12歳の新人&二階堂ふみW主演、西川美和監督オリジナル最新作『わたしの知らない子どもたち』10月公開決定!
新進気鋭の新人、小八重葵美×二階堂ふみW主演による西川美和監督作『わたしの知らない子どもたち』が10月16日(金)に公開決定。あわせてティザービジュアルと特報も解禁となった。
本作は『すばらしき世界』(21)、『永い言い訳』(16)の西川監督が原案、脚本、監督を務めるオリジナル最新作。西川監督が『すばらしき世界』の制作過程で出会った、戦後の日本に実在した“知られなかった子どもたち”の存在。前作の原案となった「身分帳」に登場する主人公は、母に捨てられ、戦後の混乱のなかで孤児として街を彷徨い、進駐軍の靴磨きや新聞売りで糊口をしのぎながら、やがて裏社会に取り込まれていく一人の男の人生が描かれていた。広島県広島市に生まれた西川監督にとって、「戦争」や「平和」は幼少期からの教育を通じてあまりに身近で、キャリアの初期にも、その重々しいテーマから逃れていたい気持ちもあったと振り返っていた。しかし、前作で出会ってしまった戦後に生きていた子どもたちの過酷な現実は、監督の心を激しく揺さぶった。「子どもたちを取り巻いた戦後の裏社会の物語をいつかもう一度作り直したい」。その抗いようのない衝動に駆られ、本作の企画は動きだした。
これまで、『ゆれる』(06)、『ディア・ドクター』(09)、そして『すばらしき世界』など、華々しいキャリアのなかで、西川監督作品では一貫して人間の業や複雑な心理を世界に問い続けてきた。これら数々の名作において多面的な魅力を放つ“男性主人公”を描いてきたが、本作では、小八重と二階堂を主演に迎え、“女性主人公”の視点から物語を紡ぎだす。
主人公、琴子は、音楽家の父のもとで、普通の暮らしをしていた少女。しかし戦争と敗戦によってすべてを失い、「生きるために、自分自身を手放す」という選択を迫られる。そして、教師の曽根は、かつて軍国主義教育に加担していた側だったが、敗戦とともに、信じていたものも立場もすべてを失っていく。生徒を棄て、自らの生き方さえも手放し、抗うことのできない現実のあいだで揺れながら、加害でも被害でも割り切れない、その両方を抱えたまま、生きるしかない過酷な運命を辿っていく。
琴子役に抜擢されたのは、約500人のオーディションのなかから選ばれた、当時11歳、小学校5年生の小八重。教師の曽根役は、2025年開催の第78回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品された『遠い山なみの光』(25)が国際的評価を確立している二階堂が務める。ほかに日本映画界を牽引してきた竹野内豊、音楽、映像の両分野で活躍する櫻井海音、国内映画祭での評価も高い花瀬琴音が脇を固める。
また、『国宝』(25)において数々の音楽賞を受賞した原摩利彦が音楽を手がけ、1945年の街並みを再現するために映画『ゴジラ-1.0』(23)で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した白組チームがVFXを担当。撮影は、『許されざる者』(13)で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した笠松則通、衣裳デザインには、『キル・ビル』(03)に参加し、国内外での作品経験を持つ小川久美子、ヘアメイクデザインではカンヌ国際映画祭でも評価を得た『万引き家族』(18)、『ある男』(22)、『蜜蜂と遠雷』(19)など人物造形を手がけてきた酒井夢月、録音は『国宝』で日本アカデミー賞最優秀録音賞を受賞した白取貢が務める。
加えて、ティザービジュアルはアジアを中心に注目を集める写真家、レスリー・チャンが撮影。ウォン・カーウァイ作品に影響を受けた色彩感覚を持つチャンが、本作で初めて映画ポスターの写真を担当。「少女」を棄て少年として生きると決意した琴子の意志と、生徒を棄てなにかを失ってしまった曽根の空虚な姿を繊細に写しだしている。
特報では、戦後の混乱のなか、少年として生きることを選んだ琴子と、かつて棄てた生徒を探し続ける女性教師、曽根の姿が交錯する。VFXでリアルに表現される1945年の焼け跡の街。行き交う人々。言葉にならないまま積み重なる時間。「12歳の彼女は、『少女』を棄てた」この1行で表現されるのは、「もし自分がその時代に生きていたらなにを選んだのか」という問いを、いまを生きる私たちに静かに投げかける。
さらに、キャストや監督からコメントも到着。小八重は「『自分に主演が務まるのかな』と不安になることもありました。作品の中心として、たくさんの人に影響を与える立場だと実感したからです。だからこそ、一つ一つのお芝居にしっかり向き合い、よりよい作品にしたいと思いました」と語り、二階堂は「完成した脚本を読んだとき、戦後という価値観が一変した時代を“子どもの視点”から描く、その新しい語り口に強く心を動かされました。子どもたちが戦後にあったさまざまな過酷な現実を頭で理解するのではなく、そのまま受け止めながら生きていく姿が描かれていて、胸が締めつけられる思いがしました」と吐露。
西川監督は「どうせやるならなるべく新しいトーンで、かならずいまを生きる人に届く語り口にしよう、これから大人になる人たちにも観てもらえるものにしようと、ものを調べ、長い時間をかけて脚本を書いてきました」、「自分の作品だということを時々忘れてしまうほど、きらめきに満ちた作品になっています。みなさん、10月の公開をぜひお待ちください」と自信を覗かせている。
日本映画界の第一線で活躍するキャストやクリエイターたちによる、これまで語られてこなかった戦後の物語に期待が高まる。
