ニコラス・ホルト、憧れのスーパーマンから最恐のヴィランに。レックス・ルーサー役のオファーに「悪役らしく笑った」
現在大ヒット中である、ジェームズ・ガン監督が手掛けたDCユニバースの新たな幕開けとなる完全新作映画『スーパーマン』。本作でスーパーマンの前に現れる最大の宿敵が、最高の頭脳を持った天才科学者にして大富豪のレックス・ルーサーだ。レックスを演じたニコラス・ホルトが、オーディション秘話を打ち明けた。
ホルトによると、実は撮影前に、幼少期から憧れていたスーパーマン役のオーディションを受けていたことを告白。しかし脚本を読み、レックスに強烈なシンパシーを感じ、ガン監督からのオファーもあったことで、スーパーマンではなくレックスを演じることを自ら選んだという舞台裏について明かした。
普段はクラーク・ケントとして大手メディアであるデイリー・プラネット社の新聞記者として平凡に働き、その正体を隠すスーパーマン(デイビッド・コレンスウェット)。そんな彼を人類の脅威と考え、陥れようとするのが、大富豪レックスだ。
本作への出演を切望していたというホルトは「監督のジェームズ・ガンにDMで『自分が参加できる機会があったら、ぜひ教えてくれ』とメッセージを送ったんだ。僕がこんなことをしたのは初めてだった」と出演を直談判していたことを告白。
そのメッセージを受け、ホルトと対面することを決めたガン監督は、スーパーマン役としてスクリーンテストを受けてみることを彼に提案したという。ホルトはその瞬間を振り返り「僕はすぐに『ぜひ!』と答えた。正直、その時はスーパーマンのスーツを着てみたかっただけかもしれない。でも子どものころに皆も一度は夢見るだろう?スクリーンテストは楽しかったが、残念ながら役は取れなかった(笑)」と、スーパーマン役は同日にスクリーンテストを受けたコレンスウェットの手に渡ったことを明かした。
しかし、彼の『スーパーマン』出演への道はまだ閉ざされていなかった。ホルトは「でも後日、ジェームズから電話がかかってきて『レックス・ルーサーを演じる気はあるか?』と聞かれた。その瞬間、自分が電話口で悪役らしく笑ったことをいまでもはっきり覚えている。なぜなら、脚本を初めて読んだ時に、どこか心の奥で『自分はスーパーマンよりもレックスを演じる方が合っているし、絶対に楽しめる』という予感があったからだ。だからこそ、すべてが本来あるべき形に収まったような気がした」と、脚本段階からスーパーマン以上に魅力を感じていたレックス役が、舞い込んできたと語った。
そんなホルトについてガン監督は「これまでも多くの役者がすばらしいレックス・ルーサーを生み出してきたが、ニコラスはこれまでで最も完成度の高いレックス像を作り上げてくれたと思う。彼は、そのキャラクターに、驚くほど多層的な深みを与えてくれた。まさに並外れた演技力だよ」と絶賛。
超天才的な頭脳を武器に科学技術を駆使する本作最恐のヴィランに、スーパーマンは打ち勝つことができるのか?彼らが繰り広げる死闘をぜひ見届けていただきたい。現代に生きる人々にとっても「希望の象徴」として描き出される新しいスーパーマン。いまこの時代だからこそ描かれるスーパーマンの物語と新たなDCユニバースの始まりを、映画館にて全身で体感してほしい。
文/山崎伸子