『PILOT ー人生のリフライトー』が韓国で大ヒット!『建築学概論』「賢い医師生活」など“千の顔を持つ男”チョ・ジョンソクの魅力を紐解く
韓国で470万人の観客を動員した大ヒットコメディ『PILOT ー人生のリフライトー』が4月3日(金)より日本で公開される。秀でた操縦技術を持つジョンウは、テレビやSNSで引く手あまたの韓国航空が誇るスターパイロット。だが新人スタッフ歓迎の宴席でふと口にしたセクハラ発言が仇となり解雇されてしまう。舌禍事件を起こしたせいで再就職が上手くいかないなか、女性社長率いる航空会社が男性を採用しないと知ったジョンウは、前代未聞の奇策を思いつく。それは妹、ジョンミの名を借り、女性の姿をして試験に臨むことだった…。
“女装機長”が巻き起こす大騒動を描く『PILOT ー人生のリフライトー』では一人二役に挑戦!
女性になり変わりパイロットとして再起を図る男の奮闘劇は、着想こそ荒唐無稽と言えるけれども、さすがは2023年の夏の韓国映画で最高の興行収入を誇るだけの出来栄え。笑いに満ちていると同時にジェンダーバランスの問題を浮き彫りにする画期的なコメディだ。その最大の立役者となったのが、チョ・ジョンソクだ。彼が扮するジョンウが、メイクアップインフルエンサーでもある妹の腕をかりた女装ぶりには、チャームポイントとなる目鼻立ちがくっきりの健康美が際立ち、チョ・ジョンソクの素顔が存分に活かされている。丸みを帯びた顔立ちに親しみやすさが加わって、飾らない愛嬌と可愛らしさを兼ね備えた、ジョンミというキャラが完成した。
劇中ではキュートさに加え、経験で培ったパイロットとしてのスキルを発揮し、周囲の注目の的になっていくジョンウ。そのなかで自分の秘密を明かしたいと思えるほど心打ち解ける女友だちもできるのだが、同時に男性からの不愉快な視線や声かけに辟易させられる。男女逆転劇という筋立て自体はフィクションの王道であり、ともすれば異性装を揶揄する古い価値観のドラマとして完成しそうになるところだが、女性を演じるチョ・ジョンソクの仕草や言葉遣いには、デフォルメされた過剰な女性らしさがなく自然だ。女性に変身するまでのプロセスに無理がないからこそ、物語そのものも巧みにアップデートされたのだと唸らせられた。

