『オデッセイ』原作者によるベストセラーSFを映画化!『プロジェクト・ヘイル・メアリー』2026年公開決定
『オデッセイ』(15)の原作者として知られるアンディ・ウィアーの同名小説を映画化した『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が2026年に公開されることが決定。予告編&ポスターが全世界一斉解禁された。
2021年5月に刊行された原作小説は、ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リスト1位を獲得。ロサンゼルス・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルと名だたる大手媒体でもベストセラー・リスト入り常連となり、わずか半年でミリオンセラーを達成した。マイクロソフト創始者のビル・ゲイツが選ぶ「2021年に読んでおくべき5冊の課題図書」や、バラク・オバマ元大統領の「2021年のお気に入りの本」にも選出されたほか、科学専門家も号泣必至と熱烈に推奨するなど、非常に高い評価を受けている。
日本では2021年12月に早川書房から刊行されると、優秀なSF作品およびSF活動に贈られる第53回星雲賞の海外長編部門を受賞。さらに小島秀夫、佐久間宣行、星野源をはじめとする著名人がこぞって推薦したことで、SNSでも口コミが広がり、“なにも言えない”ネタバレ厳禁の作品として注目された。
今回、Xにおいて6月27日22時に30日の予告編解禁が告知されると、少しでも映像で観る前に原作を読んで欲しいという、すでに読了している人々によるレコメンドの大合唱が巻き起こった。結果、駆け込みで読破する人が急増しており、電子書籍版の「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の上下巻は、Kindle売れ筋ランキング(英米文学)で1位と2位を獲得するほどの人気となっている。
実は、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の映画化を最も強く推し進めた人物は、本作で主人公を演じるライアン・ゴズリング本人だった。ゴズリングは刊行前の原稿を手にしてすぐに作品に夢中になり、読み終える前から「この壮大な物語を映画にするには、“彼ら”しか考えられない」と確信し、自ら『スパイダーマン:スパイダーバース』(18)でアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した2人組クリエイター、フィル・ロード&クリストファー・ミラーの監督起用をスタジオに働きかけたという。
その情熱的な行動が実を結び、ロード&ミラーが正式に監督として参加。ゴズリング自らもプロデューサーとして参画し、さらに「スパイダーマン」シリーズ成功の立役者であるプロデューサーのエイミー・パスカルも加わった。脚色はアンディ・ウィアーの「火星の人」を映画化した『オデッセイ』を手がけ、アカデミー賞脚色賞にノミネートされたドリュー・ゴダート。ゴズリングの情熱と行動力が、この映画化プロジェクトに最高のクリエイターチームを集結させたのは間違いない。
解禁された予告は、中学校で科学教師として働く主人公ライランド・グレース(ゴズリング)が宇宙船の中で昏睡状態から目覚めるところから始まる。なぜ宇宙飛行士ではない、いち教師が宇宙にいるのか。グレースが記憶を辿っていくなかで、自身が“ヘイル・メアリー計画”に参画していることを思い出す。それは、太陽系の破滅的な危機によって滅亡に瀕した地球と人類を、グレースが解決するという“イチかバチか”のプロジェクトだった。宇宙で一人、ミッションを続けるグレースだったが、危機に挑んでいたのは、彼1人ではなかった。
ポスターには、宇宙船ヘイル・メアリー号の窓から宇宙にただよう“なにか”を見つめるゴズリング演じる中学校の科学教師グレースの姿が捉えられている。
いまから来年の公開が待ち遠しい『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。続報に注目してほしい。
文/平尾嘉浩