韓国ユースカルチャーのいまがわかる!『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』に登場のスポットを紹介
『破墓/パミョ』(24)のキム・ゴウン、「Pachinko パチンコ」のノ・サンヒョンが共演した『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(6月13日公開)。本作より、韓国のユースカルチャーのいまがわかる劇中スポットを紹介したい。
他人の目を気にせず自由奔放に生きるジェヒ(ゴウン)と、ゲイであることを隠し孤独に生きるフンス(サンヒョン)。本作は正反対の2人が出会い、同居したことから始まる“自分らしい生き方”を見つける物語。『アメノナカノ青空』(03)、『女は冷たい嘘をつく』(16)、『探偵なふたり:リターンズ』(18)のイ・オニが監督を務める。
勉学に勤しみながらもクラブでハメを外し、酒にのまれ、恋をして笑って泣く。そんな青春時代を送った無二の親友であるジェヒとフンス。今回、ピックアップされたのは、2人が“いるかもしれない”聖地巡礼がしたくなるスポットばかり。
ジェヒとフンスが出会った大学のシーンは2か所で撮影された。1つは東大門区にあるソウル市立大学。ここでは主に外ロケを敢行。緑にあふれたキャンパスで、ドラマの撮影などでも多く使用されている。周囲には高麗大学や慶煕大学、韓国外国語大学と大学が集まっており、地下鉄1号線「清涼里」駅からバスで5分ほどの場所にある。一方、教室内での撮影は徳成女子大学校。ソウル中心地から少し離れた道峰区にあり、落ち着いた環境で国際交流にも力を入れている学校だ。
夜遊びにも精を出すジェヒとフンス。ハメを外して遊び倒す2人が行きつけにしているクラブは5箇所。梨泰院と弘大、若者に人気のエリアで撮影されている。芸術系大学の弘益大学を中心とし、街全体にアートな雰囲気が漂い、おしゃれなレストランやカフェが立ち並ぶ、観光スポットとしても人気のエリア。夜遊びスポットとしても知られており、週末はクラブ通いの若者で賑わう。
撮影で使われたのは、EDMやHIPHOPが中心で、有名DJも登場する大箱CLUB.G1、韓国ドラマにも度々登場するなど日本人にも知られるCLUB TRACK、そしてShark pub(いずれも麻浦区)。また、ジェヒとフンスが酩酊しまくり、うっかりお揃いのタトゥーを入れるタトゥーショップはjangsumalbeo1。酒に酔った状態でタトゥーを入れたフンスはこのあとある悲劇に見舞われてしまう。
ジェヒが弁護士の恋人と出会うバーは麻浦区のBar Kian。煉瓦造りのような内装が特徴的で、店内にはレコードが流れる。ここはjangsumalbeo1から程近い場所にある。
韓国、ヨーロッパ、アメリカ、中東など世界中の文化がミックスされ、屋台グルメからおしゃれなカフェ、ショッピングやナイトクラブまで楽しめる人気スポットの梨泰院。ここでは、フンスが通うゲイ・ナイトクラブとしてEagle SeoulとGYM CLUB SEOUL(いずれもゲイオンリー)で撮影が行われた。ジェヒとフンスが共同生活を送ることになるアパートメントも梨泰院エリアで撮影。勉学に励み、夜は遊び倒す、いかにも若者らしい生活を謳歌している様子が想像できる。
ジェヒとフンスのファッションにも注目したい。2人のショッピングシーンが撮影されたのは、韓国発のストリート系セレクトショップであるALAND。ソウルの富裕層エリアとして知られる江南区のショップでも撮影。ALANDはリアルな韓国最旬トレンドをチェックできる人気ショップであり、日本でも渋谷、大阪、埼玉に店舗を構えるほか、通販展開もしている。
江南区には社会人となったジェヒが会社の飲み会で訪れる居酒屋も存在する。Osu Yangpuni Dongtae Jjigaeは、その名の通りスケトウダラのトンテチゲの専門店。地元民に愛されるお店で、グループでの集まりに最適。無意識なままに繰り出される上司や同僚の理不尽で不躾な言葉に晒される毎日。しかしそれまでの我慢や同調を止めて、再び自分を取り戻すことになるジェヒ。そのきっかけとなるのがこの場所だ。
『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』を観れば行きたくなるこれらのスポットたち。本作の感動を辿ってみてはいかがだろうか?
文/平尾嘉浩