「内気で淡白なところが似ている」ソン・ソックが新作サスペンス「ナインパズル」制作発表会でキム・ダミとの共通点を語る

「内気で淡白なところが似ている」ソン・ソックが新作サスペンス「ナインパズル」制作発表会でキム・ダミとの共通点を語る

映画『悪いやつら』(12)やNetflixドラマシリーズ「ナルコの神」などで知られるユン・ジョンビン監督の新作ドラマ「ナインパズル」が、5月21日(水)よりディズニープラスで独占配信される。5月14日に開催された制作発表会には、主演を務めたキム・ダミソン・ソック、共演のキム・ソンギュンヒョン・ボンシク、ユン・ジョンビン監督が登壇した。

「ナインパズル」は、10年前に起きた未解決事件の唯一の目撃者であるプロファイラーのユン・イナと、彼女に疑惑を抱き続けてきたソウル漢江警察署強力班の刑事キム・ハンセムが、連続殺人事件の秘密を暴いていく本格サスペンスだ。キャリア二作品目となるドラマシリーズについてユン・ジョンビン監督は、「タイトルの意味も含めて、推理もののため、ネタバレに気をつけないといけないのであまり多くは話せないのですが(笑)」としながら、「個性を持った2人が連続殺人事件の犯人と真相を明かすドラマです」と、作品の見どころを語った。

「ナインパズル」は5月21日(水)よりディズニープラスで配信開始
「ナインパズル」は5月21日(水)よりディズニープラスで配信開始[c] 2025 Disney and its related entities

「最初に脚本を読んだ時から強く興味を持ちました。ただ、リアリティを重視して見てみると、どうやって現実に起きることとして表現できるのだろうか?とも悩みました。視聴者が混乱してしまうのではないかと。そのため、作品のテーマをうまく伝えるためには世界観を徹底させようと、美術や撮影にこだわりました。また、多くの推理ものは現実がベースとなっていて重苦しいものが多いですが、そうした既存の作品よりはもっと可愛らしく、軽く見せようと努力しました」。

続いてユン・イナを演じるキム・ダミは、「初めて脚本を読んだ時に一気読みしてしまった」と脚本のよさに惹きつけられたことを明かし、自身の役柄への解釈を語った。

可愛らしいファッションで登場したキム・ダミ
可愛らしいファッションで登場したキム・ダミ[c] 2025 Disney and its related entities

「プロファイラーという設定は、役者としても挑戦でした。イナは、ある時代に留まってしまっている子どものようなキャラクターだと思っています。なので率直で生意気に見える時もあるのですが、そのなかにあるもろさを表現したかったです。叔父の殺害現場を目撃してしまっているので、そのトラウマが現れてくるような予感をさせながら演じました。これまでもプロファイラーを題材にした作品は多くあるので見ることはありましたが、それよりもイナ独自のプロファイラーの姿を作ったほうがいいと、監督と話しました。手の仕草をつけたり、セリフのリズムに気を配ったりしました」。

「台本段階からユニークな存在だった」というイナについて、ユン・ジョンビン監督は当初からキム・ダミヘオファーしたいと考えていた。「誰が演じればイナがユニークに見えてみんなに受け入れられるか考えたら、キム・ダミさんの持つ健康的なイメージを思い出したんです。思った通りに演じてくれました」と、その演技力に太鼓判を押した。

「私はユン・ジョンビン監督の大ファンなんです。夢が実現しました!」と、脚本のおもしろさはもちろん、念願叶いユン・ジョンビン監督とタッグを組むことになったことへの喜びを爆発させたのは、キム・ハンセムを演じるソン・ソックだ。

タフな佇まいが「いままさに犯人を捕まえてきたみたい」と賞賛されたソン・ソック
タフな佇まいが「いままさに犯人を捕まえてきたみたい」と賞賛されたソン・ソック[c] 2025 Disney and its related entities

「キム・ハンセムは、10年間で唯一解決できなかった事件をいまも追い続けている、几帳面で粘り強い刑事です。彼がニット帽を被り続けている理由はよく分かりませんが、監督が警察の実情を調べたところ(刑事がニット帽を被っていても)問題はないのだそうです(笑)。ちなみに私もプライベートでよく被っています。役作りについては、これまでの刑事もののキャラを考えると、口数が少なくて重いイメージで演じると思うんですが、それは避けたかったです。意外性のある人物としてハンセムを作りたかったので、よくあるプロファイラーと刑事ではなく、むしろ私とキム・ダミさんの化学反応を生かすことがよいと思いました」と、役作りのアプローチを語ってくれた。

