中村悠一「夏油がただの敵役ではないことがよくわかる」、櫻井孝宏「ちゃんと夏油になれた」『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』公開に喜び!

中村悠一「夏油がただの敵役ではないことがよくわかる」、櫻井孝宏「ちゃんと夏油になれた」『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』公開に喜び!

劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』の初日舞台挨拶が5月30日にTOHOシネマズ新宿で行われ、中村悠一(五条悟役)、櫻井孝宏(夏油傑役)、遠藤綾(家入硝子役)、永瀬アンナ(天内理子役)が出席した。

『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』の初日舞台挨拶が開催された
『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』の初日舞台挨拶が開催された

人間の負の感情から生まれる呪いとそれを呪術で祓う呪術師との闘いを描く、芥見下々による大ヒットコミック「呪術廻戦」。2020年10月からはテレビアニメが放送され、初の映画化となる『劇場版 呪術廻戦 0』は全世界興行収入265億円の大ヒットを記録した。本作は、テレビアニメ第2期のうち、全5話となる「懐玉・玉折」の総集編となる劇場版。最強の呪術師と最悪の呪詛師と呼ばれる五条と夏油、道を違えた2人の過去が明かされる。

【写真を見る】会場に手を振った中村悠一(五条悟役)
【写真を見る】会場に手を振った中村悠一(五条悟役)

上映後の会場を見渡した中村は、「テレビでオンエアをして、いろいろなところで観ることができるものですが、再編集してミックスなどいろいろと仕込みなおしたものに、皆さんがどれだけ興味を持っていただけるのか。やっぱり蓋を開けてみるまでわからかなった」と率直な心境を吐露し、「どうでしたか」と語りかけると大きな拍手が上がった。中村は「ひと安心です」と熱い反響に胸をなで下ろし、「エンディングとかよかったんじゃないですか」と観客の思いに寄り添うと、櫻井も「そうですね」と同調。

櫻井は「冒頭に夏油の独白が置いてある。それがのちのちに効いてくる置き石だったんだなと、劇場版ですごくわかりました。刷り込みじゃないですが、印象深く彼を置くことで、彼を追いかけようとする。すごく映画的な演出だったんだなと思いました」と発見もあったとのこと。遠藤は「ひとつにつながっている意味を感じた」と全5話を通して観ることで、五条と夏油の感情の動きを改めて体感した様子。永瀬は「理子ちゃんは、登場シーンと最後のシーンでガラッと印象が変わった。夏油の『一緒に帰ろう』というセリフがあったから、本音をやっと言うことができた。安堵した顔は理子ちゃんにとって初めてのことだと思ったので、より劇場版で観て胸がつらくなった」としみじみと話し、櫻井も「理子ちゃんにかけている言葉って、(夏油にとって)自分に言っているところもあるんだろうなと思うと、やるせない気持ちになった」と想いを馳せていた。

またスクリーンに乙骨憂太役の緒方恵美が映し出され、緒方の口から『劇場版 呪術廻戦 0』の復活上映が決定したことが発表される場面もあった。10月17日(金)より復活上映される本作は、時系列としては、「懐玉・玉折」から約10年後の世界を舞台としており、五条と夏油、それぞれの選択の“その後”が描かれている作品だ。緒方は「本日ご覧になった皆さんが、もう一度この続きを観てみたいと思っていたらうれしいなという気持ちでおります」と期待しつつ、「中村さんと櫻井さんも、こういう時系列でやってみたかったんじゃないですか?」とにっこり。声優陣にとっても「また違う感慨があるかと思う」と話していた。

「懐玉・玉折」、『劇場版 呪術廻戦 0』時系列順で収録をしていたら…?「なにかが変わったていたかもしれない」
「懐玉・玉折」、『劇場版 呪術廻戦 0』時系列順で収録をしていたら…?「なにかが変わったていたかもしれない」

スクリーンで「懐玉・玉折」、『劇場版 呪術廻戦 0』の順番で観られることとなり、櫻井は「この順番で観られるのはうれしい」とコメント。中村は「『0』の公開時の取材では、『テレビシリーズの1期では(五条と夏油が)会話をしたことがない。初めてここ(『0』)で会話をしたけれど、彼らには10年を超えるような歳月が存在していて。いろいろな想いがあるだろうけれど、それをきっと押さえ込んでいる』という話をしていた。時系列順に収録をできていると、また変わるものはあるとは思います」と告白し、「それは否定しないですね」と続いた櫻井は、「なにかが変わったていたかもしれないと思う。でもこの(時系列を)巻き戻す形での収録も、それはそれでと思っています。『懐玉・玉折』を経験して、ちゃんと夏油になれたような。そういう気持ちになれています」と胸の内を明かしていた。

『劇場版 呪術廻戦 0』の復活上映決定のニュースも発表された
『劇場版 呪術廻戦 0』の復活上映決定のニュースも発表された

最後に櫻井は、「冒頭の『じゅじゅさんぽ』が、エンディングのイラストにも響いてくる。総集編で、彼らの青春やキラキラした思い出もいっぱい詰まっているんだなと思いました。多分、気になっているところがまだあると思いますので、それを確認しに観に来ていただけたら」とメッセージ。中村は「観させていただいて、すごくカロリーが高いし、スカッとはしないじゃないですか。この先に続いていくお話なので、すごく考えさせられたり、心が重くなったりはしたんですが、皆さんに何度も楽しんでもらいたいものをお届けしているつもりではあります」と胸を張り、「何度も通う方は心を強く持って、折れずに観ていただきたいなと思いつつ、これを踏まえてこれから先のお話になっていくので。まだ『呪術廻戦』を観たことがないという方にも、オススメをしていただいて。これを観ると夏油という人間がただの敵役ではないということがよく伝わると思いますので、そういった宣伝活動をこれからもよろしくお願いします」と愛情を込めながら呼びかけていた。


取材・文/成田おり枝

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