『アバター』最新作、全世界興収17億ドル突破で歴代7位まで浮上

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『アバター』最新作、全世界興収17億ドル突破で歴代7位まで浮上

2022年の北米総興収は73億6781万ドル。これはコロナ禍からの復調途上だった2021年対比164%。2009年から2019年まではいずれも総興収100億ドルを超えているためそれには及ばないが、着実に元に戻りつつあることがわかる。その一方、公開本数は491本と前年比112%だが2018年と比較すると約半分という少なさで、1本あたりの平均興収は2011年以降最高の1500万ドル。つまるところ“稼げる作品”は増えているが、深刻な作品不足はまだ続いているといったところだろうか。

【写真を見る】2022年の北米興収ナンバーワン映画はやっぱり『トップガン マーヴェリック』!興収増も作品不足はまだまだ続く…?
【写真を見る】2022年の北米興収ナンバーワン映画はやっぱり『トップガン マーヴェリック』!興収増も作品不足はまだまだ続く…?[c]Everett Collection/AFLO

年間の最高興収作品は『トップガン マーヴェリック』(日本公開中)の7億1831万ドル。4億ドルを超えた作品は、大晦日に4億ドルの大台に突入した『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(日本公開中)を含めて3作品。3億ドル台の作品も4作品あり、ヒットの目安である1億ドルを突破したのは全部で18作品。コロナ禍前は1億ドル超え作品が例年30本以上はあるので、こうしてみるとまだまだ寂しい情勢だ。


全世界興収はすでに15億ドルを突破!全世界歴代ベストテンに浮上
全世界興収はすでに15億ドルを突破!全世界歴代ベストテンに浮上[c]Everett Collection/AFLO

そんな2022年最後の週末にして、年をまたぐ格好となった12月30日から1月1日週末の北米興収ランキングは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のV3で飾られた。3日間の興収は6740万ドルと、クリスマス週末だった前週よりも微増。これはクリスマスの週末が強烈な寒波に見舞われたことが一因であろう。前述の通り大晦日で4億ドルを突破しており、元日の興収を含めると4億2500万ドルに到達。

日本でも興収25億円を突破するなど安定したヒットを続けているが、前作ほどの熱狂を感じられないのが正直なところ。とはいえ全世界興収は12日までに17億4900万ドルを突破し、『ジュラシック・ワールド』(15)を抜き去って歴代7位に。いつのまにか全世界歴代ベストテンにランクインしているのだから、さすがジェームズ・キャメロンおそるべし。北米では公開20日間の興収で前作よりも9000万ドル上回るハイスピードとなっている。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は久々にトップ3へ返り咲き
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は久々にトップ3へ返り咲き[c]Everett Collection/AFLO

年末年始はほとんど新作公開がないため上位10作品に大きな変動は見られなかったが、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(日本公開中)は前週の6位から3位にジャンプアップ。またデイミアン・チャゼルの『バビロン』(2月10日日本公開)は2週目でなんとか興収1000万ドルを突破。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の一強ムードはまだ続きそうだが、2023年の北米興収概況が昨年よりも活気に満ちたものとなるよう願っている。

文/久保田 和馬

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