『人狼 JIN-ROH』公開25周年を記念した舞台挨拶で、貴重な制作秘話が続々!押井守らメインスタッフ&藤本タツキからのお祝いコメントも

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『人狼 JIN-ROH』公開25周年を記念した舞台挨拶で、貴重な制作秘話が続々!押井守らメインスタッフ&藤本タツキからのお祝いコメントも

Production I.G最後のセル画劇場作品にして、沖浦啓之の初長編監督作となった『人狼 JIN-ROH』(00)が、劇場公開25周年を記念し4Kリマスター&Dolby Atmos化。3月25日(水)に4Kリマスターセットとしてパッケージが発売されるのに先駆け、3月6日より全国15館で4Kリマスター映像&Dolby Atmos音響によるリバイバル上映が行われている。

2000年に公開され、海外リメイクもされるなどカルト的な人気を誇る『人狼 JIN-ROH』
2000年に公開され、海外リメイクもされるなどカルト的な人気を誇る『人狼 JIN-ROH』[c]1999押井守/BANDAI VISUAL・Production I.G

そんななか3月8日、新宿バルト9にて舞台挨拶が開催。沖浦監督とキャラクターデザイン・作画監督を務めた西尾鉄也、主人公である伏一貴の声を務めた藤木義勝が登壇。25周年を迎えた現在もカルト的な人気を集めていることへの感謝とともに、当時な貴重な制作秘話を語り合った。

本作の舞台は強引な経済政策によって失業者と凶悪犯罪が急増した首都・東京。政府は反政府勢力の掌握のために“首都警”と呼ばれる治安部隊を設置。地下組織としての道を辿る反政府勢力と市街戦を繰り返していた。そんななか、首都警の一員である伏一貴は、潜伏する地下組織の追跡で衝撃的な事件に遭遇。それをきっかけに、彼自身の“内なる世界”に変化が芽生えはじめていく。

「『人狼 JIN-ROH』4Kリマスターセット(4K ULTRA HD Blu-ray&Blu-ray Disc 2枚組)[特装限定版]」は3月25日(水)発売!
「『人狼 JIN-ROH』4Kリマスターセット(4K ULTRA HD Blu-ray&Blu-ray Disc 2枚組)[特装限定版]」は3月25日(水)発売![c]1999押井守/BANDAI VISUAL・Production I.G

「VHSやレーザーディスク、DVD、Blu-rayと発売されてきて、それらを持っている方が『同じだったね』となると寂しいし、どう違うかを比べる楽しみが少しほしいと思い、いままでよりも繊細感はあげつつもフィルムグレイン(フィルムで撮影したような粒子状の質感)をやや残しました」と、今回の4Kリマスター化のポイントを語る沖浦監督。より精細な映像になったことで、これまでわからなかった色の間違いなどに気づき修正した箇所もあるのだとか。

一方、「警備部 特殊機甲大隊 第2中隊 第3突入小隊所属 前衛隊員、伏一貴巡査役の藤木です」と挨拶した藤木は、キャスティングされた当時のエピソードを披露。本作で原作と脚本を務めた押井守がメガホンをとった『ケルベロス 地獄の番犬』(91)に出演していたことがきっかけで白羽の矢が立てられた藤木。「テストをやってもらったのですが、開口一番に『滑舌がね…』と言われたので、こりゃダメだと思いました(笑)」と振り返り、会場は大きな笑いに包まれる。

25周年記念舞台挨拶で、制作当時のエピソードが続々語られる
25周年記念舞台挨拶で、制作当時のエピソードが続々語られる[c]1999押井守/BANDAI VISUAL・Production I.G

続けて制作時に大変だったことを訊かれた沖浦監督は、「いまみたいにちょっと調べれば情報が出てくる時代ではなかったので、資料をがんばって探さないといけない。作中と同じ昭和30年代のものは見つからなかったのですが、昭和40年ごろに発売された雑誌などを読んで当時の世の中がどうだったのかを確認しました」と回想。それには西尾も「調べ物をしないと何一つ描けなかった。足りない時には古い映画を観たり、そのうえドイツの銃がどうこうと押井さんのミリタリー趣味も入ってきて…」と深く頷く。

藤木はすべてのシーンが大変だったと語りつつ、「歯が折れた」と噂されるラストシーンについて言及。実際に歯ぎしりの音を収録するうえで、歯が欠けてしまったと告白する藤木は「収録時には過呼吸のような状態になってしまいました。そこから絞り出した苦悶の声だったのですが、終わった後にブースからスタッフの方が飛びだしてきて『歯が欠けたでしょう』と心配され、照れくさかったので『大丈夫です』と答えました」と説明。沖浦監督は「突然、藤木さんに神が降りてきたような気がしました」とその迫真の演技を絶賛。

今回の4Kリマスターのポイントを語った沖浦啓之監督
今回の4Kリマスターのポイントを語った沖浦啓之監督[c]1999押井守/BANDAI VISUAL・Production I.G

さらに沖浦監督は、“リアル志向”の作風について「当時はアニメで実写みたいな作品をつくる意味があるのかと言われていたし、制作側としても葛藤はあった」と述懐。「でも『人狼』のような作品の場合、実写でやるには全部CGでやるか街並みのセットを組まないと撮影ができなかった。だから本当はアニメでしか作ることができなかったんです」と説明。西尾も「アニメーターのなかにも疑問視する人がいたのですが、自分としては一つの理想に向かってフィルムをつくる楽しさが勝っていた。このリアルさを突き詰めてみようじゃないかと思ってやっていました」と、当時の心境を振り返った。


最後にファンへ向けて、「『人狼』のディスクが出るのもこれで終わりでしょうから、観賞用、保存用、布教用といっぱい買っていただければと思います」と茶目っ気たっぷりに呼びかける西尾。藤木は「今後とも『人狼』をよろしくお願いいたします」と述べ、沖浦監督は「今日初めてご覧になった方は何回か観てもらう機会があればうれしいですし、いままで支えてくださった方にはひときわ感謝したいです」とあらためて感謝を伝えていた。

【写真を見る】ラストシーンの収録で藤木義勝の歯が欠けた?ウワサの真相が明らかに
【写真を見る】ラストシーンの収録で藤木義勝の歯が欠けた?ウワサの真相が明らかに[c]1999押井守/BANDAI VISUAL・Production I.G

またこのたび、公開25周年と4K化を祝し、沖浦監督や西尾のほか、押井や演出の神山健治らメインスタッフ陣、ならびに本作のファンだという漫画家の藤本タツキからお祝いコメント/イラストが到着。四半世紀経った現在も熱烈に支持される伝説のアニメ映画を、この機会に目撃してみてはいかがだろうか。

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