【ネタバレなし】海外レビューでシリーズ最高評価を獲得!「エイリアン:アース」第1話レビュー

【ネタバレなし】海外レビューでシリーズ最高評価を獲得!「エイリアン:アース」第1話レビュー

「エイリアン」シリーズ最新作で初のドラマシリーズとなる「エイリアン:アース』(ディズニープラスにて8月13日より独占配信)。本作で描かれるのは、エンタテインメント作品に多大な影響を与えた記念碑的作品である、第1作『エイリアン』(79)の前日談だ。

タイトル通り地球を舞台に、最強生命体エイリアンの恐怖を描く物語で、製作を「SHOGUN 将軍」のFXが手掛けたことでも注目を浴びている。すでに映画やドラマの批評の集計サイト「Rotten tomatoes」では、批評家たちから94%フレッシュ(8月12日現在)と、『エイリアン』(93%)、『エイリアン2』(94%)と匹敵する高い評価を得ている。本稿では、配信に先駆け第1話を先行視聴することができたので、ネタバレなしで見どころをお届けしたい。

本作はシリーズ第1作『エイリアン』で描かれた時代の2年前、2120年の地球が舞台。世界がウェイランド・ユタニ、リンチ、ダイナミック、スレッショルド、そして新参のプロディジーという5つの大企業によって統治され、各社は競うように不老不死の研究を行っていた。生命の謎を解くカギを地球外生命体に求めた彼らは、過酷な任務に耐える人造人間の開発に注力。そんななか、プロディジー社は人間の意識を人工の体に移送する“ハイブリッド”の第1号、ウェンディ(シドニー・チャンドラー)を完成させる。一方で、地球外生命体を捕獲し帰還中だったウェイランド・ユタニ社の宇宙船が地球に墜落。人類は、宇宙最恐の生命体と対峙することになる。

シリーズ第1作への最高のオマージュ!ファンも唸る冒頭シーンは必見

物語は地球へと向かうマジノ号から幕を開ける。無人のコクピットで突然機器が作動しはじめ、コールドスリープから目覚めたクルーをとらえた冒頭のカットから、第1作にオマージュが捧げられている。本作は『エイリアン』の前日譚に位置づけられるが、同じく前日譚である『プロメテウス』(2093年の設定)や『エイリアン:コヴェナント』(2104年の設定)の設定は、本作では使用されていない。第1作に帰結した理由について、監督でありショーランナーとして指揮を執ったノア・ホーリーは、オリジナルの世界観の再現だと明かしている。薄暗いコクピットで、ヘルメットに映り込む低解像度モニタのソースコードを見ただけで、思わず気分が盛り上がる。ホーリーの決意がにじむオープニングだ。

第1作オマージュに満ちあふれた冒頭、ファンにはたまらないはず!(写真は『エイリアン』より)
第1作オマージュに満ちあふれた冒頭、ファンにはたまらないはず!(写真は『エイリアン』より)[c]Everett Collection/AFLO

マジノ号のオーナーは、シリーズではおなじみのウェイランド・ユタニ社。放射状にカプセルが並んだスリープルームをはじめ、壁いっぱいに小さなライトが並んだコンピュータ室、頭上にモニタを備えた丸いダイニングテーブルなど、船内のデザインは第1作で登場するノストロモ号がベースになっている。ただし船の外観はまったくの別もの。運搬船だったノストロモ号は巨大で不気味な外観をしていたが、マジノ号は研究施設を備えた探査船で、地球外生命体のサンプル採取が目的。船体はスリムで、第1作の初期に参加していたSFアートの第一人者クリス・フォスのノストロモ号に通じる流線形のデザインだ。暗い宇宙から浮かび上がる丸みを帯びた船首が、ゼノモーフの頭部のように見えるところもおもしろい。

『エイリアン』の惨劇の舞台となったノストロモ号
『エイリアン』の惨劇の舞台となったノストロモ号[c]Everett Collection/AFLO

また、前述の通り『プロメテウス』や『コヴェナント』の設定は省かれているのだが、エイリアンを利用する目的が、オリジナル4部作のような“兵器利用”ではなく、『プロメテウス』と同じく“不老不死”にしたところにシリーズ全体へのリスペクトを感じた。

シリーズの顔ともいえる“エイリアン”、本作ではどう登場する?

最強生命体“エイリアン“を捕獲するには、強靭な肉体と感情に左右されない意志の強さが不可欠。本作には人間を強化したサイボーグ、人工知的生命体のシンセサイザー、そして人間の意識を転送した合成人間ハイブリッドが登場する。マジノ号にも、モロー(バボー・シーセイ)という黒人のシンセサイザーが、第1作に登場したアッシュ(イアン・ホルム)と同じ立ち位置で同行。第1話では、帰還途中に捕獲したエイリアンが暴れるが、モローは仲間の安全よりも任務を優先する。なおアッシュと違って、手からバーナーのような強い炎を出すなど仕掛けを持っている。今後、どんなギミックが出るかもお楽しみといえるポイントだ。

もちろん本作の顔というべきエイリアンも、第1話からその凶暴性を見せつけるので、期待してほしい。『エイリアン3』(92)のように這うように壁をかけ抜けたり、やや肉厚で黒光りした頭部を何度も叩きつけ扉をぶち破るなど、その圧倒的な強さに度肝を抜かれた。ゼノモーフはスーツとCGIを使いわけて撮影され、クリーチャーデザインと制作を『エイリアン:ロムルス』(24)でフェイスハガーを担当したウェタ・ワークショップが務めている。

ハイクオリティなクリーチャーたちが全8話でどう表現されていくのか?(写真は『エイリアン:ロムルス』より)
ハイクオリティなクリーチャーたちが全8話でどう表現されていくのか?(写真は『エイリアン:ロムルス』より)[c]Everett Collection/AFLO


また、複眼を持つタコ状の軟体生物をはじめ、小型種から大型種まで不気味な地球外生命体がマジノ号には乗せられていた。エイリアンはもちろん、これら外来種の行方にも注目だ。

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