“原点回帰”をキーワードにルパン、次元、五ェ門、不二子、銭形の試練を描いてきた「LUPIN THE IIIRD」！最新作『不死身の血族』に至るシリーズをプレイバック
『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』(96)以来、約30年ぶりとなる「ルパン三世」シリーズの2D劇場版アニメーション『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』(公開中)。本作は2013年にリリースされた「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」、15年の「血煙の石川五ェ門」、19年の「峰不二子の嘘」、そして先日配信スタートになった「銭形と2人のルパン」に続く「LUPIN THE IIIRD」シリーズの最新作でもある。“原点回帰”をキーワードに、原作者モンキー・パンチのアダルトかつ危険なテイストの世界観、ルパン三世(声：栗田貫一)、次元大介(声：大塚明夫)、石川五ェ門(声：浪川大輔)、峰不二子(声：沢城みゆき)、銭形警部(声：山寺宏一)らの邂逅、それぞれが直面する試練を描いてきた。最新作にはどうつながっていくのか？改めてシリーズを振り返っていく。
次元大介が因縁ある宿敵と対峙し、過去を清算する「次元大介の墓標」
「LUPIN THE IIIRD」シリーズの第1作「次元大介の墓標」。タイトル通り、コンバットマグナムが相棒の孤高のガンマン、次元大介がフィーチャーされる。宿敵との戦い、過去の後悔、ルパンと無二の相棒になっていく生き様が描かれていく。
犯罪率が低い世界屈指の平和な国、東ドロアに秘宝「リトルコメット」を求めて潜入したルパンと次元。東ドロアは隣国の西ドロアと一触即発の状態にあり、それは自国の歌手クイーン＝マルタ(声：皆瀬まりか)が西ドロアでの公演中に暗殺されたことでさらに高まっていた。ルパンたちはリトルコメットを盗みだすことに成功するが、なぜか逃げる先々で警察が待ち構えている。その捜査網をくぐり抜けていくが、どこからも死角のはずのビル影から飛びだした瞬間、銃弾が放たれ、立て続けに2人は撃たれてしまう。銃弾がクイーン＝マルタを撃ったものと同じだと気づいた次元は、ルパンを連れて郊外の墓地へと向かう。そこには「次元大介」と記された墓が置かれていた。
次元をねらったのは、東ドロア政府に雇われた殺し屋のヤエル奥崎(声：広瀬彰勇)。「ターゲットの墓を事前に用意する」、「暗殺に使用する弾丸数をサイコロの目で決める」といった独自のこだわりを持ち、手先が起用なことからライフルや拳銃を自作し、狙撃能力、早撃ちの腕前も超一流だ。そして彼は、かつて次元がボディガードをしていたクイーン＝マルタを殺めた人物でもある。因縁ある強敵に対し、一度は敗れる次元。しかし、自身の死を偽装しながら機会を待ち、過去を清算するべく再び奥崎の前に立ちはだかる。
覚醒前夜の石川五ェ門が斬って、斬って、斬りまくる「血煙の石川五ェ門」
シリーズ第2弾「血煙の石川五ェ門」でスポットが当たるのは、まだ覚醒前夜の最強の剣士、石川五ェ門。物語は伊豆沖を進む賭博船から始まる。賭博を仕切る鉄竜会の組長、稲庭牧男(声：菅生隆之)に腕を買われた五ェ門は彼の用心棒をしていた。しかし、船が何者かに襲われて大破。雇い主である牧男も死亡してしまう。船を破壊したのはルパン、次元、不二子の命をねらう巨漢の傭兵、ホーク(声：土師孝也)だった。彼を逃がしてしまい、組員たちから“裏切り者”の汚名を着せられた五ェ門は、組長を守れなかった屈辱を晴らそうとその行方を追い続ける。
かつて戦場で2000人を殺戮したというホーク。バミューダ海域で戦死したとされながら、その後も生存が確認されていることから「バミューダの亡霊」と呼ばれている。両手の斧を武器にあらゆるものを破壊して回り、巨体に似合わず素早い動きと常人離れした動体視力を持ち、五ェ門の太刀筋もすぐに見切ってしまう。ホークに敗北したことで自信喪失に陥る五ェ門。しかし、壮絶な修行で自身を見つめ直し、再び斬鉄剣を抜く決意をする。用済みとばかりに襲ってきた鉄竜会の組員たちを斬って、斬って、斬りまくりながら“仏の境地”を開眼。文字通り“肉を切らせて骨を断つ”戦いぶりでホークとの死闘を繰り広げる。
