『ラストサマー』リブートの予告にオリジナルキャストが登場!次は『ルール』も?“90年代スラッシャー”復活が止まらない
「スクリーム」シリーズと共に青春スラッシャー映画ブームを牽引した「ラストサマー」シリーズのリブート兼、19年ぶりの正統続編となる『I Know What You Did Last Summer』の予告映像が公開。27年ぶりにシリーズ復帰を果たすジェニファー・ラブ・ヒューイットとフレディ・プリンゼ・Jr.の再登場に往年のホラーファンから歓喜の声があがっている。
ヒューイットやプリンゼ・Jr.に加え、サラ・ミシェル・ゲラーやライアン・フィリップといった、のちにブレイクするスター俳優たちを輩出したシリーズ第1作『ラストサマー』(97)は、ロイス・ダンカンの同名小説を原作に、「スクリーム」シリーズの脚本家ケヴィン・ウィリアムソンが脚本を担当。1997年のハロウィンシーズンに北米公開され、1700万ドルの制作費に対して全世界興収1億2600万ドルを超えるヒットを記録。
舞台はノースカロライナ州サウスポート。ビーチからの帰り道で、誤って歩行者を車で跳ねてしまったジュリー(ヒューイット)、ヘレン(ゲラー)、バリー(フィリップ)、レイ(プリンゼ・Jr.)の高校生4人組。彼らは事故を隠蔽しようと、その歩行者がまだ生きていることに気付きながらも海に投げ捨てて殺害してしまう。それから1年後、大学に進学した彼らのもとに不審な手紙が届くようになり、やがて殺人鬼“フィッシャーマン”の影が彼らに忍び寄ることとなる。
公開当時、若者を中心に熱狂的な支持を獲得し「スクリーム」シリーズと人気を分け合った同作は、翌年に第1作の1年後を描いた続編『ラストサマー2』(98)が公開。しかし前作の3倍以上の制作費がかけられたものの興行的に伸び悩み、同系統の作品が多数登場したこともあって人気はまたたく間に終焉を迎えることに。その後、スタッフ・キャストを一新した第3作『ラストサマー3』(06)が企画発足から6年掛かりで完成にこぎつけたものの、劇場公開はされずにソフトリリースに終わった。
2014年に『オキュラス/怨霊鏡』(13)のマイク・フラナガン監督がメガホンをとり、第1作のリメイク版が製作されることが発表されたが実現には至らず。その後もリブートを求める声が相次ぐなか、2022年に「スクリーム」シリーズがオリジナルキャストと新キャストが入り混じるリブート続編として復活、大成功したことを受け、ヒューイットとプリンゼ・Jr.が再登場する本作のプロジェクトが正式に始動。2024年10月に撮影がスタートし、先月中旬に撮影が終了したと報じられている。
『サムワン・グレート 輝く人に』(19)で長編デビューを飾ったジェニファー・ケイティン・ロビンソン監督がメガホンをとり、『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』(22)のマデリン・クラインや『リトル・マーメイド』(23)のジョナ・ハウアー=キングらが出演する本作では、シリーズ第1作と同様、サウスポートで5人の若者たちが事故を隠蔽し、1年後に彼らの身に危険な影が迫るという物語が展開。若者たちは、1997年に起きた“サウスポート虐殺事件”の生存者であるジュリーとレイに助けを求めることになるという。
公開された予告映像では、それぞれワンシーンだけであるがヒューイット演じるジュリーと、プリンゼ・Jr.演じるレイが出演する姿が確認できる。3月末にラスベガスで行われた「シネマコン2025」では、会場限定でひと足先にこの予告映像がお披露目され、ヒューイットが登場した瞬間に会場中からひときわ大きな歓声があがったのだとか。北米では7月18日(金)より公開される本作は、日本公開未定。続報を楽しみに待ちたい。
また、「ラストサマー」シリーズと同じニール・H・モリッツが製作を務めた「ルール」シリーズのリブート企画も進行中と報じられている。とある大学を舞台に、学生のあいだで噂されている都市伝説になぞらえた殺人事件が起こるという第1作『ルール』(98)から始まった同シリーズは、第1作の成功を受けて第2作『ルール2』(00)が公開。しかしその評価が伸び悩み、第3作『ルール 封印された都市伝説』(05)が劇場未公開でソフトリリースされたという点で「ラストサマー」と共通している(ちなみに、日本では『ルール3』から『ルール6』までソフトリリースされているが、それらは邦題で便乗しただけの無関係の作品だ)。
今回のリブートの詳細はまだ明らかになっていないが、“ポストデジタル世界における都市伝説の姿を探求する”作品になると伝えられている。第1作ではのちにオスカー俳優となるジャレッド・レトや『ロングレッグス』(24)のアリシア・ウィット、第2作ではエヴァ・メンデス、第3作ではケイト・マーラ(脇役で妹のルーニー・マーラも出演)らを輩出している「ルール」シリーズ。こちらもオリジナルキャストの復活があるのか期待が集まるところ。
リブート第3作で通算第7作の撮影が先日終了した「スクリーム」シリーズや、5月16日(金)に北米公開を控える『Final Destination: Bloodlines』で14年ぶりに再始動する「ファイナル・デスティネーション」シリーズ、さらにはリメイク版が進行中のロバート・ロドリゲス監督の『パラサイト』(99)など、1990年代後半から2000年代にかけて隆盛を極めた青春スラッシャー映画の復活が相次いでいる近年。この新たな潮流に、次はどの作品が加わるのか。PRESS HORRORでは今後も注目していきたい!
文/久保田 和馬