「幸せな気持ちでいっぱい」柄本佑、沢口靖子らが『木挽町のあだ討ち』大ヒット舞台挨拶で反響に感謝!

「幸せな気持ちでいっぱい」柄本佑、沢口靖子らが『木挽町のあだ討ち』大ヒット舞台挨拶で反響に感謝!

映画『木挽町のあだ討ち』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が3月30日、新宿バルト9にて開催され、主演の柄本佑沢口靖子、本作で脚本と監督を務めた源孝志監督、原作者の永井紗耶子が登壇。ゲスト陣が本作のSNSでの反響を喜びあったあと、製作秘話や役作りについても語り合った。

2月27日の公開以来、口コミやSNSを中心に高評価が広がり、リピーターも続出している本作。満員の客席を前に、柄本は「大ヒット御礼舞台挨拶って滅多に出ることがないので緊張していますが、本当に皆さんのおかげです。少しでも恩返しができたら」と挨拶。沢口も「私も初めてではないかと思うのですが、この作品は公開以来たくさんの方に愛していただき、皆さんの熱い視線を感じています」とうれしそうに語る。

【写真を見る】仇討ち事件の真相を追う加瀬総一郎役の柄本佑。役作りとして183センチの高身長を目立たないようにしたそう
【写真を見る】仇討ち事件の真相を追う加瀬総一郎役の柄本佑。役作りとして183センチの高身長を目立たないようにしたそう[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

さらに、源監督は「初日の舞台挨拶とは違い、公開から約1か月経ったタイミングでこうしてご挨拶できるのはとてもうれしい。SNSを見ると2回、3回と繰り返しご覧いただいている方も多く、こういう映画は自分としても初めてなので、大きなスクリーンで観ていただけるのがうれしい」と手応えを語ると、永井も「自分が黙々と書いていたものが、こんな大きなスクリーンで、たくさんの方に観ていただけて感無量です。映画を観て原作を読んで、また映画を観るという楽しいループができていると感じています」と喜びを噛みしめた。

客席には推しのうちわを掲げるファンの姿も見られ、会場は温かな空気に包まれた。公開から約1か月を迎えた本作について、MCからは「各種レビューサイトでも高評価の嵐、SNSでも感想や考察が広がり、“いま最も観られている時代劇エンタテインメント”として話題」と紹介され、実際に会場でも複数回鑑賞している観客の姿が多く見られた。

SNSでは「老若男女誰もが楽しめる時代劇」「優しい嘘や芝居に心を打たれた」「物語の目撃者になれた」といった絶賛の声が相次ぎ、「あの場面はどういう意味だったのか」と考察を深めるために再び劇場へ足を運ぶ観客も多いという。反響について柄本は「SNSはあまり見ないんですが、喫茶店で『これから4回目を観に行く』という方に声をかけていただいて、リピートしてくださっているんだと実感しました」と明かし、沢口も「『涙が止まらなかった』『観終わってもしばらく立てなかった』など、愛おしい感想をたくさんいただきました」と語る。

源監督も「ここまでディスられないのは珍しい(笑)。何十年も連絡がなかった人から電話がかかってきたりもして」と笑顔を見せ、永井は「2回目からは推しのキャラクターをじっくり観たいという楽しみ方もできる」と作品の広がりに言及した。

主人公、総一郎の独特な人物像について、柄本は「自分は身長が183センチあって目立ってしまうので、この役では自分が前に出るのではなく、森田座の面々が立つべきだと思っていた。なるべく背の高さが目立たないよう意識していた」と役作りの工夫を明かした。これに対し永井は「原作では読者と同じ目線で動く人物として描いていたので、共感できる存在でいてほしかった。なにを考えているのかわからない魅力もすてきでした」と語り、「私自身もこの映画のファンとして楽しみました」と作品への想いを述べた。

仇討ちを遂げた菊之助(長尾謙杜)の母、たえ役の沢口靖子
仇討ちを遂げた菊之助(長尾謙杜)の母、たえ役の沢口靖子[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

