『マインクラフト/ザ・ムービー』が多彩な新作4本を撃破し堂々V2達成!公開2週間で北米累計興収3億ドルを突破
4月20日のイースターとその休暇期間に向けて、各スタジオの期待作が相次いで公開を迎えた先週末(4月11日から4月13日)。それでも前週にひと足先に公開され、記録的なオープニング成績をあげた『マインクラフト/ザ・ムービー』(4月25日日本公開)にはどれも遠く及ばなかったようだ。
危なげなく2週連続No. 1を飾った『マインクラフト/ザ・ムービー』の2度目の週末3日間の興収は7850万ドルと、前週と比較するとおよそ半減の48.2%。それでも公開2週目末の成績としては歴代17位と非常に高い水準を維持している。また、北米累計興収は週末段階で2億7800万ドルを突破し、公開14日目の17日木曜日に3億ドルを突破。これは歴代30位タイの速さだ。
海外興収を含めた全世界興収はすでに5億ドルを突破し、現時点で5億7700万ドルほど。2025年公開作としては現在2位だが、1位が中国だけで20億ドル近くを稼ぎだしている『ナタ 魔童の大暴れ』(日本公開中)という例外的作品。世界各国でまんべんなくヒットしているという点で考えれば、今年を代表する作品に堂々躍りでたといってもいいだろう。あとはここからどこまで数字を積み重ねていけるか。
2位から5位を独占した新作タイトルのなかで、最上位に入ったのはCGアニメの『The King of Kings』。製作が『サウンド・オブ・フリーダム』(23)のAngel Studiosで、ボイスキャストにはピアース・ブロスナンやオスカー・アイザック、ケネス・ブラナー、ユマ・サーマン、マーク・ハミル、フォレスト・ウィテカーと錚々たる顔ぶれが揃い、メガホンをとったのは韓国映画界で視覚効果アーティストとして活躍してきたチャン・ソンホ監督だ。
初日から3日間の興収は1937万ドルとまずまずで、チャールズ・ディケンズが息子にイエス・キリストの生涯の物語を語り聞かせるというストーリーがイースターシーズンの需要と合致したといえよう。批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家の好意的評価の割合が65%で、観客のそれは97%。大きく跳ねるタイプの作品ではないだけに、最終的には5000万ドル前後の興収に着地するだろう。
『ボヘミアン・ラプソディ』(18)でアカデミー賞主演男優賞に輝いて以来となるラミ・マレックの主演作『アマチュア』(日本公開中)は、初日から3日間で1480万ドルを記録して3位スタート。順位としては悪くないが、6000万ドルの制作費を回収できるのかギリギリのライン。こちらは「ロッテン・トマト」で批評家からの好意的評価の割合が61%、観客からのそれが89%と、やや平凡な評価にとどまっている。
一方で、作品評価が高かったわりに興収面で伸び悩んでしまったのが、4位にランクインしたアレックス・ガーランド監督とA24のタッグ作『Warfare』と、5位にランクインしたブラムハウス・プロダクションズの新作スリラー『Drop』。前者のオープニング興収は831万ドルで、1年前の同時期に公開された『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)のおよそ3分の1。後者は同739万ドルと、1ヶ月前に公開された同じブラムハウスの『The Woman in the Yard』を下回る結果に。
とはいえ『Warfare』の評価は2025年公開作では群を抜いて高く、「ロッテン・トマト」では批評家からが94%、観客からが93%。2000万ドルの制作費の回収も問題なさそうで、下半期に本格化する賞レースまで話題性を維持できるかが重要になってくるはずだ。『Drop』のほうも批評家からが84%で観客からが80%となかなかの高評価であり、制作費が1100万ドルと安価なことも安心材料のひとつ。ただ総合的に見ると、『マイクラ』以外の作品はまだ閑散期の影響下にいると見える。
文/久保田 和馬