京都文化を赤裸々に描く『ぶぶ漬けどうどす』の感想を、映画ファンの“ご当地あるある”体験と共に紹介!「素直であることがいいことなのに、なんだこの異世界は…」

コラム

京都文化を赤裸々に描く『ぶぶ漬けどうどす』の感想を、映画ファンの“ご当地あるある”体験と共に紹介!「素直であることがいいことなのに、なんだこの異世界は…」

『南瓜とマヨネーズ』(17)や『白鍵と黒鍵の間に』(23)で知られる冨永昌敬監督がメガホンをとり、『his』(20)、『そばかす』(22)などのアサダアツシが企画、脚本を務める『ぶぶ漬けどうどす』が、6月6日(金)より公開される。京都人のコミュニケーション術として有名なフレーズをタイトルに冠したこのシニカルコメディの公開に先駆けて、MOVIE WALKER PRESSで試写会を開催したところ、

「もっといろんなご当地作品が観たいと思えるくらい、観てよかった」(30代・男性)
「シュールな京都版『翔んで埼玉』」(30代・女性)
「怖いけどクスクス笑えるおもしろい映画でした」(30代・女性)


と好意的な言葉が数多く寄せられた本作。地域独特の文化を描く“京都あるある”など、県民性を描く地方映画としての魅力が詰まっている。ここでは観客からも寄せられたその地域独自の習慣といった“ご当地あるある”を交えながら、作品の魅力に迫っていきたい。

“ヨソさん”の主人公の行きすぎた京都愛が思わぬ騒動を引き起こす…!

【写真を見る】「京都、怖いかも…」本音と建前の文化など『ぶぶ漬けどうどす』を通して知る京都ならではの習慣とは?
【写真を見る】「京都、怖いかも…」本音と建前の文化など『ぶぶ漬けどうどす』を通して知る京都ならではの習慣とは?[c]2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

京都で450年続く老舗扇子屋の長男と結婚したフリーライターの澁澤まどか(深川麻衣)。京都の街を愛する彼女は、夫の実家や街の女将さんたちに取材を行い、仕事仲間の漫画家、安西莉子(小野寺ずる)と共に、長い歴史を誇る老舗の暮らしぶりをコミックエッセイとして連載していく。しかし、京都人が持つ“本音と建前”の文化を甘く見ていたせいで、なんでも言葉どおりに受け取り、地元の女将たちの怒りを買ってしまう。猛省したまどかは京都の正しき伝道師となるべく奮闘するが、京都像への憧れが空回りし、街中を巻き込んだ騒動を引き起こしてしまう。

京都ならではの“本音と建前”文化をリアルに描写。鑑賞者の“ご当地あるある”体験も紹介!

老舗扇子屋の息子と結婚したまどかは、取材のため京都の義理の両親と一緒に生活することに
老舗扇子屋の息子と結婚したまどかは、取材のため京都の義理の両親と一緒に生活することに[c]2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

生粋の京都人と他所から住み着いた“ヨソさん”との間に潜む雰囲気をはじめ、空気を読んだご近所付き合いや老舗が立ち並ぶ京都ならでは気遣いまで、京都人のリアルをシニカルに描いている本作。そのなかでも騒動の発端となる“本音と建前”の文化、やがては京都の街そのものに、ヨソさんのまどかだけでなく京都人たちもしだいに弄ばれていく。この“京都文化”には驚きを感じた観客も多かったようだ。

「京都以外では素直であることがいいことなのに、なんだこの異世界は…」(20代・女性)
「こんなにも本音と建前の文化があるとは思わなかったです」(30代・女性)
「外観が古くても中身は新しかったり、笑顔でも心は笑ってなかったりと、街も人も、見た目と中身が違うのが京都なのだと思った」(30代・女性)


そのほかにも、毎月1日と15日にお赤飯を食べる習慣や、立ち小便防止用に街角に設置されている“小鳥居”など、京都に根付く風習を活かしたギャグもユニーク。「洛中(中心部)と洛外で言い争うシーンは、地域がステータスとなるのは東京でもあると思うが、京都は歴史があるのでさらなるものだと思った」(30代・女性)といった、京都以外の地域にも通じるものがありそうだ。

まどかの京都愛が暴走し、ちょっとあやしい不動産屋の上田とのバトルへと転じてしまう
まどかの京都愛が暴走し、ちょっとあやしい不動産屋の上田とのバトルへと転じてしまう[c]2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

ローカルムービーとしてのおもしろさが楽しめる本作にちなみ、観客の故郷ならではの習慣や“あるある”を募ったところ、京都府出身者からの「ケンタッキーに行くことを『鳥しばく』と言う」(40代・男性)などをはじめ、下記のような興味深い体験が数多く寄せられた。

「出身を聞かれた時は県名じゃなくて地名で答える」(神奈川県出身/ 20代・女性)
「『しなさい』を方言で『しね』と言うので、他県の人に驚かれる」(福井県出身/40代・女性)
「小中学生くらいの時、池袋に行って感動する」(埼玉県出身/20代・男性)
「絆創膏は『リバテープ』が一般名称ではなかったと知った」(福岡県出身/60代・女性)
「相模原市の人が横浜の人に『なにもないよね』と言われると『水道止めるよ』と返す。神奈川は相模原市から水を引いている地域が多いので」(神奈川県出身/20代・男性)
「結婚式に出席する際にご祝儀がいらない」(北海道出身/30代・女性)
「富士山をめぐる山梨と静岡の戦い」(静岡県出身/40代・女性)
「出身地を、チーバくんの顔あたり、お腹あたり…と説明する」(千葉県出身/30代・女性)


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