『ジョゼと虎と魚たち』犬童一心最新作『六つの顔』芸歴90年を超える狂言師の境地を描く至高のドキュメンタリー
人間国宝、野村万作が、人生をかけて到達した芸の境地を描くドキュメンタリー映画『六つの顔』が8月22日(金)に公開される。このたび、本作の予告編、ビジュアル、場面写真が一挙解禁に。さらに野村万作、野村萬斎、野村裕基、犬童監督よりコメントも到着した。
650年以上にわたり、生きとし生ける者の喜怒哀楽を笑いとともに表現し、人々の心を魅了し続けてきた「狂言」。その第一人者であり、いまなお現役で舞台に立ち続ける人間国宝の狂言師、野村万作は今年6月22日に94歳を迎える。映画『六つの顔』では、受章記念公演が行われた特別な1日に寄り添いながら、万作の過去と現在の姿を浮かび上がらせる。万作が公演で演じるのは、近年、ライフワークとして取り組み、磨き上げてきた夫婦愛を描く珠玉の狂言「川上」。映画では、物語の舞台である奈良の川上村、金剛寺の荘厳な原風景も贅沢に収録。万作が長年追求してきた世界観をその至芸とともにスクリーンに刻む。
さらには、90年を超える芸歴のなかで先達たちから受け取り繋いできた想いや、いまもなお、高みを目指して芸を追求し続ける万作の言葉を収めた貴重なインタビュー映像も交え、息子の野村萬斎や孫の野村裕基をはじめとする次世代の狂言師とともに舞台に立つ模様を臨場感あふれる映像で映しだす。
監督を務めるのは、『ジョゼと虎と魚たち』(03)、『メゾン・ド・ヒミコ』(05)、『のぼうの城』(11)など数々の名作を手がけた犬童一心。狂言に造詣の深い監督ならではの、大胆かつ繊細なアプローチで万作の芸境に迫る。また、万作が語る“過去”と“現在”をアニメーションで繋ぐのは『頭山』(02)で米アカデミー賞にノミネートされた山村浩二。ナレーションを俳優のオダギリジョーが務める。さらに、監修は野村万作、野村萬斎が名を連ねた。モノクロームで映し出される現在、アニメーションで表現される万作の過去に思い浮かぶ「六つの顔」、そしてカラーで立ち現れる狂言「川上」の研ぎ澄まされた美しさが豊かな映像表現で織りなされる。
今回、解禁となった予告編は、本編同様、俳優のオダギリジョーがナレーションを担当。映像は、万作が3歳で踏んだ初舞台の記憶とともに現れる「猿」の面のアニメーションから幕を開ける。その後、90年にわたり狂言と向き合ってきた万作が過去を振り返るなかで心に浮かぶ「六つの顔」にフォーカス。さらに、息子の野村萬斎や、孫の野村裕基のインタビューも交え、現在の万作の姿を追う。狂言への想いを語りながら、「93歳の私が、いま思う『川上』を演じる」という言葉とともに舞台に立つ万作の姿が映し出される。
また、あわせて解禁されたビジュアルは、狂言「川上」の上演直前に、装束を身につけて集中する万作の貴重な姿を印象的に配したもの。研ぎ澄まされた表情と、一つの道を極めた万作にしか出せない佇まいに目を奪われるビジュアルとなった。
なお、ムビチケ前売券(オンライン)も今回の解禁にあわせて本日より発売開始となる。スクリーンでしか見ることのできない、特別な上演をぜひ劇場で楽しんでほしい。