映画『廃用身』舞台の「異人坂クリニック」がオンラインで開院!コマーシャル動画やビジュアルも

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映画『廃用身』舞台の「異人坂クリニック」がオンラインで開院!コマーシャル動画やビジュアルも

染谷将太主演、映像化不可能!と言われた現役医師作家による衝撃作を映画化した『廃用身』が、5月15日(金)より公開される。このたび、本作の舞台となるデイケア施設「異人坂クリニック」をオンライン上に開院した特設サイトがアップ。さらにコンセプトビジュアルと2種類のコマーシャル映像が一斉解禁された。

【写真を見る】「異人坂クリニック」特設サイトがオープン!爽やかな笑顔の漆原院長(染谷将太)による“院長挨拶”ページも…
【写真を見る】「異人坂クリニック」特設サイトがオープン!爽やかな笑顔の漆原院長(染谷将太)による“院長挨拶”ページも…[c]2025 N.R.E.

幅広い役柄をこなす変幻自在な演技力で、圧倒的な存在感を放つ実力派俳優の染谷。医療の限界を超えたいと力強く訴え、理想を追い求めるあまり、合理性と狂気の危うい狭間へと踏み込んでいく主人公、医師の漆原糾を怪演する。共演には、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかける編集者の矢倉俊太郎を、主演映画『逆火』(25)や連続テレビ小説「おむすび」など話題作への出演がつづく北村有起哉。両脚と左腕の麻痺に苦しめられ、漆原の画期的な治療で人生を取り戻した岩上武一に、映画『首』(23)や大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」などで活躍する個性派俳優の六平直政。漆原を支える妻の漆原菊子に、『宝島』(25)や『国宝』(25)の瀧内公美。そのほか、廣末哲万、中村映里子、中井友望、吉岡睦雄らが脇を固める。

原作は外務省医務官を経て、現在も在宅訪問医として活躍する久坂部羊の小説デビュー作「廃用身」(幻冬舎文庫)。出版当時、そのあまりに強烈な設定から、映像化、絶対不可能!と世間で話題を呼んだ。監督と脚本を務める吉田光希は、東京造形大学在学中より諏訪敦彦に師事し、塚本晋也作品での現場経験を経て、『家族X』(10)、『三つの光』(17)でベルリン国際映画祭をはじめとした多数の国際映画祭で評価されてきた。

「異人坂クリニック」のコンセプトビジュアル
「異人坂クリニック」のコンセプトビジュアル[c]2025 N.R.E.

解禁されたコンセプトビジュアルでは、白衣をまとった漆原院長が両手に流木を抱え、その様が「廃用身」として切断された手足を想起させる。右側に配されたコピー「身体の一部を、まるで“廃棄物”のように――」と相まって、無機質で乾いた質感が、かつて人の身体の一部であったはずの存在をモノとして扱う異様さを際立たせている。

さらに、漆原院長の顔の左半分に生じたブレが、彼の人物像に内在する“信念/狂気”、「Aケア」という療法に潜む“福音/残酷”、そして観る者の受け止め方に生まれる“賛/否”という、多層的な二面性を象徴的に表現。「どうか残酷だとか思わないでください」という、漆原から世間へ向けられた一言が添えられることで、観る者は倫理と合理の狭間へと引き込まれていく。

メインビジュアルでは「異人坂クリニック」の庭を軽やかに飛んでいた蝶が、今回のビジュアルでは漆原の前でバラバラになった様子が写され、思わず背筋が凍るような不穏な暗示を漂わせる。不思議な肖像画のようなタッチで描かれた今回のコンセプトビジュアルは、静謐でありながら強烈な吸引力を放ち、鑑賞後に心の重心を失う本作の余韻を、鮮烈に表現している。

蝶が軽やかに飛んでいた 『廃用身』のメインビジュアルだが…
蝶が軽やかに飛んでいた 『廃用身』のメインビジュアルだが…[c]2025 N.R.E.

そして、現実と地続きである本作の没入型の仕掛けとして、このたび、劇中のデイケア施設「異人坂クリニック」の特設ページが公開された。本作の公式サイトを開き、羽ばたく蝶に誘われて、右下に設置された「異人坂クリニックはこちら」のバナーをクリックすると、漆原院長のビジュアルと共に、「異人坂クリニックのサイトにお越しですか?」「はい/いいえ」というコマンドが表示され、「はい」を選択することで物語が動きだす。

続いて現れるのは、「当院は『Aケア』を推奨しています。院長の漆原による『Aケア』の考えを知りたいですか?」という問いかけである。さらに「はい」を選ぶと、漆原院長のモノローグが歪んだフォントと共に浮かび上がり、異様な空気が一気に立ち上がる。さらに質問への回答を続けていくと特設サイトにアクセスできる仕掛けとなっている。

サイトでは、クリニック紹介や院長挨拶、スタッフ紹介に加え、「Aケア」の詳細、患者の声、診察時間、さらにはAケア同意書・手術説明書に至るまで、細部にわたり徹底的に構築されている。閲覧を進めるうちに、「異人坂クリニック」が推奨する「Aケア」の全容への理解が深まり、自らが実際に「Aケア」を受けようとしているかのような錯覚すら覚えるほどである。本作で描かれる悪夢のようなフィクションが、すでに現実へと浸食してきているかのような感覚へと導く、深い没入体験へと導かれる仕掛けとなっている。

あわせて、「異人坂クリニック」のコンセプトCM2種も解禁された。「院長編」は、染谷演じる漆原院長の問診シーンから幕を開ける。明るい女性ナレーション「異人坂クリニックは、新しい医療サービス『Aケア』で、お年寄りの満足をご提供します」に乗せて、「Aケア」を丁寧に説明する院長の姿が映しだされる。やがて、患者たちが笑顔で風船遊びに興じる軽やかな光景へと切り替わり、ラストは漆原院長がまっすぐな眼差しで「お年寄りの満足は、まだまだ提供できる」と穏やかに語りかける。最後に「コスパのいい介護ケアなら、異人坂クリニック」というコピーと共に、クリニックのロゴと検索窓が浮かび上がる。

一方の「患者編」では、廃用身を切断した患者たちが活発に日常を送る様子が描かれる。左手と両足の切断を受けた岩上という患者が登場し、「残った右腕を使って、まだまだ人生を楽しもうと思っています」と語る姿を、周囲の拍手が包み込む。その光景は一見前向きでありながら、どこか異様な空気を帯びているのが印象的である。

両CMに共通して掲げられる「コスパのいい介護ケアなら、異人坂クリニック」というコピーは、廃用身の切断という現実とあまりにも乖離した明るさをまとい、陽気なトーンで希望を装いながらも、拭いきれない違和感を観る者に突きつける映像に仕上がっている。

吉田監督が学生時代に原作と出会って衝撃を受けて以来、20年にわたり温め続けてきた、渾身企画の映画化作品『廃用身』をぜひ映画館でご覧いただきたい。


文/山崎伸子

映画公式サイト:https://haiyoshin.com/ 
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  • 廃用身

    4.1
    1991
    現役医師である久坂部羊の小説デビュー作を染谷将太主演で映画化したヒューマンサスペンス