高畑充希「観たらパワーをもらえる作品!」『ウィキッド ふたりの魔女』日本語吹替版キャストが舞台挨拶
不朽のミュージカル「ウィキッド」を映画化したエンタテインメント大作『ウィキッド ふたりの魔女』が、 本日より公開中。日本公開を記念し、3月6日に高畑充希、清水美依紗、kemio、ゆりやんレトリィバァら日本語吹替版の豪華キャストと、音楽プロデューサーの蔦谷好位置らが集結する舞台挨拶がTOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催された。
エミー賞、グラミー賞、トニー賞と数々の受賞歴を持つ実力派女優シンシア・エリヴォと、グラミー賞の常連で世界を魅了し続けるアーティストのアリアナ・グランデを主演に迎えた本作。第97回アカデミー賞で美術賞と衣装デザイン賞の2部門を受賞した。
後の悪い魔女エルファバ役の吹替えを務めた高畑は、「いよいよ公開ということでかなりドキドキしていますが、皆さまと一緒に時間を過ごせることをとてもうれしく思います」と、後の善い魔女グリンダ役の吹替を務めた清水は「先日、アリアナとシンシアと(ジョン・M・)チュウ監督が来日され作品の魅力をたくさん伝えてくれたのですが、本日一足先に観られる皆さんにも、ぜひ一緒に盛り上げていただきたいと思います」と挨拶。
グリンダの友人で、ゴシップ好きの皮肉屋ファニー役の吹替えを務めたkemioは「何度でも観たいと思う愛のあふれた作品で、皆さんが映画館を出る際には勇気や自信などを感じてもらえると思います」と、ファニーの友人シェンシェン役の吹替えを務めたゆりやんレトリィバァは「シェンシェンの声をやらせていただきましたゆりやんレトリィバァです」と、いつもと雰囲気を変えて自己紹介。日本語吹替版の制作に参加した音楽プロデューサーの蔦谷は「プレッシャーもありましたが、すばらしい作品になっているという自負があります。今日はぜひお楽しみください」とそれぞれに挨拶をした。
自身の好きな楽曲を訊かれると、高畑は「ディファイング・グラヴィティ」を挙げ「この映画でエルファバが空を飛び歌う際に、昔ピーターパンを演じ、舞台で空を飛んでいた時の記憶と繋がり、より深くこの楽曲が好きになりました」と自らの経験との結びつきを語る。清水は「ノー・ワン・モーンズ・ザ・ウィキッド」と答え「グッと掴まれる迫力、圧倒的な映像美と一緒に聞くと、ものすごく世界に没入できました」と魅力を語った。
蔦谷も清水と同じ曲を選び「メロディやフレーズがその後のいろんな曲やシーンにちりばめられており、『ディファイング・グラヴィティ』などにも伏線のように張り巡らされているので、ぜひそんな耳で音楽を聴いていただけるとより楽しんでいただきたいです」と音楽プロデューサーならではの目線でコメント。さらに蔦谷は、本作への参加が決まった時の心境について「映像を観た時、世界最高峰のクオリティだなと感じ、加えてそもそも好きな作品なので、緻密に諦めずに最後までやり切ろうと思いました」と並々ならぬ意気込みを語った。
続けて、エルファバとグリンダの出会いや、自分の進むべき道を見いだしてゆく様を描いた本作にちなみ、これまでの人生において、背中を押されたと感じた出会いやエピソードについて訊かれると、まずkemioが、「8年ほど前、引っ越したばかりで英語ができなかったときに出会ったアメリカ人の友だちです。当時どうやってコミュニケーションを取っていたか覚えてないですが、グリンダとエルファバみたいに心で繋がって、いまでも1日3回ほど電話するほど仲が良いです。(電話の回数が)多すぎだよね~」と心温まるエピソードを明かしつつ笑いを誘った。
ゆりやんは「芸人1年目の時に背中に拳銃のおもちゃだけ入れて舞台に挑んだ際、本当に先輩に背中を押されて舞台から落ちて。そこで前に出ていくということを学びました!」と冗談を交えつつ、おなじみの泣き芸で会場の爆笑をさらった。
ここで、今回ジャパンプレミアでも仲睦まじいようすが話題となっていた日本語吹替版キャストたちが、結束の固い友情の証をフラワーアレンジメントに込めてお互いに交換することに。清水からエルファバのイメージカラーであるグリーン基調のアレンジフラワーを受け取った高畑は「うれしいです。猫に食べられないように気をつけて飾らせていただきます」とコメント。高畑からグリンダをイメージしたピンクを中心に彩られたアレンジフラワーを受け取った清水は「純粋にお花を貰うのってこんなにうれしいんだなと改めて実感しました」とそれぞれ喜びを語った。
そして、kemioとゆりやんが共作したダイナミックな色遣いのアレンジフラワーを受け取った蔦谷は「お2人があるシーンで歌ってくれたおかげで曲が明るくなったことに、とても感謝しています。お花もかなりカラフルでキャラクターたちのいろんな人間模様が描かれている本作にも重なって、素敵です」と改めてお礼を述べ、互いの絆を確かめ合った。
最後に『ウィキッド ふたりの魔女』の大ヒットを願い、高畑が「日本中がウィキッドの魔法にかかる!」と会場に魔法をかけると、観客のペンライトが緑とピンクに彩られ、音楽とシンクロした幻想的な光のショーが劇場内を包み込んだ。高畑は「皆さんのおかげで魔法が完了しました。字幕版より先に吹替版の方を先に観てくださることに緊張もありつつ、感激しております。音楽もすばらしいけど友情だけにとどまらず人と人との関係性が繊細に描かれており、観たらパワーをもらえる作品なので、ぜひ友達や家族など色んな人に広めてほしいです!」とこれから映画を観る観客へメッセージを話し、盛大な拍手に包まれながらイベントは幕を閉じた。
文/山崎伸子