「やり残したことはない」4人の女優たちがぶつかり合う、堤幸彦監督『Page30』の舞台裏に迫る
とあるスタジオに集められた4人の女優たちが、閉鎖された空間での舞台稽古を通して極限まで追い詰められていく姿を描く『Page30』(公開中)は、いったいどのように作りだされたのか?このたび本作から、主演を務める4人の女優たちと堤幸彦監督、そしてエグゼクティブプロデューサーを務めたDREAMS COME TRUEの中村正人が作品の魅力と撮影の裏側を語るフィーチャレット映像が解禁された。
30ページある台本と共に、4日後に舞台公演を行なうとだけ告げられ、理由も説明もないまま連絡手段も没収された4人の女優たち。疑心暗鬼に陥りながらも稽古を繰り返し、ぶつかり合っていくうちに、それぞれ切実な事情を抱えた彼女たちの苦悩と葛藤が浮き彫りになっていく。そして迎えた4日目、不気味な仮面をつけた謎の観客たちが見守るなか、絶対に失敗の許されない“とある仕掛け”が告げられ、舞台の幕が上がることに。
このたび解禁された映像は、唐田えりかと林田麻里、広山詞葉、MAAKIIIの4人がセリフ量の多さに苦労したことを口々に語り、中村が「よく練られた脚本」だと賛辞を送るところから始まる。「この大変なプロジェクトに、4人が力を合わせて挑まなければ乗り越えられない」と広山が振り返るように、実際に初日から自主的に稽古に挑んでいた彼女たち。
また、唐田は「本当に仲が良くないと乗り越えられなかった現場」と語っており、映像のなかでは劇中の緊張感とは対照的にリラックスムードあふれる撮影の裏側の様子も収められている。さらに「女優たちも女優という職業をやりながら、人として一生懸命もがきながら生きています」と林田が言うように、それぞれがリアルに自らの役者人生もかけて挑んだ本作に、MAAKIIIも「やり残したことはないねって胸を張って言える作品」と自信をのぞかせた。
中村と共に世界的ジャズピアニストの上原ひろみが音楽を担当し、脚本は劇団マカリスター主宰の井上テテが堤監督と共同で執筆。劇中演劇の台本を劇団「□字ック」主宰の山田佳奈が手掛けるなど、映画・音楽・舞台各ジャンルを代表するクリエイターが集い完成した本作。細部までこだわり抜かれたなかで繰り広げられる4人の女優たちの熾烈な演技バトルと、待ち受ける驚愕のクライマックス。魂のこもった舞台を、是非ともその目に焼き付けてほしい。
文/久保田 和馬