デミ・ムーア&マーガレット・クアリーが語る出演の決め手とは?『サブスタンス』インタビュー映像
デミ・ムーアが主演を務め、第97回アカデミー賞で主演女優賞含む5部門にノミネートされた『サブスタンス』(5月16日公開)。本作より、優位性を巡って対立するキャラクターを演じたムーア、マーガレット・クアリーによるインタビュー映像が解禁となった。
50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス(ムーア)は、容姿の衰えから仕事が減少し、ある再生医療“サブスタンス”に手をだす。だが薬を注射するやいなや、エリザベスの上位互換スー(クアリー)が、エリザベスの中から現れる。若さと美貌に加え、エリザベスの経験を武器に、たちまちスターダムを駆け上がっていくスー。だが、一つの心をシェアする2人には「一週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対的なルールがあった。しかし、スーが次第にルールを破り始めてしまう。
解禁されたインタビュー映像では、エリザベス役のムーア、スー役のクアリーが、“2人で1人”を演じたことについてそれぞれ語る内容になっている。失われていく若さ、美、名声。本作のテーマについてムーアは、誰もが避けて通れないデリケートなテーマを描きながら「とても興味深く独特な方法で切り込んでいる」と捉えている。そして、「自分自身との関係や映画界との関係、自分の“身体”との関係、自己評価、さらに他人に与える影響力」まで深い疑問を投げかけてくる、とその魅力を力説している。
また、コラリー・ファルジャ監督が手がけた脚本については、「どんな変貌をするのか、なにを求めているのかが事細かく、具体的に説明が書かれていた」と振り返り、本作に足を踏み入れることは「とても新しい経験であり、とても感情的で、痛いほど心に響くものでした」と絶賛する。さらに本作の演出において「8時間座り続けて義肢を装着」したという驚きの舞台裏についても明かし、「ホラーファンにとっても強烈な体験になる」と太鼓判を押しつつ、本作を観ることは「自分を見つめ直すきっかけになればと思います。その時にはありのままの自分に、感謝の気持ちを持って欲しいです」と作品に込めた想いを語った。
一方、クアリーは本作に出演したきっかけを「とても独特の世界観が描かれていて心奪われた脚本」だったと説明する。「誰にも愛される、おなじみのおとぎ話を基に、めちゃくちゃな部分を引きだして覆すような感じ。だからその(めちゃくちゃな)物語を上品に語るというやり方が面白いと思ったんです」と振り返り、共演した大先輩であるムーアへは「すぐに打ち解けた。彼女は知的で、心が美しく温かい。これはデミの映画でもあるんです。とんでもない演技。彼女はやってのけた」と惜しみない称賛を送る。作品の仕上がりについても、「視覚的に印象に残り、逃げだせない感覚にさせ、攻撃的。最高の作品になりました」と自信をうかがわせている。
デミ・ムーアとマーガレット・クアリーは劇中でどのような競演を見せてくれるのか?いよいよ明日公開の『サブスタンス』をぜひチェックしてほしい。
文/平尾嘉浩