細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』11月21日公開!血に染まる主人公を捉えたティザーも

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細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』11月21日公開!血に染まる主人公を捉えたティザーも

<コメント>

●細田守(監督、脚本、原作)

「この作品を考え出したのは2022年3月頃です。2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。日常だと思っていたものが崩れていく様子を毎日ニュースで僕らは知ることになる。自分自身が生きていること、過ごしている世の中、そしていまのこの平和というものは非常に危ういものだと、ショックを受けました。

平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。答えがあるのかないのかわからないけれども、みんなどうしたら争いが解決するのか、どうしたら僕らは安心して生きていけるのか、という答えをみんな必死に探している。いま作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです。世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。『復讐』すれば『報復』がある。その連鎖は延々終わらない。どこかでそのループから抜けださないといけないけれど、簡単に抜けだせるような甘いものではない。映画の中で『復讐』せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、ないしはもし僕らが追い詰められたとしたら、どのような行動をとるべきなのか?頭では『復讐』のループを断ち切らないといけないと分かっていても、感情的にそんなことが可能なのか?課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです」


文/スズキヒロシ