井ノ原快彦のサプライズ登場に山田裕貴が驚嘆&歓喜!『ベートーヴェン捏造』公開前夜祭舞台挨拶
音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った歴史ノンフィクションを原作にした、山田裕貴主演映画『ベートーヴェン捏造』が、本日9月12日から公開となった。本作の公開前夜祭舞台挨拶が9月11日に丸の内ピカデリーにて実施され、主演の山田、共演の古田新太、染谷将太、神尾楓珠、前田旺志郎、小澤征悦、そして関和亮監督が登壇。途中からサプライズ登場で、井ノ原快彦が飛び入り参加し、山田は驚嘆しつつ心から大喜びした。
偉大なる天才音楽家ベートーヴェン。誰もが知るそのイメージは、秘書による“でっちあげ”だった?という、かげはら史帆の書籍を映画化した本作。耳が聞こえないという難病に打ち克ち、歴史に刻まれる数多くの名曲を遺した聖なる孤高の天才ベートーヴェンは、下品で小汚いおじさんだった!?ベートーヴェンの死後、彼の忠実なる秘書シンドラーは、その真実を“聖なる天才音楽家(嘘)”へと捏造する。
愛が重すぎるベートーヴェンの秘書シンドラーを演じた山田は「明日公開ですが、先んじて観ていただけて嬉しいです。脚本、バカリズムさんのアイデアがなければ僕らはドイツ人になることは不可能でした。中学生男子の頭のなかの妄想から始まるという設定が、バカリズムさんのアイデアならではです。今日は楽しんでいきましょう!」と、先行上映後の興奮冷めやらぬ満席の会場に呼び掛けた。
8月に行われたプレミアムナイトでは、19世紀のウィーンを舞台にした劇中衣装に身を包んで登壇した面々。今日は“コンサートに行く際のコーディネート”というテーマで、落ち着いたトーンのスーツで着飾る山田たちだったが、古田は「ほんと、ベートーヴェンの衣装は暑かった!今日のオイラはサマフェスのつもりです!」と、前回のイベントとは打って変わり、ビビットな真っ赤な帽子をかぶっての登壇となった。
劇中に流れるベートーヴェンによる名曲の数々も聴きどころとなる本作。山田は「この曲もベートーヴェンの曲なんだ!?と僕も思ったくらいなので、クラシック音楽に詳しくなくても楽しめる映画です」とアピール。音楽に精通し、ヘヴィメタルとクラシックをこよなく愛する古田も「最後の最後に清塚信也さんのピアノも聴けますからね。ちなみに清塚さんもベートーヴェン同様、良い奴ではないですけどねえ」とニヤリと笑いながらジョークを飛ばすと、すかさず山田が「捏造です!」とフォローし、さすがのコンビネーションを見せた。
続いて、“いまだから言える撮影裏話トーク”では、関監督が「LEDパネルを使用しての撮影は、背景のウィーンの街並みなどの映像をその場で変えられることに驚いた。そんなシステムで撮影したのは初めての経験だったので楽しかった」と回想すると、山田も「実際にウィーンで撮影したら『あの建物が邪魔だからどかして』はできませんもんね」とテクノロジーの進化に目を丸くしていた。
小澤は「初稿ではセリフがなくて、次の台本で1つあった。以前セリフのない役をバカリさんの作品で演じたことがあったので、これは狙いかなと思って聞いたら『全然違いますよ…』と言われて驚いた」とビックリ。前田は「古田さんは本番直前まで話をしてくれて優しいのに、ベートーヴェンとして厳しくするシーンが始まると本当に怖かった」とスイッチの切り替えに驚くと、古田は「それはね、旺志郎のことを憎んでいたからね」と、またもやブラックジョークを発動。
神尾は「撮影初日で緊張していたので、古田さんとしゃべりたくなって『お元気ですか?』と聞いたら、僕の声がなにも届いていなかった」と苦笑いすると、「もうオイラの話はいいよ」と、連続で自分の話題が出たことに照れたように抗議した古田。染谷は「撮影したスタジオのある場所が僕の地元で、近くに母校もあった。でもスタジオのなかに入ったらそこはウィーンでした」と笑いを交えて答えた。古田は「撮影の思い出?今日は来ていないけれど、僕は小手伸也が嫌いです!」と毒を吐き、山田から「さっきから捏造しかない!」とツッコまれていた。
そしてMCから、今日の前夜祭をもって解禁となった、ベートーヴェンのかつての愛弟子、リース役の井ノ原快彦からのコメント紹介をするかと思いきや、井ノ原が「僕も出演者の1人としてご挨拶したかった」とサプライズ登壇。「マジでビックリした!」と仰天する山田の横で、古田は「普通に来いや、イノッチ」と会場を笑わせた。
井ノ原と山田は、連続ドラマでバディを組んだことが縁で、本作のキャスティングに繋がったという。井ノ原は「大好きな山ちゃん主演の映画の前夜祭ということで、ぜひとも参上したいと思った」と言うと、山田はサプライズ登場に驚きすぎて「頭が真っ白で言葉が出てこない。超嬉しくて、背中が汗でグショグショです。ヤバい」と大慌てだった。
山田との共演に井ノ原は「途中から撮影に入った僕に山ちゃんが気を遣ってくれて、マネージャーのようにずっと僕の横に付いて、監督と僕の所を行ったり来たり。『井ノ原さん、監督が笑ってました』とか報告をしてくれたり、本当に気を遣ってくれた」と感謝する。
山田も「井ノ原さんが出てくれたのは嬉しかったし、バディもので共演させてもらっていたからなのか、楽しく撮影ができて、井ノ原さんとのシーンは一番笑っていました」と嬉しそうで、井ノ原は「カメラに向かって僕が芝居するシーンでは、山ちゃんがカメラの横にいてニヤニヤしてくれて、とてもやりやすかった」と仲良さそうに振り返った。改めて山田は「いつか僕主演の作品で井ノ原さんと共演できたらいいなと思っていたので、夢に描いたことがこんなにも早く叶ってしまって、ありがたい、ありがたい、ありがとうございます!」としみじみ最敬礼すると、井ノ原も「最上級をいただきました!」と満面の笑みだった。
最後に関監督は「豪華キャストと豪華な世界観を作ることができました。周囲の方々に面白かったと言っていただけたら幸いです」と大ヒットを祈願。山田も「1977年にシンドラーの嘘がバレました。卵をぶつけたり、料理をぶちまけたのも本当ですが、それを原作の先生がこうだったのかもしれないと書いて、それをバカリズムさんが中学生男子の頭の中の妄想として書いて、本作は生まれました。真実とは、なにか?というものが、いまの世の中にはあふれている気がしますが、僕はこの映画を通して真心の大事さを感じました。それを忘れず、たくさんの人に本作を広げていただけたら幸いです」と呼び掛け、舞台挨拶を締めくくった。
文/山崎伸子