広瀬すず、杉咲花、清原果耶が『片思い世界』完成報告イベントに登壇!「どこを切り取っても坂元さんワールド」
広瀬すずと杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務め、『花束みたいな恋をした』(21)の土井裕泰監督と脚本家の坂元裕二が再タッグを果たした『片思い世界』(4月4日公開)。本作の完成報告イベントが3月3日、TODA HOALL & CONDERENCE TOKYO ホールBにて開催。広瀬と杉咲、清原、土井監督が登壇した。
映画の完成後初めて全員そろって登壇した広瀬、杉咲、清原の3人。公開を1か月後に控えた現在の心境を聞かれると、広瀬は「この作品が決まってから3人でご飯を食べに行ったんですけど、その日から2年。すごくあっという間のようで。なかなか内容も話せない作品なので、早くこの世界を観てもらいたい、届けたいという気持ちです」とコメント。
また杉咲も「お話をいただいた時は、こんなに素敵な座組に飛び込めるんだという喜びがありました。本当にあっという間で、いまでは(3人で)冗談を言い合えるような感じになって。本当に素敵な方々とご一緒できてうれしいです」と語り、清原も「ついに公開か、とじんわり胸が温まる気持ちです。映画がつくられるのは当たり前のことではないんだなということを痛感するなかで、大好きなキャストと監督と、一緒にこの場に立てていることがうれしいです」と喜びをかみしめた。
撮影を通じて本当に仲良くなったという3人。「自由な二人をフォローしていく立ち回りが多かったので新鮮ではありましたが、すごく楽しく、2人を見ているのがとても幸せでした」と振り返る広瀬に、杉咲は「クランクアップしてから、急に2人がいなくなったので、幻だったのかと錯覚するくらい喪失感を感じていました」と述懐。そんな3人を見守っていた土井監督は「気付いたら3人ずっと一緒にいて、とにかくずっとしゃべっていたので、我々もそんなに気を遣わずにいられました」と和やかな撮影現場を振り返った。
さらに土井監督は「まずこの『片思い世界』というタイトルにいろんな思いがこもっています。3人がひとつの画面にいるというだけで幸福感がすごい。そして3人が生き生きとしているほどにせつなくなるような気持ちがあって、本当に難しい役だったと思いますけど、ちゃんと生きてくれたな、ということを画面を観て思いました。とにかく3人が一緒にいることで、ものすごく強い力が生まれている映画になりました」と力説。
また、広瀬は「どこを切り取っても坂元さんワールドが広がっていた」と、本作にあふれる“坂元裕二らしさ”について言及。「日常的な肌なじみのいい描き方が、個人的にとてもファンです」と語ると、杉咲も「たわいもない会話をして過ごしている様子が淡々と描かれているのですが、それだけではないことが起こってるんじゃないかとザワっとさせられるような、生ぬるいものを感じる読後感。坂元さんならではの味わいかなと思いました」と話し、清原も「言葉の温度感や質感も、日常と非日常が曖昧になっている気がして、そこがゆらゆら揺れている感じがとても好きです」とコメントした。
さらに劇中で“かささぎ児童合唱クラブ”として登場した杉並児童合唱団が登場し、坂元が歌詞を書き下ろした劇中歌「声は風」を生披露。合唱団が歌っている最中には、ステージ横のソファで美しい歌声に耳を傾けていた3人。曲を聴き終えると広瀬は、「いろんなことが一気によみがえってきました。まっすぐでピュアな声にやられています。泣きそうになっちゃいました」と感激した様子。
最後に、公開に向けてそれぞれ挨拶した3人。「この作品が、観てくださった方それぞれの片思いをやさしく包んで、前に歩ませてくれるような、そんなきっかけになってくれたらと思います。たくさんの方の胸に残るように願っています」と清原が語り、杉咲は「人は人の観たいように誰かを見てしまう瞬間がある気がしますが、そういうことに対して、ちょっと立ち止まって考えさせられるというか。誰かのことに対してイメージしてみるという、そんな力をそっと分けてくれるような映画になっているんじゃないかなと思います」とメッセージを送る。
そして広瀬は「我々が演じた片思いは、それぞれ形も色も違いますが、その片思いの先を、劇場に足を運んでくださる方々に最後の最後まで見守っていただけたら。とても愛らしくて、せつない世界になっていると思います。ぜひ1か月後、劇場で楽しんでください」と呼びかけていた。
文/久保田 和馬