細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』がヴェネチア国際映画祭&トロント国際映画祭に選出!
『未来のミライ』(18)でアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた細田守監督が、『竜とそばかすの姫』(21)以来4年ぶりに手掛けた最新作『果てしなきスカーレット』(11月21日公開)。このたび本作が、世界三大映画祭のひとつであるヴェネチア国際映画祭と、北米最大の映画祭として知られるトロント国際映画祭に選出された。
“生きる”をテーマにした本作は、父の敵への復讐に失敗した王女スカーレットが“死者の国”で目を覚まし、現代の日本からやってきた看護師の聖と共に旅をしながら宿敵に復讐を果たそうとする物語。スカーレットの声を芦田愛菜、聖の声を岡田将生が担当するほか、役所広司や市村正親、吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊ら日本映画界を代表する俳優たちが集結することでも大きな話題を集めている。
そんな本作が選出されたのは、現地時間8月27日(水)に開幕する第82回ヴェネチア国際映画祭の公式部門のひとつであり、世界的な名匠の新作や話題作、ハリウッドの大作映画などを特別上映する映画祭の花形「アウト・オブ・コンペティション」部門。日本映画が同部門に選出されるのは北野武監督の『Broken Rage』(25)と黒沢清監督の『Cloud クラウド』(24)に続き2年連続。日本のアニメ映画としては『GANTZ:O』(16)以来9年ぶりとなる。
細田監督作品が世界三大映画祭に参加するのは、第60回ベルリン国際映画祭のジェネレーション14plus部門に選出された『サマーウォーズ』(09)、第71回カンヌ国際映画祭の独立セクションである監督週間に選出された『未来のミライ』、第74回カンヌ国際映画祭カンヌ・プルミエール部門に選出された『竜とそばかすの姫』以来4作目。ヴェネチア国際映画祭への選出は今回が初めてとなる。
今回の選出に対し細田監督は「『果てしなきスカーレット』が栄えある第82回ヴェネチア国際映画祭に招待されたことを大変光栄に思います。いま、世界中で悲劇的な衝突を目の当たりにするなか、愛を見つけ、共に手を取り合い生きることが、私たちの未来を肯定することに繋がると信じて、この新しい作品を全世界の皆さんに届けたいと思っています」とコメント。
また、現地時間9月4日(木)に開幕する第50回トロント国際映画祭でも、今後の賞レースをうらなう話題作がひしめき合う「スペシャル・プレゼンテーション部門」に選出。『果てしなきスカーレット』が日本公開に先駆けて海外からどのような評価を受けるのか。続報に乞うご期待!
文/久保田 和馬