『悪いやつら』以来12年ぶりの現場での再会となった、強力班のヤンチーム長役のキム・ソンギュン。彼のデビュー作だった当時の撮影も思い出し、感激の再会を果たしたという。

デビュー作以来のタッグに万感の思いを語ったキム・ソンギュン
デビュー作以来のタッグに万感の思いを語ったキム・ソンギュン[c] 2025 Disney and its related entities

「ヤンは完璧なチーム長で、原理原則に従って生きているキャラクターです。脚本もすばらしくて、大きな役ももらえてよかったです」。

強力班の‟マンネ(末っ子)刑事”チェサンとしてドラマに参加したヒョン・ボンシク。記者会見でもかなり話題にされ、しっかりムードメーカーを務めていた。

「末っ子らしいポーズを!」とお願いされたおちゃめなヒョン・ボンシク
「末っ子らしいポーズを!」とお願いされたおちゃめなヒョン・ボンシク[c] 2025 Disney and its related entities

「今回初めて最年少の役を演じられて幸せでした!チェサンは格好いい刑事になりたいんですが、末っ子のためいつも防犯カメラばかり確認しています(笑)」

続いて撮影の舞台裏について話題が及んだ。ユン・ジョンビン監督は「いつも私は撮影現場だと俳優陣とお酒を飲んで仲よくなるんですが、まずソン・ソックさんとヒョン・ボンシクさんが下戸で、キム・ダミさんが内向的な方だったので、できませんでした(笑)。キム・ダミさん、ヒョン・ボンシクさんとはカカオトークで関係を築きました」と、普段どおりにはいかなかったことを笑いながら振り返った。それでも、ヒョン・ボンシクとソン・ソックはプライベートでも交流があり、ソン・ソックとキム・ソンギュンも「D.P. -脱走兵追跡官-」シリーズで共演歴があったことで、和やかな撮影現場だったことは、記者会見でも感じ取れた。

 「人物のユニークさ、漫画的表現で可愛らしく見せた」と語ったユン・ジョンビン監督
「人物のユニークさ、漫画的表現で可愛らしく見せた」と語ったユン・ジョンビン監督[c] 2025 Disney and its related entities

さらにソン・ソックとキム・ダミは、今回が初共演となる。ソン・ソックは、容疑者と刑事という奇妙なイナとハンセムの関係をどう構築するか悩んだそうだ。


「ハンセムにとってイナは、守りたくなる存在でありつつ倒さなければならない相手。街なかにいる年上の男性と年下の女性ではないですし、かといって敵同士ではないですよね。一般的に経験する関係ではないのでどうしようか考えましたが、視聴者の皆さんの想像力にお任せしようと思いました。この点については、キム・ダミさんのアイデアがとてもよかったです。またジャンル性が強い作品に出るのは初めてでしたし、監督のファンなので緊張していました。誰かを頼りたいと思ったときに、自分とキム・ダミさんは、内気で淡白なところがとても似ているのでありがたかったです。キム・ダミさんと話していても誤解が生じなかったですね」。

【写真を見る】グッと手を取り合い、笑顔!最強のタッグを感じさせるキム・ダミとソン・ソックのツーショット
【写真を見る】グッと手を取り合い、笑顔!最強のタッグを感じさせるキム・ダミとソン・ソックのツーショット[c] 2025 Disney and its related entities

そんなソン・ソックについて、キム・ダミもまた感謝を口にした。「初めて現場に入った時、ソン・ソックさんが自分から先に来てくださって、自然と話す空気を作ってくださったので、頼ることができました。色々な会話ができて、現場で楽しかったです」と、イナにとってハンセムは「なくてはならない存在」(キム・ダミ)と評したように、俳優の2人もまた最強のコンビネーションで撮影を乗り切ったようだ。互いの役柄への理解と、俳優同士尊重し合ったことが見て取れた。

優れた脚本と魅力的なキャラクターで大いに期待が高まる「ナインパズル」は全11話、ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」のオリジナル韓国ドラマシリーズとして配信される。

取材・文/荒井 南


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