柄本佑、石橋静河、広瀬奈々子監督が第31回釜山国際映画祭に参加!『このごにおよんで愛など』ワールドプレミアから会見までをレポート

柄本佑、石橋静河、広瀬奈々子監督が第31回釜山国際映画祭に参加!『このごにおよんで愛など』ワールドプレミアから会見までをレポート

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現在開催中の第31回釜山国際映画祭(BIFF)の「釜山アワード部門」に正式出品された、長澤まさみ×柄本佑×石橋静河共演、新鋭・広瀬奈々子の長編映画第2作となるオリジナル作品『このごにおよんで愛など』(11月27日公開)。釜山へは、柄本、石橋、広瀬監督が現地入りし、ワールドプレミア上映や公式記者会見に参加した。その模様をオフショットも含めてたっぷりとお届けする。

大盛況のワールドプレミア上映!Q&Aでは作品の魅力やテーマを深掘り

【写真を見る】真紅のドレスで登壇した石橋静河、柄本佑の全身ショット
【写真を見る】真紅のドレスで登壇した石橋静河、柄本佑の全身ショット[c] 2026 K2 Pictures

まずは、10月11日に開催されたワールドプレミア上映に、柄本、石橋、広瀬監督が参加。柄本、石橋にとっては初の釜山国際映画祭となる。広瀬監督は、デビュー作『夜明け』(18)、ドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』(19)に続き、本作で3作品連続3度目の釜山国際映画祭出品という快挙を達成した。

本作が出品された「釜山アワード部門」は、コンペティションのメイン部門として昨年新設され、最優秀作品賞、監督賞、審査員特別賞、主演男優/女優賞、芸術的貢献賞が与えられる。さらに最優秀作品賞には、米アカデミー賞の国際長編映画部門への応募資格も与えられるなど、国際的にも大きな期待と注目を集める最重要部門だ。本作で広瀬監督が描く不器用な3人の愛の物語への注目度は高く、上映会場となった映画の殿堂、ハヌルヨン劇場(Busan Cinema Center Haneulyeon Theatre)は超満員の観客で埋め尽くされた。

長澤まさみ演じる詩の顔パネルを手にした柄本佑、石橋静河、広瀬奈々子監督
長澤まさみ演じる詩の顔パネルを手にした柄本佑、石橋静河、広瀬奈々子監督[c] 2026 K2 Pictures

上映前の舞台挨拶では、シックなオールブラックスーツに身を包んだ柄本、鮮烈な真っ赤なドレスが美しい石橋、そして広瀬監督が登壇。インフルエンザのため惜しくも現地への参加が叶わなかった主演の長澤だが、柄本の手には長澤演じる主人公、小島詩の顔パネルが。キャスト陣の粋な演出によって、晴れて“3人揃って”釜山の地へ立つ姿を見せると、会場は一気に温かな笑顔と熱気に包まれた。さらに、現地に駆けつけることができなかった長澤本人からもメッセージが到着し、柄本が代読した。

「今日は、すばらしい晴れ舞台に参加する事ができず、ごめんなさい。映画の撮影時から、『釜山映画祭に行けたらいいよねぇ』なんて、話していたなかでの念願の映画祭参加だったのでとても残念です。あ、でも、きっと佑くんと静河ちゃんが舞台挨拶を大いに盛り上げてくれると思いますので、安心しております。『このごにおよんで愛など』は、自分たちらしい“家族”の形を求めて、3人が悩んだり、立ち止まったりしながら必死に前に進んで行く物語です。この作品を通して、普段生活していて見えづらい、様々な人たちの存在や、視点に触れるきっかけになったように思います。複雑なことを知った気になるのではなく、知ろうとし続ける姿勢を大切に、日々を生きたいです。この映画が、釜山映画祭という大きな舞台で世界初上映されると思うと心が躍ります。 また、いつか、皆様とお会いできますように。ヨロブン、ノム チョアヘヨ(みなさん、大好きです)」という長澤からのコメントに、会場から温かな拍手が贈られた。

10月11日に『このごにおよんで愛など』のワールドプレミア上映が開催
10月11日に『このごにおよんで愛など』のワールドプレミア上映が開催[c] 2026 K2 Pictures

広瀬監督は「『夜明け』で釜山国際映画祭に招待していただいて、またここに戻ってくることができてとてもうれしいです。今日は長澤さんが来られなかったことが残念ではあるのですが、詩ちゃんがとても魅力的なキャラクターなので、ぜひ詩ちゃんに振り回されながらこの映画を楽しんでいただけたらなと思います」とアピール。

妻である詩の突然の提案に戸惑いながらも、彼女との幸せを模索する夫、小島杜夫役を演じた柄本は「アンニョンハセヨ。チョヌン、エモトタスクイムニダ(こんにちは。柄本佑です)。『皆さんよろしくお願いします』と言おうと思ったのですが、この道中でなんと言うか忘れちゃいました(笑)」と、会場の笑いを誘う。続けて「実を言うと海外の映画祭自体が初めてで、皆さんとこうやって非常に親密な距離感で緊張もしているのですが、現場を楽しみながらお話できそうだなと思っています」と笑顔で期待を込める。

