もともとは主役じゃなかった!?大人気キャラ「ポパイ」の『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』に至るトリビアをチェック

もともとは主役じゃなかった!?大人気キャラ「ポパイ」の『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』に至るトリビアをチェック

世界中で愛されている人気キャラクターのポパイが、殺人鬼になって大暴れする映画『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』が公開中だ。原作の著作権保護期間の満了によって実現した本作は、“パチモノ”レベルを超えた再現度で実写化された楽しいホラーエンタテインメント。そんな本作の公開にあたり、原作漫画の誕生からまさかの殺人鬼キャラへの変貌に至るポパイにまつわるあれこれを振り返ってみたい。

【写真を見る】世界中で愛されている人気キャラクターのポパイが、殺人鬼になって大暴れする『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』
【写真を見る】世界中で愛されている人気キャラクターのポパイが、殺人鬼になって大暴れする『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』[c] 2025 Sailor Man Films LLC. All rights reserved.

初登場はゲストキャラだったポパイ

夜ごと港をさまよい、獲物を探す殺人船乗りの都市伝説が語り継がれる港町。その都市伝説をドキュメンタリー映画にしようと考えた大学生のデクスター(ショーン・マイケル・コンウェイ)は、密かに思いを寄せるオリビア(エレナ・ジュリアーノ)や友人たちと港近くの廃工場に忍び込む。そんな彼らの前に黒い影が現れ…。

ポパイがデビューしたのは1929年のこと。エルジー・クリスラー・シーガーによる新聞の連載漫画「シンブル・シアター」(1919年に連載スタート)で、最初はゲストキャラとしての登場だった。もともとの主人公はハム・グレイヴィという男性で、ポパイは彼に雇われた水兵というポジション。しかし、ポパイの陽気でマッチョなキャラクターが瞬く間に人気となり、主人公の座だけでなく、恋人オリーブまでさっそうと奪ってしまい、作品タイトルも「ポパイ」になったという。

親しみやすくケンカも強いポパイと優柔不断な恋人オリーブ、ライバルの乱暴者ブルート
親しみやすくケンカも強いポパイと優柔不断な恋人オリーブ、ライバルの乱暴者ブルート[c]Everett Collection/AFLO

1931年からはほうれん草を食べるとパワーアップするおなじみの設定も加わる(初期の頃はキャベツを食べていたほか、ポパイの先祖はニンニクのにおいでパワーアップしていたというエピソードも存在する)。作品の人気に比例するようにほうれん草の消費量が増えたばかりか、野菜嫌いだった子どももほうれん草を食べるようになったというほどの影響を及ぼした。

もともとオリーブはポパイの恋人ではなかった(「THE POPEYE VALENTINE SPECIAL SWEETHEARTS AT SEA(原題)」)
もともとオリーブはポパイの恋人ではなかった(「THE POPEYE VALENTINE SPECIAL SWEETHEARTS AT SEA(原題)」)[c]Everett Collection/AFLO

映画館で上映される短編アニメから世界的人気キャラに

そんなポパイを世界的人気キャラに押し上げたのがアニメーション。まだ家庭にテレビがなかった当時、映画の添え物として映画館では、数本の短編アニメが上映されていた。ポパイは1933年の人気アニメ「ベティ・ブープ」シリーズの一本として『船乗りポパイ』のタイトルでスクリーンデビュー。親しみやすくケンカも強いポパイと優柔不断な恋人オリーブ、ライバルの乱暴者ブルート、ハンバーガー好きの怠け者ウィンピー、ポパイが養子に迎えたいたずらっ子スウィーピーなど個性豊かなメンバーのドタバタ劇が話題を呼び、次々と短編アニメ映画が公開され大衆に親しまれていった。

フライシャー・スタジオが制作した短編アニメ『ポパイと船乗りシンドバッド』
フライシャー・スタジオが制作した短編アニメ『ポパイと船乗りシンドバッド』[c]Everett Collection/AFLO

「ポパイ」シリーズを製作したのは、マックスとデイブのフライシャー兄弟によるフライシャー・スタジオ。世界初の音声付き長編映画として知られる『ジャズ・シンガー』(27)以前に独自のトーキー短編を複数発表したほか、俳優の動きをトレースするロトスコープの開発、手書きアニメとミニチュアを組み合わせ立体的な奥行きを表現するなど、映像制作の可能性を広げた先鋭的なスタジオだ。「ベティ・ブープ」や「スーパーマン」といった人気シリーズも手掛けたフライシャー・スタジオはディズニーのライバルとして人気を誇り、「ポパイ」もその原動力の一つになった。ちなみに、『海底二万哩』(54)や『ミクロの決死圏』(66)、『トラ・トラ・トラ!』(70)など大作映画を手掛けた巨匠リチャード・フライシャー監督はマックスの息子である。

アニメのヒットで世界的キャラクターに
アニメのヒットで世界的キャラクターに[c]Everett Collection/AFLO

フライシャー・スタジオと後継スタジオ、フェイマス・スタジオによって1957年まで続いた「ポパイ」の短編映画シリーズは、やがてテレビでも繰り返し放映され、より広く浸透していった。そして、1960年からはテレビ用の新規シリーズがスタート。「トムとジェリー」でおなじみのハンナ・バーベラ・プロダクションなど複数のスタジオに受け継がれ80年代まで断続的にシリーズは続き、2004年にはポパイ誕生75周年を記念した3DCGアニメも製作されている。日本でも「まんがポパイ」などのタイトルで放映されて親しまれ、雑誌の「POPEYE」、「Olive」、「BRUTUS」もポパイたち作品のキャラクターが名前の由来になっている。


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