ヨーロッパ各国を大移動!ラミ・マレックが『アマチュア』で全編ロケ撮影にこだわった理由を語る
アカデミー賞受賞俳優ラミ・マレック主演、 20世紀スタジオが贈るスパイスリラー『アマチュア』が4月11日(金)より日米同時公開される。本作は、スパイ映画史上最も地味な「アマチュア(素人)」が繰り広げる予測不能の復讐劇だ。イギリスはロンドンをはじめ、ヨーロッパの各都市で実際にロケ撮影が敢行された本作で、マレックがロケ撮影にこだわった理由を明かした。
本作の主人公である“内気なデスクワーカー”CIA分析官のチャーリーは、テロ事件で妻が殺されてしまったことをきっかけに、戦闘経験ゼロの素人=アマチュアながら、テロリストを相手に壮大な復讐を企てる。戦闘経験こそ皆無だが、チャーリーが持ち前の頭脳と、知識を武器に繰りだす攻撃は見応えたっぷり。ヨーロッパ各地を舞台に展開される壮大なスケール感とスリリングなアクションシーンが見どころだ。そんな本作で主演と製作を務めるマレックは、「この物語は大きなスクリーンに映しだされるべきもので、だからこそ実際にロケ地に出向いて撮影すべきだと考えていました。グリーンスクリーンを使った撮影でも可能ではありますが、スケール感やアクションの迫力に説得力を持たせて実現させるには、実際にロケ地に行くことが必要不可欠だったのです」と、全編ロケ撮影にこだわった理由を語った。
そんな本作の撮影はマレックにとっても非常に印象深いものになったそうで、特にロンドンのセント・パンクラス駅を丸1日閉鎖して敢行した撮影が印象的だったと明かしている。セント・パンクラス駅は、映画「ハリー・ポッター」シリーズでホグワーツ特急の始発駅の外観として使用されたことで知られる、まるでお城のように巨大で荘厳な外観を誇るロンドン屈指の巨大ターミナル駅。年間の乗降客数がロンドン地下鉄最多の約8,800万人を誇る、まさに“ロンドンの窓口”であり、この駅構内で銃声の鳴り響く大規模な撮影を実施するためには駅を1日中閉鎖する必要があった。
マレックは「外にいる一般の人たちの反応が心配でしたね。大音量かつ激しいので、かなり怖い思いをするかもしれないなと。僕がこういうことをついつい気にし過ぎるタイプなのかもしれませんが。ただ、撮影スタッフたちのおかげで、特にこの場面は映画でしか味わえない見応えがあるものになったと思います」と、周囲への配慮を忘れないマレックらしい一面を見せつつも、ロケ撮影だからこそ実現した見応え抜群のアクションシーンに自信をのぞかせた。
また本作では、ロンドンだけでなくパリやマルセイユ、イスタンブールなどヨーロッパの大都市を移動し各地で撮影している。そのなかでマレックは「撮影で僕がとても感銘を受けたのは、都市から都市へとスタッフ全体で移動するなかで、キャストもスタッフも皆がその非日常感から刺激を得ていたことです。この映画には、なにか特別な熱気と“どうしても参加しなければならない”という切迫感がありました」と振り返った。
各都市での大規模なロケ撮影によって、スクリーン映えする迫力満点の作品になったと語るマレック。圧倒的スケールで描かれる、熱気が詰まったアマチュアスパイのド派手な復讐劇を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
文/山崎伸子