北米は実写版『リロ&スティッチ』がV2達成!『ベスト・キッド』新作&ウェス・アンダーソン監督作が初登場で存在感

北米は実写版『リロ&スティッチ』がV2達成!『ベスト・キッド』新作&ウェス・アンダーソン監督作が初登場で存在感

先週末(5月30日から6月1日まで)の北米興収ランキングは、前週に引き続き『リロ&スティッチ』(日本公開中)と『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(日本公開中)のワンツーフィニッシュ。両作品とも前週からは大きく数字を落としているが、『リロ&〜』は前週比42.3%、『ミッション〜』は同42.5%。まだ好調維持と判断して差し支えないであろう。

2週連続でトップに立ち、北米累計興収3億ドルを突破した『リロ&スティッチ』
2週連続でトップに立ち、北米累計興収3億ドルを突破した『リロ&スティッチ』[c]Everett Collection/AFLO

歴代35位のオープニング興収でメモリアル・デイ週末公開作品の新記録を樹立した『リロ&スティッチ』は、2週目の週末3日間も興収6180万ドルを記録。これは2週目の週末成績としては歴代41位。週末時点で累計興収2億7800万円となり、“現象”的なヒットを巻き起こした『罪人たち』(6月20日日本公開)を抜いて、はやくも2025年公開作の第2位に浮上。

また6月5日の木曜日には累計興収3億ドルに到達。公開から14日目での3億ドル到達は、現時点で今年の北米No. 1ヒットとなっている『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)と同じペース。現在累計興収4億2000万ドルを超えている同作に、今後どこまで迫ることができるのか。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は2週連続で2位!まだまだ道は険しそう?
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は2週連続で2位!まだまだ道は険しそう?[c]Everett Collection/AFLO

一方『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の方は、2週目末3日間で興収2721万ドルを記録し、累計興収は1億2253万ドルと、危なげなく大台を突破。とはいえ公開10日目までの成績で比較すると、シリーズ最大のヒットとなった前々作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(18)をわずかに下回っている。全世界興収はまもなく4億ドルに到達する見込みだが損益分岐点は10億ドル以上ともいわれており、まだまだ油断できない状況だ。

この2本に次ぐ3位に初登場を果たしたのは、誕生40周年を迎える人気シリーズの最新作となる『ベスト・キッド:レジェンズ』(8月29日日本公開)。オリジナルシリーズとリメイク版がクロスオーバーを果たした同作は、前者の主人公で「コブラ会」にも登場したダニエル(ラルフ・マッチオ)と、後者に登場したカンフーの師匠ハン(ジャッキー・チェン)から技を伝授され、“真のファイター”となっていく17歳の少年リー(ベン・ウォン)を描く物語。

オリジナルシリーズとリメイク版がクロスオーバーする『ベスト・キッド:レジェンズ』が3位にランクイン
オリジナルシリーズとリメイク版がクロスオーバーする『ベスト・キッド:レジェンズ』が3位にランクイン[c]Everett Collection/AFLO

初日から3日間の興収は2030万ドル。公開年の年間興収ベスト10に食い込むほどの大ヒットとなった2010年のリメイク版のオープニング成績と比較すると、およそ3分の1。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は58%と伸び悩み気味ではあるが、観客からのそれは91%とかなり良好。ジャッキー映画として久しぶりに北米でヒットする一本となりそうだ。

そして、先日のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されたウェス・アンダーソン監督の最新作『ザ・フェニシアン・スキーム(原題)』(9月19日日本公開)は、6館での限定公開ながら14位にランクインする大健闘。週末3日間の興収は56万ドルで、1館あたりのアベレージは歴代のオープニング・アベレージランキング第39位となる9万3416ドル。

【写真を見る】ウェス・アンダーソンの新作が限定公開で大成功!気になる評価、賞レースへの参戦は?
【写真を見る】ウェス・アンダーソンの新作が限定公開で大成功!気になる評価、賞レースへの参戦は?Courtesy of TPS Productions/ Focus Features [c]2025 All Rights Reserved

これはウェス映画に限定すると『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)や、前作『アステロイド・シティ』(23)、そして『ムーンライズ・キングダム』(12)に次ぐ4番目に高いオープニング・アベレージとなる。すっかりオールスター映画色が強くなった近年のウェス映画は、安定した評価を得るものの賞レース参戦までは突き抜けきれていない印象。「ロッテン・トマト」のスコアが批評家から79%、観客から74%に落ち着いた今作も同様だろう。


文/久保田 和馬

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