された意欲作。
ストーリー
登山中、ひどい濃霧に見舞われてしまった男が、避難小屋を見つける。中には、なにやらノートに鉛筆を走らせている先客がいた。男が「何かうまいものが出てくる話をしてくれ」とせがむと、先客はゆっくりと語り出した。国家規模の秘密をもつ居酒屋、河原にうなぎを出前するキャンパー、魔術で生徒を操る料理家、目には見えないファミレス店長、“雰囲気”がありすぎるカフェ店員、“モクギョ”を狙い沖に出る漁師、何もかもがわからない食堂……。どれも妙な話ばかり。深夜、寝袋で寝ていると、外から生き物の声が聞こえてくる。そこにいたのは……。