「ガス人間」『ムカデ人間』だけじゃない!人が“とんでもないもの”になる「〇〇人間」作品を集めてみた
ディック・スミスの仕事が光る…『恐怖のワニ人間』
『ムカデ人間』然り、“動物×人間”ものも数知れず。リック・ベイカーの師匠で『エクソシスト』(73)などで知られるメイクアップ界の大御所ディック・スミスの商業デビュー作が『恐怖のワニ人間』(59)だ。
催眠状態にある女性が、夫の失踪を機に過去の恐ろしい体験を語るところから幕を開ける本作。飛行機事故で傷を負った夫が、再生力の高い爬虫類の血清を打ったことにより徐々にワニ化してしまう恐怖を描いており、スミスはメイクアップ・アーティストのベン・ナイと共同でズボンを履いた恐怖のワニ男を作り上げた。
名作スラッシャーホラーを思わせる…『豚人間』
2008年の『豚人間』は、人体実験によって誕生した豚人間がもたらす恐怖を、強烈なゴア描写で浮かび上がらせるスラッシャーホラー。物語は、ツアーをするバンドが田舎道で自動車事故を起こし、ガソリンスタンドに助けを呼びに行くが、そこにいた豚人間たちに襲われ…と、『悪魔のいけにえ』(74)を思わせる。
顔は豚、体は人間という豚人間は、父親、母親、子どもからなるファミリー。キッズが鏡を見ながら口紅を塗ったりと恐ろしさだけでなく、愛らしさもあるユニークな1作だ。
人間と蚊が融合!…『キラー・モスキート 吸血蚊人間』
『キラー・モスキート 吸血蚊人間』(05)は、蚊人間が文字通り人間の生き血を求めて大暴れするモンスターパニック。西ナイル熱の研究ラボに、実験の被験者として連続殺人犯がやってくるが、大暴れしたことで蚊のDNAを大量に浴び、蚊人間へと変貌し、凶行を繰り返していく。蚊人間のおどろおどろしいビジュアルも気持ち悪くてナイスなうえ、電撃殺虫器さながらの始末の方法などなにかと気が利いている。
「ハエ人間」「セイウチ人間」など動物人間ものも数多!
「〇〇人間」というタイトルからはズレるが、生き物×人間もので忘れてはいけないのが、『ハエ男の恐怖』(58)や『ザ・フライ』(86)。どちらも物質転送の研究をしていた科学者が、自ら実験を施したところ、装置内にハエが紛れ込んでいたことにより、ハエ人間へと変貌してしまうというもので、デヴィッド・クローネンバーグ監督による『ザ・フライ』では、ハエ男の強烈なルックスを表現した特殊メイクでクリス・ウェイラス、ステファン・デュプイが第59回アカデミー賞メイクアップ賞を受賞。
さらにケヴィン・スミス監督によるホラーコメディ『Mr.タスク』(14)では、狂気的な老人によって主人公が“セイウチ人間”に変えられてしまうなど、人間の改造ものは無数に作られてきた。
日本の作品でも『ガス人間第一号』のほか、強い放射線を浴びたことで液体化した男を描く『美女と液体人間』(58)、物質電送機による男の復讐を描く『電送人間』(60)といった東宝の「変身人間」シリーズなど枚挙に暇がない『〇〇人間』映画。『ムカデ人間』の復活、「ガス人間」のリメイクを機に、そのダークかつ蠱惑的な世界に酔いしれてみてはいかがだろうか?
文/サンクレイオ翼
