西島秀俊主演、日台米合作『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』緊張感張りつめる場面写真
西島秀俊が主演する日本、台湾、アメリカ合作映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(9月公開)から場面写真が到着した。
本作は西島と台湾を代表する俳優のグイ・ルンメイが共演するヒューマンサスペンス。ニューヨークを舞台に、息子が誘拐事件に巻き込まれた1組の夫婦を通じて、人種の壁や孤独、人と人がわかり合うことの困難さなどを活写。『ディストラクション・ベイビーズ』(16)、『宮本から君へ』(19)の真利子哲也が監督を務める。撮影は多国籍のスタッフが集結し、2024年11月~12月末までオールニューヨークロケを敢行。ブルックリンを中心に、チャイナタウンやハーレムなど、リアルな街の日常を映しだした。
このたび解禁されたのは、夫婦の日常を写しだした場面写真。ニューヨークの路地裏でなにかに手を伸ばす夫の賢治(西島)の虚ろな表情、楽しいはずの公園で夫を見つめる妻のジェーン(グイ・ルンメイ)の切なげな眼差し、会話もなく目を逸らし合う家族の冷え切った食卓…。理想のしあわせな家族像とは裏腹に、どこか歪な空気を漂わせる写真の数々からは、互いを大事に想いながらも、視線が交わらずすれ違っていく夫婦のせつなさが感じられる。
世界的激動の2024年に全編ニューヨーク撮影を敢行した本作。場面写真の中には、強盗団に荒らされた店内や派手に落書きされた車を運転する賢治の姿など、緊張感と隣合わせの大都会に生きる市民のリアルが凝縮した写真も。真利子の作家性の極まりを感じると共に、全編ニューヨークロケならではの凄みを感じさせる“新境地”に期待が高まる。
ニューヨークを舞台に、アジア人家族の“破綻”を緊迫感たっぷりに描ききる本作。リアルかつ不穏な物語をスクリーンで体感してほしい。
文/スズキヒロシ