そして、詩の担当編集者で、恋人関係でもある倉持潤奈役を演じた石橋は「アンニョンハセヨ。チョヌン、イシバシシズカイムニダ。チャル プタク トゥリムニダ(こんにちは。石橋静河です。よろしくお願いします)」と韓国語の挨拶を披露し、「私は今回初めて釜山に来ることができました。本当に温かく迎えてくださって、皆さんがすごく映画を愛しているんだなということを感じられる雰囲気でとても幸せです。長澤さんが来られなかったのは本当に残念ですが、3人の関係性をぜひ映画の中で楽しんで観て、そしてなにかを持ち帰っていただけたらいいなと思っております」と観客に向けて温かなメッセージを贈った。

ワールドプレミア上映の舞台挨拶に登壇した柄本佑、石橋静河、広瀬奈々子監督
ワールドプレミア上映の舞台挨拶に登壇した柄本佑、石橋静河、広瀬奈々子監督[c] 2026 K2 Pictures

上映には柄本、石橋、広瀬監督も揃って参加し、現地観客と同じ空間で作品を鑑賞。夫と彼女、2つの愛を手に入れようとした詩の「3人で子どもを作るのはどうかな?」という突拍子もない提案から始まる、3人の暮らし。愛する人と共に生きることに迷い悩む姿を描く繊細なドラマに、観客は深く引き込まれていく。

終映直後には、深い余韻を惜しむかのような大拍手が沸き起こった。上映後、再び登壇した広瀬監督は「すばらしい会場で皆さんと一緒に作品を観させていただいてとても幸せな気持ちでいっぱいです。少し笑いも起きていてほっとしました」と胸をなでおろし、万雷の拍手で迎えられた客席へ感謝の想いを伝えた。

小島杜夫役の柄本佑
小島杜夫役の柄本佑[c] 2026 K2 Pictures

柄本は「笑いが起きていたり、思わぬところで思わぬ反応があったりと、『こうやって観てもらえるんだ』という、ある種の感覚みたいなものが海を渡ったなっていうことを実感しました」とコメント。
石橋は「この映画のテーマっていうのはとても複雑なものだと思うのですが、広瀬監督はそのなかに軽やかさをたくさん詰め込んでいて、それをしっかり皆さんが受け取ってくださった感覚がしてとても胸がいっぱいです」と初上映を終え感無量の様子を見せる。

観客とのQ&Aコーナーでは、キャスト陣が繊細な演技で魅せたキャラクター、気になるエンディングについてなど深く迫る質問が次々と寄せられた。

「役作りにおいて共感したところは?」と問われた柄本は「このお話を特別なものではなくごく普通の日常として捉えていたので、共感という意味ではあまりなかったかもしれません」と回答。役作りにおける工夫については「僕が真顔でいると、どうしてもなにかを疑っているように見えてしまうみたいで(笑)。杜夫は序盤、潤奈と詩の関係にまったく気づいていない役どころなので、場を3人で楽しんでいる様子や『潤奈ちゃんいい子だな』という素直な気持ちが見えやすくなるよう、真顔を解除してリアクションをあえてライトかつ大きめにしていました。詩からカミングアウトを受けるまでは、とにかくその明るい反応をベースにして演じていました」と自身の役作りを明かし、会場の関心を集めた。

倉持潤奈役の石橋静河
倉持潤奈役の石橋静河[c] 2026 K2 Pictures

さらに「作品を通じて『愛の形』は“普通”と定義できるものはないと感じた。潤奈として、そして石橋自身が求める『愛の形』とは?」と投げかけられた石橋。

「潤奈は『子どもがほしい』という強い願いを持ち、それは当たり前に叶うものだと思って生きてきました。でも制度によってその『当たり前』から排除され、苦しむことになります。それでも自分の想いに直面し、詩ちゃんのことが好きで諦めない姿勢にすごく惹かれました」と役柄への愛おしさを語る。
また、自身にとっての「愛」について問われると「私にとって『愛すること』は『ギブすること(与えること)』だと思っています。潤奈も本当は誰かに惜しみなく愛を与えたかったはずなのに、それができなかったことがなによりの苦しみだったのではないかと思います」と役への真摯な想いを寄せた。

メガホンをとった広瀬奈々子監督
メガホンをとった広瀬奈々子監督[c] 2026 K2 Pictures

監督が“彼女に振り回されながら映画を楽しんでいただけたら”と語っていた主人公、詩のキャラクターについて聞かれると、広瀬監督は「詩ちゃんは『子ども』のような存在として、常に後部座席に座っているようなイメージで描いていました」と明かす。


「一見、詩ちゃんだけがわがままに見えますが、杜夫にも潤奈にもそれぞれ譲れないものがあります。それぞれの譲れない想いをぶつけ合い、混ぜあわせながら物語を作っていきました」と語り、かけがえのない3人の個性と、彼らの関係性が手繰り寄せる物語の行方に注目してほしいと述べた。

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