『宝島』「なんくるならんどぉ!!」妻夫木聡、渾身の叫びを収めた本予告が到着
妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが共演する『宝島』(9月19日公開)から本予告が解禁された。
本作は、歴史の陰に埋もれたアメリカ統治下の沖縄を描き切った真藤順丈の直木賞受賞作を大友啓史による監督で実写化した衝撃と感動のエンタテインメント超大作。混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで活写する。
このたび解禁されたのは、最新映像となる本予告。映像の冒頭には1952年、沖縄がアメリカだった時代に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちの勇ましい姿が映しだされる。いつか“でっかい戦果”を上げることを夢見るリーダーのオン(永山)は、彼らにとっての誇りだった。
そのコザの英雄オンが失踪して20年。かつてオンと共に自由を追い求めた幼馴染の3人、主人公のグスク(妻夫木)は刑事に、ヤマコ(広瀬)は教師に、レイ(窪田)はヤクザとなり、それぞれの道を歩みだす。激動の時代、過酷な運命に立ち向かう彼らの正義と覚悟が交錯した先には、レイに銃口を向けられるグスクの姿が。さらに映像のラストには、大迫力のコザ暴動のシーンが映される。観る者をその渦中へ引き込むほどの圧倒的な臨場感と緊迫感が漂うなか「なんくるないですむかぁ!なんくるならんどぉ!!」と声を振り絞るグスクの魂の叫びが胸に迫る。
完成した映画を観た妻夫木は「圧倒されて、立ち上がれなかった。鼓動みたいなものが、ドクンドクンと動きだすのが聞こえた気がした。俺たちはここにいるんだ、生きてるんだという魂の叫び。人の生きる力をまじまじと感じさせられた」と語り、大友監督は「世界には、声にならない声があふれている。その声を届けたい、心の奥底にある叫びと想いを表現したいと思った」と本作に込めた想いを語った。
その想いを直接会って届けるべく、妻夫木と監督の大友は今回宣伝の中で全国キャラバンを敢行。物語の舞台である沖縄を皮切りに全国を飛び回りながら、2人が訪れたエリアは先週までで10都市に達した。妻夫木は各地で観客からの感動の声、熱い感想を直接受け取りながら「映画に共感、共鳴してくれてみなさんが家族になっていく感覚。映画はすでに完成しているけれど、みなさんに観ていただくことでなにかが変わって、いまもなお映画が成長している気がする。いま一度、人の力を、映画の力を信じたいと思った」と熱いまなざしで語る。2人の想いを乗せて、全国キャラバンは映画公開に向けてまだまだ続いてゆく。
敗戦から80年となる今年、改めて日本の戦後史を観る者に問いかける本作。壮大なスケールの中で実力派キャストが紡ぐ物語に注目してほしい!
文/スズキヒロシ