長澤まさみ×矢口史靖監督『ドールハウス』がポルト国際映画祭グランプリを受賞!
『ウォーターボーイズ』(01)の矢口史靖監督が長澤まさみとタッグを組み、キャリア初のオリジナル脚本の長編ミステリーに挑んだ『ドールハウス』(6月13日公開)。本作が、“世界三大ファンタスティック映画祭”の一つである第45回ポルト国際映画祭で、グランプリにあたる「Best Film Award」を受賞した。
5歳の娘・芽衣を亡くした鈴木佳恵(長澤)と夫の忠彦(瀬戸康史)。哀しみに暮れる佳恵は、骨董市で見つけた芽衣によく似た愛らしい人形をかわいがり元気を取り戻していく。だが佳恵と忠彦のあいだに新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に心を向けなくなる。やがて5歳に成長した真衣が人形と遊ぶようになると、一家に変な出来事が次々と起きはじめる。佳恵たちは人形を手放そうとするが、捨てても捨てても戻ってきてしまう。
ポルトガル第2の都市ポルトで毎年開催されているポルト国際映画祭は、1981年にスタートしたファンタジーやSFなどのジャンル映画に特化した国際映画祭。シッチェス・カタロニア国際映画祭、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭と並び、“世界三大ファンタスティック映画祭”の一つとして知られている。
そのファンタジー長編部門のコンペティションおよびオリエントエクスプレス部門に選出された本作は、現地時間3月3日に公式上映。上映前に矢口監督は、満席となった会場の観客たちの拍手喝采に包まれながら、劇中に登場する“アヤ人形”と共に登壇。「映画はこの人形にまつわる不思議な物語になっています。この可愛い人形“アヤ”の活躍を楽しんでください」と挨拶。さらに現地での参加が叶わなかった長澤からのメッセージ動画が流れ、ただならぬ熱気のなかで上映がスタート。
本編上映中にはところどころで驚きの声があがり、また時には笑い声もあがるなど、息もつかせぬストーリー展開に目の肥えたポルトの観客たちもすっかり没入している様子。エンドロールが流れると同時に拍手が巻き起こり、上映終了後には会場中から大歓声があがるなど約5分間にわたってスタンディングオベーション。客席で一緒に上映を見ていた矢口監督もアヤ人形を抱き上げ、ポルトの観客の反応に喜びの表情を見せていた。
上映後には、興奮冷めやらぬ様子の観客たちが矢口監督とアヤ人形と一緒に写真を撮るために長蛇の列。一人一人と丁寧に言葉を交わしていた矢口監督は「あんなに絶叫してもらえると思わなくて感無量です。観終わって出てきたお客さんから『あんな結末になると思わなかった!』と言われたのが本当にうれしかったです!お客さんを最後まで引きずり込むことに成功したのかなと思います」と映画祭を振り返った。
そして現地時間3月8日に行われた授賞式で、見事にグランプリを受賞。これまでギレルモ・デル・トロ監督やデヴィッド・フィンチャー監督、ジョージ・A・ロメロ監督など錚々たる監督たちが手にしてきた歴史ある賞を手にした矢口監督は「賞をいただけたことで、映画として誰にでも楽しめるエンタテインメントができたのだと確信しました」と喜びを爆発させる。
世界中をゾクゾクさせ、ポルト国際映画祭の共同ディレクターを務めるベアトリス・パチェコ・ペレイラも「大ヒット間違いなしです」と太鼓判をおした本作。日本での公開が待ちきれない!