
第二次大戦前、旧チェコスロヴァキアでナチスによる迫害に瀕した669人ものユダヤ人の子どもたちを救出したニコラス・ウィントンの、知られざる偉業を追跡するドキュメンタリー。再現ドラマを交え、約50年後の子どもたちとの再会や彼の善意の影響を追う。監督は、2002年国際エミー賞に輝き日本でもテレビ番組で『愛の力:ニコラス・ウィントン』と題し一部が紹介された『THE POWER OF GOOD』をはじめ、イギリスのシンドラーと呼ばれるニコラスをテーマにした作品に長年取り組むマテイ・ミナーチュ。ニコラスに助けられたカナダのテレビジャーナリスト、ジョー・シュレシンジャーがナレーションを担当。2011年モントリオール世界映画祭最優秀ドキュメンタリー映画賞に輝いた。
ストーリー
1938年、第二次世界大戦前夜。証券会社に勤めるイギリス人ニコラス・ウィントンは、ユダヤ人難民支援を行う友人の手助けをするためチェコスロヴァキアを訪れる。ナチスの迫害に遭い悲惨な生活を余儀なくされるユダヤ人難民の姿を見た彼は、せめて子どもたちだけでも救出できないかと動き始めた。各国から拒否される中、すでにドイツからユダヤ人の子どもたちを避難させるキンダートランスポートを行っていたイギリスだけが受け入れを認めた。その条件は、すべての子どもたちに里親を見つけること、政府に一人あたり50ポンドの保証金を支払うことという厳しいものだった。ニコラスはプラハで子どもたちの写真入り資料を作成し、イギリスで里親探しを開始。1939年9月1日の大戦勃発までの間、669人もの子どもたちを救出した。しかし救えなかった子どもたちに胸を痛めたニコラスは、そんな偉業を家族にも語ることはなかった。1988 年、妻グレタが屋根裏部屋で子どもたちの詳細が記されたスクラップブックを発見。イギリスのテレビ局 BBCは彼が救出した子どもたちの行方を調べ、ニコラスと再会させた。子どもたちは戦後各国で様々な仕事をし、子や孫をもうけ、子どもたちの家族は今や6000人にまでなっていた。人を助けることの素晴らしさを知る彼らやその家族、ニコラスに感銘を受けた人々は様々な慈善活動を行い、その輪は今もなお世界中に広がっている。
キャスト


ジョー・シュレシンジャー

ヴェラ・ギッシング

アリス・マスターズ

ベン・アベレス

エリ・ヴィーゼル

ダライ・ラマ14世

クラーラ・イソヴァー
母親(再現フィルム)

ミハル・スラニー
ニコラス・ウィントン(再現フィルム)
スタッフ
監督、脚本、プロデューサー
マテイ・ミナーチュ
脚本、編集主任、プロデューサー
パトリック・パッシュ
ナレーション
ジョー・シュレシンジャー
原案書籍
ヴェラ・ギッシング
撮影
ドド・シモンチッチ
撮影
ペテル・ズバル
撮影
アントニーン・ダニュヘル
撮影
マルティン・クバラ
音楽
ヤヌシュ・ストクロサ
編集担当
アレナ・スプストヴァー
編集担当
ローベルト・ツプリーク
録音
ペテル・ネーメツ
録音