The Boss、祝76歳の誕生日!『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』心揺さぶる本予告公開
ロックの英雄、そしてアメリカの魂と称され、50年にわたって第一線を走り続けるブルース・スプリングスティーンの若き日を描く感動の音楽ドラマ『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が11月14日(金)より日本公開される。公開に先駆け、10月27日(月)の第38回東京国際映画祭「ガラ・セレクション」部門正式出品が決定。さらに、本日のブルース・スプリングスティーンの誕生日を記念し、本予告映像が公開された。
スプリングスティーンは、“The Boss”と称され社会性の高い歌詞と力強いライブパフォーマンスで世界的な評価を獲得。1973年のデビュー以来、自分自身の生きる喜びや苦悩、葛藤、痛みや怒り、現代社会が抱える矛盾や様々な問題を歌い続け、1975年に発表された「明日なき暴走」が一大センセーションを巻き起こした。1984年には、音楽史に燦然と輝く「Born In The U.S.A.」を発表。 連続84週ベスト10入りしたこのアルバムは、全世界で3000万枚以上売り上げ、モンスター級の大ヒットとなった。
アルバムの全世界での売上枚数約1.4億枚、アメリカ約7100万枚、日本約400万枚、グラミー受賞20回受賞、トム・ハンクス主演『フィラデルフィア』(93)の主題歌で、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞を受賞。1999年にはロックの殿堂入り。76歳を迎えた現在も世界ツアーは継続的に敢行。3時間近くに渡るそのライヴは「Heaven(天国)」とも呼ばれている。
今回、9月23日、ブルース・スプリングスティーンが76歳の誕生日を迎えたことを祝って解禁された本予告は、巨大スタジアムを埋めつくした観客に向かって、スプリングスティーンがギターを振りかざす場面で始まる。しかしロックンロールの音は遮断され、森の中の1本道を歩きながら「人々が見つめるのは、理想を映した俺の姿」だと独白するスプリングスティーンの背中が映しだされる。「その裏にあるのは虚しさだった」、マネージャーのジョン・ランダウとスプリングスティーンがニューアルバムについて話し合う。主演のジェレミー・アレン・ホワイトは、これまでの出演作では見せたことのない演技で、ロック界のカリスマであるスプリングスティーンを体現し、衝撃の変貌を遂げている。
誰もいないメリーゴーランド場の映像に、アカデミー賞ノミネートの名優ジェレミー・ストロングが演じるランダウの「彼は、成功や名声を置き去りにすることに罪悪感を抱いていた」という声が重ねられていく。本物だけがたどり着く究極の旅—ひっそりと静まった夜、車の中から彼が見つめているのは、いまは誰も住んでいないニュージャージーの家。幼き日の姿がモノクロの画面に、「過去は俺を追いかけ、未来は逃げていく」というモノローグに、「アドレセンス」で、第77回エミー賞リミテッド・シリーズ部門主演男優賞に輝いたスティーヴン・グレアムが演じる父との日々が浮かび上がる。
レコード会社を訪れたランダウに声をかけた重役は、「次のアルバムは必ず大成功する。それを逃がすわけにはいかない」と一気にまくし立てる。コンサートの熱狂がホワイトアウトし、夜の街を歩くランダウはスプリングスティーンに「初めてチャートのトップ10に入った。連中は流れに乗ることしか頭にない」と伝える。
去のトラウマと大ヒットを求められるプレッシャーを振り払うかのように、ニュージャージーの自宅にわずか4チャンネルの録音機材を用意したスプリングスティーンはレコーディングの準備を進めていく。ダイナーで顔を合わせたランダウに「いまの俺にはそれだけが意味を持つ。それだけが信じられるものだ」と、新アルバム「ネブラスカ」がどんな意味を持つかを伝えると、ランダウは「どんな代償を払っても、手に入れる」のだなと念を押す。こうして2人はロックの深淵へと踏みだしていく。
そして「ネブラスカ」に収められた名曲「Atlantic City」が流れ始めると、過去と現在、そして未来を象徴するかのように橋が描写される。スプリングスティーンは自宅にこもって創作を続け、ランダウは「キャリアとしては常識外れに見える。だが、それが彼の狙いだ。彼には確かに感じているものがある。とても個人的なことだ」と、レコード会社の重役に誠実に向き合う。
バーで酒を飲む父の大きな背中に恐る恐る手をかけた幼き日、そして突然姿を消した父に再会する成長したいま。2つの場面が重なって、決して消し去ることのできない過去と、未来への重圧を抱えた33歳のスプリングスティーンの葛藤が浮き彫りになっていく。そしてランダウの「私たちは信じている。彼の音楽は人々に希望を与える」という言葉が胸を締めつける。
孤独のハイウェイを走るスプリングステイーン、いつも彼を見守るランダウの微笑みが切り取られたのち、小さなライヴハウスのステージに立ったスプリングスティーンが「曲作りは答えを出す旅だ。誰かが人生に小さな意味をくれる」と目を輝かせる。観客の熱狂、恋人とのひととき、砂漠を疾走する車、いつも優しい母との抱擁、スタジオセッションなどの映像が連射された本予告は、「完璧じゃなくていい、心に響けばいい」とスプリングスティーンの切実な言葉で結ばれる。
ブルース・スプリングスティーンの魂の旅路があなたの心を震わせる。『ボヘミアン・ラプソディ』の20世紀スタジオが贈る感動音楽映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、11月14日(金)より全国ロードショーとなる。
文/サンクレイオ翼