カジサックが声を出して号泣。キングコングの実話が宿る『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開

カジサックが声を出して号泣。キングコングの実話が宿る『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開

2020年に公開されて大ヒットを記録した『映画 えんとつ町のプペル』(20)。最新作となる『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の初日舞台挨拶が3月27日にTOHOシネマズ日比谷で行われ、永瀬ゆずな、MEGUMI、小芝風花、吉原光夫、カジサック(キングコング・梶原雄太)、製作総指揮・原作・脚本を務めた西野亮廣、廣田裕介監督が出席した。

『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の初日舞台挨拶が開催された
『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の初日舞台挨拶が開催された

原作累計発行部数80万部を突破し、ミュージカル、歌舞伎、バレエなど多岐に広がり続ける「プペル」の世界。最新作では、大切な親友のプペルを失い、悲しみに暮れていた少年・ルビッチが、時を支配する異世界“千年砦”へと迷い込み、不思議な時計台の謎を追いかける姿を描く。

製作総指揮・原作・脚本を務めた西野亮廣
製作総指揮・原作・脚本を務めた西野亮廣

西野と梶原によるお笑いコンビ「キングコング」の実話をもとに、“帰ってこなくなった友人を、ただただ待ち続けた日々”を映し出した物語となる。

ルビッチが迷い込んだ異世界の時計師・ガス役の吉原光夫
ルビッチが迷い込んだ異世界の時計師・ガス役の吉原光夫

ミュージカル版にも参加していた吉原は、脚本の第一稿を「だいぶ前に読んだ」と回想。「読んだ時にすごく好きだと思ったんですが、(西野が)『それは全部、没にしました』と。そこから新しい、今回の脚本が生まれて。前のものが好きだったので、前のものに戻した方がいいんじゃないかと思っていたんですが、完成版を観るとこれしかないなと思った」と振り返ったように、西野は10か月ほどかけて書いた脚本を白紙に戻して、新たに自らの体験を注ぎ込んだ物語に取り組んだという。

ルビッチの新たな相棒・モフ役のMEGUMI
ルビッチの新たな相棒・モフ役のMEGUMI

ルビッチの新たな相棒・モフ役を演じたMEGUMIは、「好きで尊敬する監督たちは、『作品は個人的であれば、あるほどいい』と常に教えてくれる」と切り出し、「キングコングのお2人とは、デビュー当時からのお付き合いで、クラスメイトみたいな感覚がある。2人の物語を見ていたから、それがこういう形になったんだと。西野くんのアイデンティティや生き方、梶原さんとのお話が詰まっていた。めちゃくちゃエモーショナルで、そういった意味で泣けました。それを今日、こんなにたくさんの人が観ている。その一連がエモすぎて、特別な日」とキングコングの2人を見守ってきた一人としても、感無量の面持ちを見せた。

西野亮廣とカジサックのやり取りに、会場も大盛り上がり!
西野亮廣とカジサックのやり取りに、会場も大盛り上がり!

西野は、改めて本作に込めた想いを明かした。「21ぐらいの時に、仕事がうまくいかなかったんですね。デビューが早くて、エリートだともてはやされたものの、どの現場に行ってもあまり結果が出せず。そのプレッシャーから、梶原さんが失踪してしまった。あなた、3日くらい見つからなかったよね」と話を向けると、カジサックは「その3日の記憶がいまもない」と告白。

西野は「とても会話や仕事ができる状態ではなく、その時に吉本興業から“キングコング、無期限の活動停止”という発表があった。そこから2、3か月、僕はずっと部屋にいた。3か月くらい経ったころ、吉本興業から『梶原があの調子だから、難しそうだ。西野、一人で行くか?』という提案があり、一瞬その道も考えた。でも漫才をしている時間が楽しかったし、2人でおしゃべりをしている時間も楽しかった。それが全部なくなってしまうのは、イヤだった。ここで僕が一人で行って、万が一うまくいってしまったら、いよいよ梶原さんが帰ってくる場所がなくなってしまう。そこで『待ちます』という返事を返した。自分の人生を振り返っても、覚悟を振り絞った瞬間」だと打ち明けつつ、「この映画の脚本を書き直すと決めた時に、個人的な話を書こうと思った。真っ先に“待つ”と決めた瞬間がコアな部分で、外すわけにはいかないなと思った」と語る。