沢口演じるたえと、息子の菊之助を演じた長尾謙杜との関係性についても話題に。沢口は「実際にお会いした時に、どこか似ていると感じましたし、同じ大阪出身ということもあり、懐かしいような温かい気持ちになりました」と振り返り、「セリフを交わすシーンはありませんでしたが、息子のことを思いながら演じていました」とコメント。SNSでも「たえが可愛らしい」「菊之助の優しさは家族譲り」といった声が寄せられていることが紹介されると、「優しいお言葉をいただき、幸せな気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。柄本も「似ていると言われてから、沢口さんを見ると長尾くんの面影がちらつくようになった」と会場の笑いを誘った。

また、渡辺謙演じる金治が率いる劇中の一座「森田座」については、源監督がその個性豊かなメンバーから“森田座アベンジャーズ”と称し、それぞれが役割を担いながら物語を動かしていくチームとしての魅力に言及。源監督は「自然とできあがったチームで、最年少の長尾さんが緊張しないよう、皆で空気をつくっていた」と振り返り「主演の柄本さんがあまり座長っぽくない存在でいてくれたこともよかった」と語った。

永井は映画化について「地面に足をつけて書いていたものが、映像では上からのカットで表現されていたり、細部まで作り込まれたセットや、思いがけないキャスティングなど、随所に驚きと楽しさがあった」と語り、「止めてじっくり見たいくらい細かいところまで楽しめる作品」と魅力を語った。

メガホンをとった源孝志監督
メガホンをとった源孝志監督[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

そして、源監督は「僕自身あまり原作ものをやらないタイプで、オリジナル作品が多いんですが、今回は直木賞と山本周五郎賞を受賞した原作なので、リスペクトはしっかりしなきゃいけないと思っていました」と前置きしつつ、「ただ、その割にはしっかり打ち合わせをしたわけではなくて、僕が書いた舞台を永井さんが観に来てくださって、その後の立ち話で15分くらい話しただけ」と明かす。

その場で源監督から「原作で“ひと言もしゃべらない男、総一郎”を主人公として描きたいんですが大丈夫ですか」と提案したという。永井は「監督の作品のファンでもあったので、どんなことになるんだろうというワクワクのほうが大きかった」と振り返り、信頼のもとでのスタートだったことを語った。一方で永井からは「仇討ちの美学ではなく、それに抗う人たちの物語にしてほしい」というリクエストがあったといい、源監督は「そこだけは絶対に守ろうと思って脚本を書き、撮影しました」と作品の軸を明かした。

原作者の永井紗耶子
原作者の永井紗耶子[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社


さらに総一郎のキャラクター造形については、「刑事コロンボ」の存在が大きく影響していることも明かされた。源監督は「原作を読んだ翌日に、たまたま『コロンボ』の再放送を観て、これだ!と思った」と振り返り、柄本に対しても「キャラクターは自由に作っていいけれど、コロンボに寄せてほしい。ただし『古畑任三郎』には寄らないで」と細かくディレクションしていたという。撮影中も「いまのは古畑っぽいからもう1回」と演出することもあったそうで、柄本も「そこまで意識していたわけではないけれど、監督から『いまのコロンボだったね』と声をかけてもらいながら導いてもらっていた」と振り返った。

柄本は本作について「これまでの時代劇と違うというより、久々に本格的な時代劇をやっている感覚が強かった。重厚な作品も大事ですが、こうした痛快な時代劇の重要性も感じている」と語り、「やっと帰ってきたぜという気持ちだった」と振り返った。

イベントの最後にキャストを代表して柄本は「3回、4回と観てくださっている方も本当にありがとうございます。回数に上限はありませんので、ぜひ何度でも観ていただけたら」と呼びかけ、「まだまだ多くの方にこの作品を観ていただきたい」と締めくくり、大ヒットを祝う舞台挨拶は温かな拍手のなか、幕を閉じた。

文/山崎伸子

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