「愛の不時着」を経て『しあわせな選択』で7年ぶりに映画復帰! “国民の初恋”から深化し続けるソン・イェジンの軌跡

コラム

「愛の不時着」を経て『しあわせな選択』で7年ぶりに映画復帰! “国民の初恋”から深化し続けるソン・イェジンの軌跡

涙の似合うラブストーリーのヒロインとしてキャリアをスタートし、ほどなくしてトップスターとしての地位を確立したソン・イェジン。ドラマ「愛の不時着」での成功後、2022年にヒョンビンとの結婚、出産を経て活動を休止していた彼女が、名匠パク・チャヌク監督が手掛けた『しあわせな選択』(公開中)で、7年ぶりに映画に戻ってきた。多彩なジャンルの映画とドラマを行き来しながら活躍してきた彼女の歩みを振り返っていきたい。

“国民の初恋”として愛されながら、様々なジャンルの作品に挑戦

【写真を見る】『私の頭の中の消しゴム』「愛の不時着」など幅広い作品で活躍するソン・イェジンの代表作を振り返り!
【写真を見る】『私の頭の中の消しゴム』「愛の不時着」など幅広い作品で活躍するソン・イェジンの代表作を振り返り![c]Everett Collection/AFLO

『猟奇的な彼女』(01)で一世を風靡したクァク・ジェヨン監督による『ラブストーリー』(03)で、初恋のアイコンとなったイェジン。日本での人気を決定づけたのは、幸せな新婚生活を送るなかでアルツハイマー病となり、記憶を失っていく女性を演じた『私の頭の中の消しゴム』(04)だ。2001年に永作博美、緒形直人主演で放送された「Pure Soul~君が僕を忘れても~」をアレンジした美しくも悲しいラブストーリーで、トップ俳優のチョン・ウソンと共演した。彼女の役は偶然立ち寄ったコンビニで出会った肉体労働者の男と恋に落ちる社長令嬢スジン。本作では妻のいる不倫相手に裏切られた冒頭のシーンで自暴自棄になる演技を見せるなど、それまでとは違った可能性を感じさせた。もちろん、おなじみの愛くるしい笑顔とせつない涙目は健在で、後半に進むにつれ観客の涙を誘った。作品は日本でも大ヒットし、日本国内における韓国映画の興行収入30億円は『パラサイト 半地下の家族』(19)の登場まで破られない記録を打ち立てた。

実在した李朝最後の皇女、徳恵翁主に扮した『ラスト・プリンセス −大韓帝国最後の皇女−』
実在した李朝最後の皇女、徳恵翁主に扮した『ラスト・プリンセス −大韓帝国最後の皇女−』[c]Everett Collection/AFLO

『私の頭の中の消しゴム』の成功に続く『四月の雪』(05)の相手役は、韓流ブームを牽引したペ・ヨンジュン。恋愛映画の名手ホ・ジノ監督による同作で、既婚者同士の恋をしっとりと演じた。2005年には、「悲恋の主人公のイメージを変えてくれた」と振り返るコメディ『ナンパの定石』に出演。その後も役柄の幅を広げ、アクション・コメディ『パイレーツ』(14)では“韓国のアカデミー賞”と呼ばれる大鐘賞にて主演女優賞を受賞した。2016年には娘を必死で探す母親に扮したミステリー『荊棘(ばら)の秘密』と、過酷な運命に翻弄された徳恵翁主の生涯をダイナミックに描く大作『ラスト・プリンセス −大韓帝国最後の皇女−』という2作が公開。ホ・ジノ監督と再び組んだ『ラスト・プリンセス』では、波乱の人生を送った実在の人物を力強く演じ、百想芸術大賞映画部門女子最優秀演技賞ほか、多くの賞を手にした。

『ザ・ネゴシエーション』では、トラウマに苛まれながら誘拐犯との交渉に臨むチェユンに扮した
『ザ・ネゴシエーション』では、トラウマに苛まれながら誘拐犯との交渉に臨むチェユンに扮した[c]Everett Collection/AFLO

どんな役柄でも自在に演じられることを証明したイェジンは、『ザ・ネゴシエーション』(18)で腕利きの交渉人チェユンに扮した。正体不明の誘拐犯に対峙し、人質を救出するため犯行現場へ向かう特殊部隊が到着するまでの時間を稼ぐことを命じられるチェユン。何度も危機を乗り切ってきた経験を感じさせるプロフェッショナルな人物をシャープに見せた。犯人役はのちに結婚相手となるヒョンビンだったが、画面越しのシーンが多く、撮影時はほとんど顔を合わせることがなかったという。



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