高橋一生が直伝!『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の“知っておきたい”3つのポイント
荒木飛呂彦の人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれたスピンオフ作品を、高橋一生主演で実写テレビドラマ化した「岸辺露伴は動かない」。その映画版第2作となる『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月23日(金)より公開。このたび本作から、鑑賞前に知っておきた3つの必見ポイントを、岸辺露伴役の高橋一生のコメントと共に紹介していこう。
相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた漫画家の岸辺露伴。ヴェネチアの教会で露伴は、仮面を被った男の恐ろしい懺悔を聞く。それは、誤って浮浪者を殺したことでかけられた、「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」呪いの告白だった。幸福から必死に逃れようと生きてきた男の奇妙な告白にのめり込んでいく露伴は、“ヘブンズ・ドアー”を使ってしまい、やがて自身にも「幸福になる呪い」が襲いかかっていることに気づく。
邦画史上初!全編ヴェネチアロケが実現
テレビドラマ版の放送時には原作ファンを中心に大絶賛を集め、“実写化の理想系”とまで言わしめた「岸辺露伴は動かない」。当初は“夢”の話であった海外でのロケは、前作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(23)でのパリロケで実現。そして本作では、邦画としては初めてとなる全編ヴェネチアでの撮影を敢行。ほかの土地やスタジオセットでは醸しだすことのできない“本物の空気”を映像に収めることに成功した。
そんなヴェネチアロケについて高橋は「華やかな面ももちろんあるのですが、ヴェネチアの空気でしか撮れないような暗い影や霧など、そういう陰鬱なジメジメとした、日本のそれとは違うなにかを感じつつ、ソワソワしてもらったり、ドキドキしてもらうことができれば」と語り、「ヴェネチア旅行をしているような感覚で観ていただける作品でもあります」と自信をのぞかせている。
“実写化最難関”といわれた伝説のエピソードに挑む!
本作で描かれるのは、1997年に発表された「岸辺露伴」シリーズの記念すべき第1作となる「懺悔室」。「前作は露伴のパーソナルな部分や、ルーツに迫っていくような物語でした。今回はまったく違う、露伴がある意味、傍観者になる。タイトルどおり、露伴が物語を受け止め、いかに自分なりに決着をつけていくかが描かれる物語になっています」と、高橋は前作との違いを説明する。
その上で、「ここにきて、ようやく原作の原点に手が届きました。この幸運も生身の人間だからこそ感じられることでしょうか」と喜びを爆発させ「これまで観たことのない作品に仕上がっているのではないかという確信があります」と、テレビドラマ版から5年もの月日を共に過ごしてきた制作チームと一丸となって挑んだ、“原点”にして新たな「岸辺露伴」が観られることをアピールした。
露伴が久しぶりに“人間”と対峙する!
前作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では“この世で最も黒く、邪悪な絵”と、ドラマシリーズの直近作「密猟海岸」では“伝説のアワビ”と、ここ最近は人間ではない怪異と対峙してきた露伴。本作で彼を新たな謎へと誘うのは、井浦新演じる“謎の男・田宮”。人間との対峙が描かれるのは、2022年12月放送の「ジャンケン小僧」以来、実に2年半ぶりとなる。
「僕がこれまでお会いした方のなかでも、一番仙道に近い人というか、仙人のような方。『彼のようになりたいな』と思うけれど、僕には一生かかっても無理だなというくらいのお人柄でした」と、本作で初共演を果たした井浦について振り返る高橋。「たとえ井浦さんのお芝居への取り組み方とか作品への取り組み方というのは真似できなくても、非常に自分にとって影響があったなと思います」と、実力派俳優との邂逅が本作をさらなる高みへと導いてくれたことを明かしている。
映像美と圧倒的なクオリティ、そして原作再現度はそのままに、シリーズ最大のスケールで新たな次元へと突入する『岸辺露伴は動かない 懺悔室』。その極上のサスペンスを、是非とも劇場のスクリーンで見届けてほしい。
文/久保田 和馬