「役者としてこれ以上ないほどの幸せ」…奈緒主演『かすかな彼を抱きしめて』2027年1月公開決定
<キャスト、監督コメント>
●奈緒(林かなみ役)
「私をイメージして脚本を書いているという、役者としてこれ以上ないほどの幸せなお話を、監督から聞いたのは2023年のことでした。一年の時を経て手元に届いた台本は、『あいまいな喪失』から始まる愛の物語でした。読んだ時、背中にそっと誰かの手が置かれたような温かさに、自然と涙が出たのを覚えています。そんな温かい本を書いた山西監督の演出が、どれほどむずかしく、おもしろく、刺激的だったのかは、話し始めると尽きないので…公開までに、感謝の言葉と共にノートにまとめておこうと思います。映画『かすかな彼を抱きしめて』を見てくださったあと、自分のなかに居る大切な人の輪郭が、ふと浮かぶかもしれません。それもみなさんの愛なのだと、私は信じています」
●坂東龍汰(野上純役)
「初めて台本を読んだ時、山西監督の紡ぎだす世界に魅了されました。そして主演が奈緒さんだと知り、この船に自分も乗ってみたいと思いました。純という謎の多い人物を前にして、どうアプローチしていくか、撮影に入るまで、そして撮影に入ってからも、ずっと考えていたような気がします。監督が撮影前にリハーサルの時間を設けてくださり、奈緒さんと三人で言葉や身体の置き場所を探りながら、少しずつ馴染んでいくことができました。美しい街の風景や、そこで食べた美味しいものもこの映画の記憶の一部になっています。完成した映画を観て、スクリーンのなかいっぱいにスタッフさんたちの独創的なアイデアが詰まっていて、その一つひとつに心を動かされました。静かに揺れているもの、目には見えないけれど確かにそこにあるもの。そんなものを、この映画はそっと掬い上げているように思います。ぜひ劇場で受け取っていただけたらうれしいです」
●大東駿介(長原優役)
「台本をいただいて、フラットな気持ちで読んだつもりだったのですが、本を閉じる頃には感情があふれ、山西監督の創るこの作品の世界に、この共演者のみなさんと生きたいと思いました。ありがたいことに、撮影前に丁寧なリハーサルの時間をいただき、芝居のこと、シーンのこと、この作品の向かうべき場所をみんなで共有できました。山西監督の演出は芝居だけではなく、カメラアングル、ワーク、照明、台詞回し、その全てが重なって、映画作品だからこそできる心情表現、映像美を目指していて、新鮮で面白かったです。生きていれば誰しも忘れられない別れがあると思います。僕にもいます。その人との止まった時計とどう向き合うか。この作品を通してその時計が動きだした気がします。あなたの大切な誰かとの大切な時間を大切に想える作品になればと思います」
●中島歩(林幸助役)
「台本を読んで浮かんだ景色が、目の前に現れていくような不思議な撮影でした。夢のような、記憶のようなあいまいで美しい映像が撮れたと思います。なんて、私が撮影したような口ぶりですが私はもちろん俳優部として参加しています。ともかく映画館という暗闇の箱のなかで観ることで、夢や記憶のなかに浸るような体験ができますのでぜひ劇場へ足をお運びください」
●山西竜矢(監督)
「さよならだけが人生だという言葉がありますが、『さよならさえ言えない別れ』も、世の中には存在します。遺体に会えないまま大切な人を失った時、喪失を受け入れることも別れを告げることもできず、仄暗い苦しみの渦から抜けだせなくなってしまう。そんな『あいまいな喪失』という概念を知った時、ほとんど直感的に、それをテーマにした映画を作りたいと思いました。主人公のかなみ役に奈緒さんの顔が浮かび、当て書きで執筆を始めたのが、いまから4年前のことです。そこから、坂東さん、大東さん、中島さんをはじめとする素晴らしいキャスト、才能あふれるスタッフが集まってくれ、この難しい題材と私はがっぷり組み合うことができました。誰かを深く愛すること。その喪失に向き合うこと。生きていくこと。いまの自分にできる限り、それらの本質を捉えようと試み、作品のなかに散りばめたつもりです。この映画が、誰かのささやかな支えや癒しになることを願っています」
文/山崎伸子
