『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が三つ巴を制して北米V2!『バズ・ライトイヤー』はまさかの2位スタートに
先週末(6月17日から19日)の北米興収ランキングは、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(7月29日日本公開)と『バズ・ライトイヤー』(7月1日日本公開)、そして『トップガン マーヴェリック』(日本公開中)の熾烈な三つ巴が展開。まさに大作がひしめき合うサマーシーズンらしい戦いに勝利したのは、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』だった。
前週に好発進を見せ、2週連続で首位に立った『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。3日間の興収は5915万ドルと前週比およそ4割に落ち着いたものの、北米での累計興収は2億5000万ドルを突破。海外興収も前週から1億ドル以上上乗せしており、中国では興収1億ドル到達も目前。全世界興収は6億5000万ドルに到達する順調な興行となっているが、前2作ほどの爆発力は見込めそうにない現状だ。
一方、まさかの2位スタートとなったのは『バズ・ライトイヤー』。初日の金曜日はデイリー1位を獲得したが土日は『新たなる支配者』の勢いに呑まれ(しかも日曜日には『トップガン マーヴェリック』にも後塵を拝する結果に)、オープニング3日間の興収は5057万ドル。奇しくも7年前の同じ時期に、同じピクサーの『インサイド・ヘッド』(15)が9000万ドル近いオープニング興収を叩きだしながら、僅差で2位に敗れたことを思い出させる。その時も1位に立ったのは公開2週目の『ジュラシック・ワールド』(15)だった。
コロナ禍で公開されたアニメ作品では最高のオープニングであり、作品評価もまずまずの安定感。それでもいまひとつ興行的に伸びきらなかったのは、いくつかの原因があると考えられる。「Variety」の記事を参照すれば、「トイ・ストーリー」シリーズとのつながりが希薄なこと、近2作の劇場公開を見送ったことやディズニープラスで比較的早く配信されることなどピクサー作品を求める観客を劇場に呼び戻す起爆剤になれなかったこと。もちろん相手関係というのも大きい。
そんな不安要素があらわになった上位2タイトルと肩を並べ3位にランクインしたのは、公開4週目を迎えた『トップガン マーヴェリック』。3日間で興収4465万ドルと、4位に10倍以上の差を付け『バズ・ライトイヤー』にも600万ドル近く迫る驚異的な安定感。公開4週目の興行成績を比較してみると、(4週目に拡大公開に踏み切った『アメリカン・スナイパー』の 8926万ドルはイレギュラーなケースとして除けば)『アバター』の5030万ドルに次いで歴代2位の成績。
北米累計興収は平日に入ってから4億8000万ドルを突破し、『アナと雪の女王2』(19)を抜いて歴代18位に。全世界興収も9億ドルを突破しトム・クルーズ出演作のNo. 1に。この週末には『ブラック・フォン』(7月1日日本公開)と『エルヴィス』(7月1日日本公開)の2タイトルが拡大公開されるが、業界予測では前者は1500万ドル前後、後者は3000万ドル前後のスタートと考えられている。ということは、日本と同様に勢いが衰えない『トップガン マーヴェリック』が公開5週目にして首位に返り咲くというパターンも充分に考えられるだろう。
文/久保田 和馬