ホラーだけどワンコにとってはラブストーリー!?大好きな飼い主を守ろうとする姿が健気な『GOOD BOY/グッド・ボーイ』

ホラーだけどワンコにとってはラブストーリー!?大好きな飼い主を守ろうとする姿が健気な『GOOD BOY/グッド・ボーイ』

ワンコの自然な演技を引きだすための工夫とは?

しかもこのご時世にして、CGや特殊メイクをまったく使っていないというから驚く。劇中、インディは邪悪な存在に引きずられそうになったり、危険に飛び込んでいったりするが、それらもすべて監督のベンと本作のプロデューサーであり監督のパートナーでもあるカリ・フィッシャーの工夫と努力の賜物だという。なんとトッドを演じているのはベン自身で、実際に現場で口にしているのは「ステイ!」とか「グッド・ボーイ!」といったインディに対する指示。それを後入れで(プロの俳優が)アフレコしていったという裏話には、思わずクスっと笑いながら、その手法が見事に機能したことに感嘆してしまう。

知らぬ間に映画スターとなった中年レトリバーのインディ
知らぬ間に映画スターとなった中年レトリバーのインディ[c] 2025 Whats Wrong With Your Dog, LLC. All Rights Reserved.

加えて天性としか思えぬインディの動きについても、大好きなエサやおやつで釣り、別室で物音を立てるなどして気を引いて、インディから飛びだす反応やその仕草(=演技)を臨機応変に物語に取り込んでいく方法を考えていったという。だからこそ3年もの月日を費やす、気の遠くなるような制作過程だったのだ。インディ自身は求められる演技を、ゲームのように楽しんでいたという。実際にはひどい仕打ちはされていないので、ワンコ好きもホッと胸を撫で下ろして存分にフィクションとして心置きなく怖がってほしい。

ワンコの愛情を再確認できる『GOOD BOY/グッド・ボーイ』

インディの底知れないトッドへの愛情を味わうことができる
インディの底知れないトッドへの愛情を味わうことができる[c] 2025 Whats Wrong With Your Dog, LLC. All Rights Reserved.


はたしてトッドの運命は、そして“禍々しいなにか”とインディの対決の行方は――。インディの視点で描かれるからこそ、我々には見えないがワンコの目には映る“邪悪な存在”を目撃できる、というお楽しみも。なるほど愛犬の不可思議な行動は、人間の目や耳には感知できない、例えば“悪い気”的なものや、場合によっては本当に悪霊なんかを追い払おうとしてくれているのかもしれない!?そう、「これは人間にとってはホラー映画でも、インディにとってはラブストーリーなんです」という監督の言葉が示すように、彼らは飼い主である我々をいつでも無条件にまっすぐに愛してくれているのだから。

『GOOD BOY/グッド・ボーイ』は公開中!
『GOOD BOY/グッド・ボーイ』は公開中![c] 2025 Whats Wrong With Your Dog, LLC. All Rights Reserved.

文/折田千鶴子

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