妻夫木聡、広瀬すず、大友啓史監督が沖縄に凱旋!『宝島』“沖縄キャラバン”の2日間をレポート

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妻夫木聡、広瀬すず、大友啓史監督が沖縄に凱旋!『宝島』“沖縄キャラバン”の2日間をレポート

第160回直木賞を受賞した真藤順丈の同名小説を、妻夫木聡と広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らの共演で映画化した『宝島』(9月19日公開)。本作の“全国キャラバン”が、物語の舞台である沖縄からスタート。6月7日と6月8日の2日間にわたって行われた、沖縄キャラバンイベントの模様をたっぷりとお伝えしていこう。

アメリカ統治下の沖縄で、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”として生きる、グスク(妻夫木)とヤマコ(広瀬)、レイ(窪田)の3人。ある夜、彼らの英雄的存在でリーダーであるオン(永山)が、“予定外の戦果”を手に入れて突然消息を絶ってしまう。それから時が流れ、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始めた彼らは、ある事件をきっかけに押さえていた感情を爆発させることとなる。

1日目は、映画の舞台・沖縄の観客に作品をお披露目!

6月7日に那覇市内のシネマQで実施されたのは、沖縄プレミア試写会。先日行われた完成報告会見で「『宝島』は“人生のバトン”の物語。映画を越える存在になっているこの作品を、皆さんに直に会いに行って届けたい!」と自ら全国行脚を宣言した妻夫木を筆頭に、広瀬と、メガホンをとった大友啓史監督が上映後の舞台挨拶に登壇した。

【写真を見る】妻夫木聡が、作品への思いを語り涙ぐむ…「大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない」
【写真を見る】妻夫木聡が、作品への思いを語り涙ぐむ…「大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない」[c]真藤順丈/講談社 [c]2025「宝島」製作委員会

今回の試写会が沖縄の観客に向けたお披露目の場ということもあり、感無量の表情を浮かべる妻夫木。「2度の延期を乗り越えて、戦後80年という節目に公開されることになったのは、もしかしたら時間をかけて練り上げる時間を神様がくださったのではないかと思います」と語ると、映画を観終えたばかりの観客に「映画はどうでしたか?」と問いかけ、大きな拍手に包まれる。

一方で広瀬も「時間がかかったからこそ、作品に対するスタッフの皆さんの情熱や愛情、敬意を感じ、貴重な経験だった」と振り返り、大友監督も「アメリカ統治下の沖縄を再現するのは難しく、予算的なことも含め覚悟を決めないと作れなかった。調べるにつれ、伝えなければならない想いが募り、覚悟をもって撮影しました」と本作への並々ならぬ思いを明かした。

アメリカ統治下の沖縄で、戦果アギヤーとして生きるグスクを演じた妻夫木聡
アメリカ統治下の沖縄で、戦果アギヤーとして生きるグスクを演じた妻夫木聡[c]真藤順丈/講談社 [c]2025「宝島」製作委員会

さらに「うちなんちゅの方々によって語り継がれた情報をもとに、想像力を駆使して組み立てた」と、実際の映像がほとんど残っていない“コザ暴動”のシーンを撮影する上での苦労を語る大友監督に、沖縄の歴史を演じるにあたり多くのことを考えさせられたと明かす広瀬。また、妻夫木は役作りのためにコザにある資料館を訪ねたり、実際に当時を知る人々に取材を重ねたりしたとのことで、「自分が大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない。どこか見て見ぬふりをしていた自分がいたんじゃないか」と、声を詰まらせるひと幕も。

スタッフ・キャスト全員が強い熱量をもって向き合い、完成した本作。舞台挨拶の終盤に広瀬は「この映画が皆さんにどのように届くのか、どういう景色として残るのかなと思いながら撮影していたのですが、少しでも皆さまの希望になる作品になったらいいなと思います。この映画が、とても大きな輪になることを願っております」と述懐。

グスクの幼馴染ヤマコを演じた広瀬すず
グスクの幼馴染ヤマコを演じた広瀬すず[c]真藤順丈/講談社 [c]2025「宝島」製作委員会

そして妻夫木も「この映画を通して過去を描くことは、未来への問いかけ。過去は無かったことにはできないし、いろいろな思いを背負って僕たちは生きています。だからこそ精一杯に生きていかなくちゃいけないし、いまを生きる僕たちは、未来を生きる子どもたちのために、なにを託すことができるのかを、いま一度考える時なのかなと思っています。いまこそ手と手を取り合って共に歩む。そういう力を持った映画になったと僕は思っています」と熱い心のうちを明かしていた。


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