前田敦子が「HIBIYA CINEMA FESTIVAL」イベントに登壇!『あしたの私のつくり方』市川準監督に「叱りながらも、丁寧にちゃんと向き合ってくれた」と感謝を送る
東京ミッドタウン日比谷にて、本日10月9日から25日(日)まで、屋外映画イベント「HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2026」が開催中。これを記念し、前日8日に「HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2026」×「女性記者映画賞」オープニングイベントとして、女性記者映画賞のアンバサダーである俳優の前田敦子、映画パーソナリティで同賞の発起人でもある伊藤さとりによるトークショーが行われた。
今年のテーマは「“ひたる”シネマ」。東京ミッドタウン日比谷前の日比谷ステップ広場に屋外スクリーンが設置されているほか、芝生も敷かれ、その上にはビーズクッションや椅子を配置してフード&ドリンクも楽しめる滞在空間が作られている。そして、その時々の気分に合わせて映画が楽しめるように、様々な感情をテーマに選ばれた映画が日替わりで上映される。
まず、コンセプトの「“ひたる”シネマ」にちなみ、最近ひたっているものは?と聞かれた前田。手にしたフリップには、「料理」と書かれていた。
「料理ですね。料理を食べてくれる息子の顔にひたっています。『ママが作る料理が世界で一番美味しい』と言ってくれるので、作るのが本当に楽しい!この間、『トンカツが食べたい』と言われたので初めて作ってみたのですが、これが案外うまくできたんですよ。自己満足ですが(笑)。料理は自分の中で考えを整理する時間にもなっていて、私自身も幸せになれるんです」。
子どもとの微笑ましいエピソードを披露し、それがモチベーションにもなっていると語る前田。さらに、子育てをしながら仕事をする大変さについても問われると、「いまはだいぶ手が離れてきましたが、当時は無我夢中でしたね。女性にしかできない経験!と不思議なアドレナリンみたいなものが湧き上がっていました。とはいえ、いっぱいいっぱいではあって…。いまあえて言えるのは、そういった大変さを無理して隠さないことも大切ということですね」と笑顔を見せる。
また、現在は子どもと一緒に映画を観に行く機会も増えたという。「息子が映画を好きになってくれて、デートをするなら映画館に行きます。『オデュッセイア』『映画ちいかわ』『バックルームズ』を最近は観ました。観終わったあと、ちゃんと感想が言い合えることにも成長を感じます。子どもと一緒なので吹替版を観ることが多いのですが、吹替版には字幕版とは違うよさがあって、こういう見方もできるんだなと新しい発見があります。ちなみに、私が出演している映画を観るのは恥ずかしいみたいで、『観たよ』とは言ってくれますが、感想は話してくれないです」。
俳優として、数多くの映画やドラマに出演する前田だが、彼女自身も新作、旧作を問わず鑑賞する大の映画ファンとして知られる。「ドラマはエンタメ性が強いほうが楽しく観られるのですが、映画は日常的な作品が好きですね。現実との区別があまりないほうが個人的には好みかもしれません」とその魅力を説明するなか、トークは前田が初めて映画に出演し、様々な悩みを抱える等身大の女子高生を演じた『あしたの私のつくり方』(07)に移っていく。
2008年に59歳の若さで亡くなった市川準監督を思い出し、思わず空を見上げる前田。「撮影当時、監督が本当に厳しくて。でもそれが、いまだに忘れられないぐらい、ありがたかったんです。14、15歳ぐらいの私に対して、『あなたのせいで、もう一度撮るんですよ』と叱りながらも、丁寧にちゃんと向き合ってくれました。いまはどちらかというと、ありのままを受け入れてくれるディレクターの方が多いのですが、あの時の厳しさをまだ、欲している自分がいますね」と述懐。市川監督との出会いで俳優として生きる心構えが形成され、現在までの俳優人生に大きな影響を与えているようだった。
「女性記者映画賞」とは、映画業界のジェンダーギャップ解消や作品のエンパワーメントを目的とし、審査員を全員女性の記者、ライターが務める映画賞。近年の女性監督の活躍について問われると、「世界的にご活躍されている方もどんどん出てきて、ただただカッコいいな」と話す前田。一方で、「楽しいものに賛同しているだけで、誰が作っているとかは関係ない。エンタメそのものへの熱量が高くなっていると思います」と続け、男女の垣根を意識することがなくなってきたとも述べている。
この日はトークイベント後に前田の主演作『一月の声に歓びを刻め』(24)も上映。「私からどのように観てほしいとは言わないので、とにかくなにかを感じてもらえたらありがたいです。それぞれの中で受け止めてもらい、ゆっくりひたってお家へ帰っていただけたらいいですね」と前田が会場に駆け付けた観客にメッセージを送り、イベントは締めくくられた。
「女性記者映画賞」のプログラムとして、10月10日(土)に『佐藤さんと佐藤さん』(25)、10月11日(日)に『徒花-ADABANA-』(24)、10月12日(月・祝)に『マダム・イン・ニューヨーク』(12)を上映し、上映前に監督・ゲストによるトークセッションが開催される。ナビゲーターは伊藤さとりが務める。
取材・文/平尾嘉浩