千年砦を取り仕切るホーラの元で働くネズミたちの中間管理職のヒモサック役のカジサック
千年砦を取り仕切るホーラの元で働くネズミたちの中間管理職のヒモサック役のカジサック

カジサックは、「マジで何回、泣いたかわからないくらい泣いてしまった」と映画を観て号泣したとのこと。「照れちゃいますが、最後のシーンは、声が出るくらい泣いてしまった。20年以上前の話ですが、西野が待っているという、その景色を思い出させてくれた。ちょっと病んでいたので、僕にとっていい思い出だったかはわからないですが、いまカジサックとしてこうやって頑張れているのも、あの一瞬があったおかげ。いろいろな想いが襲ってきて、めちゃくちゃ泣きました」と明かす。西野は、ナギとガスのクライマックスの描写やセリフは、当時の2人の「そのままだ」とエピソードを披露していた。

人に化けた植物、ナギ役の小芝風花
人に化けた植物、ナギ役の小芝風花

「アフレコの直前に、この話を聞かせていただいた」というナギ役の小芝は、「身が引き締まる想いがした。大切な役を任せていただいた」と吐露。「映像で、待っていたガスの表情を見ただけで、自然と涙があふれてきた。あそこのシーンは何回か収録をしたんですが、毎回、本当の涙が出る。いろいろな想いが詰まったシーンだからこそ、観ているだけでこちらも胸をつかまれて、自然と涙があふれてくるステキなシーンになった」としみじみと話した。

主人公・ルビッチ役の永瀬ゆずな
主人公・ルビッチ役の永瀬ゆずな

「もう一度会いたい」という作品のテーマにちなみ、「もう一度会いたい人、行きたいところ、やりたいこと」についてトークを展開する場面もあった。主人公・ルビッチ役の永瀬は、「もう一度っていうくらい、生きていないんですが」とはにかみながら、「映画の第3弾があったら、ルビッチにもう一度会いたい」とさらなる続編を希望し、大きな拍手を浴びた。そしてMEGUMIは、「キングコング」と回答。西野が「うれしい」と破顔するなか、MEGUMIは「梶ちゃんと会えたのは、20年ぶりくらい。これだけ仕事で再会できたら、うれしいじゃないですか。また10年後、20年後に違う形で再会したいよね。頑張ろうね」とメッセージを送ると、カジサックは「ありがとう」と感謝を込めていた。

窪田正孝から、サプライズで映像コメントが到着!
窪田正孝から、サプライズで映像コメントが到着!

加えてステージには、前作に引き続きプペル役を演じ、現在カナダにいる窪田正孝から、サプライズで映像コメントが到着。

窪田は「再びプペルを演じることができた。新しいキャラクターの皆様に会えて、勇気をもらえた」と喜びを噛み締めつつ、「2020年に『えんとつ町のプペル』を収録していた当時の風景を、いろいろと思い出しました」とコメント。「勇気をもらえるし、たくさんの幸せや感動を与えてくれる作品」だと完成作にも惚れ込んでいる様子。西野は「彼が、プペルというキャラクターを作ってくれた。真っ白でピュアで、情けなくて、愛くるしくて…というキャラクターを、彼が作ってくれた。本当に感謝しています。どうもありがとうございました」と心からのお礼を述べた。西野とカジサックのやり取りに終始、会場から笑い声が上がっていたこの日。最後に廣田監督は、「色、明るさ、絵の細かさ、音もすべて、映画館で観るために作っている。ぜひ映画館に足を運んでいただきたい」とアピール。

監督を務めた廣田裕介
監督を務めた廣田裕介

西野は、「“待つ”ということがテーマです。いま僕がやっている会社には、20個くらい年下の若手がいる。1年目、2年目のスタッフには、コケる前に口を挟みたくなることもある。でもそこで逐一言ってしまうと、自分で考えることをやめてしまうから、ぐっと我慢する。多分、子育てもそうですかね」と想いを馳せながら、「教育や子育ての過程で“待つ”というのは、非常に重要なことであり、挑戦なんだなと思います。そして“待つ”というのは、なにもしないことではなくて、相手のことを信じ抜くこと。僕も梶原さんを待っている時には、そういう気持ちでいました。梶原さんのことを信じ抜くぞという想いで、ずっと待っていました。そういったメッセージが伝われば、うれしい」と呼びかけ、大きな拍手を浴びていた。


取材・文/成田おり枝

関連作品