小栗旬、松坂桃李ら共演『フロントライン』場面写真解禁!舞台は新型コロナウイルス集団感染の豪華客船
世界的流行(パンデミック)を引き起こした新型コロナウイルスを、事実に基づく物語としてオリジナル脚本で映画化した日本初の作品『フロントライン』(6月13日公開)。このたび、場面写真9枚が一挙解禁された。
2019年12月に中国の湖北省武漢市で初めて発生が確認され、2020年に入ってからパンデミックとなった新型コロナウイルス。物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」だ。乗客乗員は世界56か国の3,711名。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。
当時、日本に大規模なウイルス対応を専門とする機関は存在せず、急きょ対応することになったのは災害医療を専門とする医療ボランティア的組織のDMAT(ディーマット)。DMATとは、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)を略した、医師、看護師、医療事務職で構成され、大規模災害や事故などの現場におおむね48時間以内から活動できる専門的な訓練を受けた医療チームだ。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストではあるが、未知のウイルスに対応できる経験や訓練はされていない医師や看護師たちだった。
船内の救命活動に駆りだされた災害派遣医療チームDMATの医師と看護師が、未知のウイルスに立ち向かい、目の前の「命」を救うことを最優先に動いていく。実際に船内に乗り込むと、想定していた以上の感染者数、いつ病状が悪化するか不明、言葉の壁がある56か国からの乗客に上手く治療が行えないなど、予測不能な事態が起こる深刻な命の“最前線”となった現場が広がっていた。一方、船外では日々加熱していく報道にいろいろな憶測が広まり、誰も経験したことがない非常事態に陥る。明日さえどうなるか分からない絶望のなか、船外から全体の指揮をするDMAT指揮官の結城(小栗旬)、厚労省の立松(松坂桃李)、船内に乗り込んだ仙道(窪塚洋介)と真田(池松壮亮)らDMATの隊員たち、クルーズ船のフロントデスクの羽鳥(森七菜)をはじめとした船内クルー、そして船内の乗客たちは、日常を取り戻すことを誰1人としてあきらめなかった。
今回解禁となった場面写真には、メディアの取材を断ってきた結城が、テレビ局の記者、上野(桜井ユキ)と対峙し、「もう一度この災害があったとして、同じ対応をしますか」と問われるシーンや、はじめはお役人気質な発言をしていた立松が、結城とともに緊急事態の対応をする内に変わっていき互いに信頼してく姿、船内の変化していく状況に仙道が激昂し改めて決意を固める結城という旧知の仲である2人のやり取り、そして、愛する自分の家族にまで影響がないかを心配する真田がしっかりと家族と抱き合う場面など、登場人物それぞれの人間ドラマが写しだされている。
クルーの羽鳥は、外国人乗客と医師の通訳として橋渡しとなり船内に明るさをもたらす。6歳の息子と乗船し糖尿病を患っている河村さくら(美村里江)は、客室に足止めとなったことでインスリンの支給が必要になるなど、先の見ない不安が隔離生活を続ける客室にも広がり殺伐としていくなか、クルーのアリッサは毎日各客室に温かい料理を笑顔で運び続けるという、乗客と乗員の交流も描かれている。物語の終盤には、両親が陽性となり、子ども2人きりでとりのこされてしまった幼い兄弟がいたことが分かり、さらに弟の陽性が発覚し、兄弟を別々の場所に隔離しなければならない状況に。異国の地で離ればなれにするのか、大人たちは決断を迫られる。
最前線“フロントライン”で守るべきは、この国か、目の前の命か。あの日、あの時、あの船でなにが起きたのか?最後まであきらめず奮闘していく人々が織り成す圧巻の感動ドラマをぜひスクリーンでご覧いただきたい。
文/山崎伸子