国籍も言葉も超えた魂の邂逅!濱口竜介監督最新作『急に具合が悪くなる』メインビジュアル、本予告、場面写真
『ドライブ・マイ・カー』(21)の濱口竜介監督最新作『急に具合が悪くなる』が、6月19日(金)に公開される。このたび、本作のポスタービジュアル、本予告、場面写真3点が一挙解禁された。
『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞国際長編映画賞およびカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞し、『悪は存在しない』(24)でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞、『偶然と想像』(21)でベルリン国際映画祭銀熊賞に輝くなど、国内外から圧倒的な賛辞を浴びる濱口監督。『急に具合が悪くなる』も第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品が決定した。同部門への選出は『寝ても覚めても』(18)、脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』に続き3度目の快挙となる。
物語の中心となるのは、介護施設で理想のケアの在り方を探求するマリー=ルーと、独創的な舞台演出家でありステージIVのがん患者である真理。同じ名前を持つ2人が偶然に出会い、やがて友情という枠組みをも超えた深い絆を結んでいく姿を描きだす。主人公2人を演じるのは、『ベネデッタ』(21)で世界的な注目を集めた仏トップ女優ヴィルジニー・エフィラと、トップモデル「TAO」として一時代を築き、『ウルヴァリン:SAMURAI』(13)などハリウッドを中心に国際的なキャリアを重ねる岡本多緒。脇を固めるのは、『敵』(25)で第37回東京国際映画祭最優秀男優賞などに輝いた名優、長塚京三と、主演作『見はらし世代』(23)で高い評価を受け、現在もテレビドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」に出演している気鋭の俳優、黒崎煌代。
このたび解禁された本予告映像は、「私、進行がんで余命半年って言われて…急に具合が悪くなるかもしれないって」という、岡本演じる舞台演出家、真理の衝撃的な告白から幕を開ける。その言葉を客席から真剣な眼差しで見つめているのが、エフィラ演じるマリー=ルーだ。
続いて映像は、主人公2人のコントラストを描きだす。理想の介護を追求するあまり、「現場の仕組みを変えないと、介護は変わらない」と施設内で孤軍奮闘するマリー=ルー。一方、マリー=ルーが思わず「余命わずかなんて信じられない」とこぼすほどに生命力を放つ、がんを抱えて生きる真理。ホワイトボードを前に「戦ってるものの正体をさ、もうちょっと詰めてみない?」と熱っぽくマリー=ルーに問いかける。「それは運命的な出会いだった」。その言葉通り、2人は出会ってすぐに、国境や言葉の壁を越え、魂のレベルで深く共鳴していく。「あなたともっとたくさん話したい」と微笑む真理に対して、「怖い!?…死ぬこと」と静かに問いかけるマリー=ルー。2人の穏やかな対話が、パリの美しい風景と共に切り取られていく。しかし映像の後半、事態は急転。真理が芝生の上に崩れ落ち、マリー=ルーが駆け寄る。
「認知症、老い、死…どれも解決できない」という台詞と共に涙ぐむマリー=ルーと真理が映しだされたあとに、「我々が開くのはこの世界の新たな可能性だ」という長塚演じる俳優、清宮吾朗の力強いセリフが重なる。さらに、黒崎演じる自閉スペクトラム症の少年、窪寺智樹が穏やかな表情で空を見上げている姿も映しだされる。夜の街で車椅子を押す真理が「悪あがきしようよ、一緒に」とつぶやき、マリー=ルーが「いいね」と静かに力強く答える。最後に映しだされる2人の熱い抱擁と、「生涯忘れえぬ3時間16分」というキャッチコピーが、圧倒的な希望と生のエネルギーに満ちた強く心を揺さぶる比類なき傑作であることを確信させる本予告編だ。
あわせて解禁されたポスタービジュアルは、美しい夜の街明かりが煌めくセーヌ川沿いの水辺を背景に、マリー=ルーと真理が並んでたたずむ姿が切り取られ、「この魂の出会いが、世界を変える」という力強いキャッチコピーが並ぶ。2人の間に結ばれる深い絆を感じる美しいデザインだ。また、初解禁された場面写真は、マリー=ルーが、ユマニチュードという介護技術を施設に浸透させるべく笑顔で入居者に接する姿、真理とマリー=ルーが静かに抱擁する姿、そしてマリー=ルーが、智樹の目をしっかりと見つめてなにを伝えようとしている姿の3点が解禁された。
濱口監督が、日仏を代表する実力派キャストと共に描きだした、言葉と国境を越えた魂の出会い。第79回カンヌ国際映画祭で初お披露目される本作に、ぜひ期待してほしい。
文/山崎伸子
