「いままでで最もクレイジー」「真の天才」ロバート・パティンソンら『ミッキー17』の豪華キャストがポン・ジュノ監督の魅力を語る！
『パラサイト 半地下の家族』(19)で第92回アカデミー賞4部門に輝くなど、世界の映画史にその名を刻んだポン・ジュノ監督の最新作『ミッキー17』が3月28日(金)より公開。ロンドンでのワールドプレミアやベルリン国際映画祭での公式上映で世界中の批評家から絶賛の声が相次ぎ、いち早く公開された韓国では大ヒットスタートを飾るなど大旋風を巻き起こしている本作。このたびMOVIE WALKER PRESSでは、豪華キャスト陣がポン・ジュノ監督について語るコメントを独占入手した。
本作は、死んでは生まれ変わり、死んでは生まれ変わりを繰り返すどん底の“使い捨てワーカー”が権力者たちへ反撃していく逆襲劇。人生失敗だらけのミッキー(ロバート・パティンソン)は、何度でも生まれ変われるという夢の仕事を手にいれる。しかしそれは、身勝手な権力者たちに酷使され搾取され続ける究極の“死にゲー”だった。そんななか、手違いによってミッキーの前にもう一人のミッキーが現れ、事態が一変することとなる。
「ポン・ジュノ監督レベルの演出家は、世界に3人、いや、2人ぐらいしかいないと思います」と語るのは、主人公のミッキー役を演じたロバート・パティンソン。「脚本は私がいままで読んだなかで最もクレイジー。主人公を演じることにリスクも感じました」と明かしつつも、出演を即決したという。ポン・ジュノ監督の人柄については「監督は本当に優しい人で、とてもおもしろくてとても魅力的で、とても謙虚な方。とても強力なオーラがあり、制作のあらゆるレベルにそのパワーが広がっていました」と振り返っている。
一方、「脚本を読んだ時は怖かったです。これまでこんな役を演じたことがなかった」と語るのは、ブラック企業のトップであるマーシャル役のマーク・ラファロ。複雑な役柄に躊躇していた彼に、ポン・ジュノ監督は「頭のなかであなたの声を思い浮かべながら書いたんです」と当て書きであることを力説したのだとか。「現代的で、時代を反映したテーマがたくさんあります。理解するには少し掘り下げる必要がありますが、この映画を観た人は誰もが“すばらしい”“とても挑発的だ”と受け止めてくれるのではないでしょうか」と、観客の反応に期待をよせた。
マーシャルと共に“死にゲー”を強いる権力者のイルファ役を演じたトニ・コレットは、ポン・ジュノ監督とのズームミーティングで直々にオファーをもらったことを振り返る。「何週間も笑いが止まらなかった。完全に夢のようでした。その時点では素材がなにもなく、真の天才と一緒に仕事をするという興奮だけでした」と明かし、「インスピレーションにあふれ、明確なビジョンを持つ人と仕事をするのはワクワクします」。その後、脚本を読み、「とてもすばらしく独創的、とてもリアルであり、とても突飛で奇妙で大好きです」と、たちまち魅了されたという。
さらにナーシャ役のナオミ・アッキーは「監督はワイルドでユーモアのセンスを持っている。本当に自虐的で、とても協力的でした(笑)」と撮影現場でのポン・ジュノ監督の俳優ファーストの姿勢に感謝の言葉を送り、『オクジャ/okja』(17)に続いて2度目のポン・ジュノ作品となったスティーブン・ユァンも「彼は非常にすばらしいリーダー。友人としてだけでなく、監督である彼と一緒にいるのは最も楽しいことなのです」と厚い信頼を寄せていることを明らかにした。
キャスト陣のコメントからは、穏やかで対等な労働環境であったことが窺える本作の撮影現場。しかし本編で描かれるのは、それとは対照的な超格差社会！身勝手な権力者の過酷すぎる業務命令によって搾取されつづけるミッキーは、いったいどのように“逆襲”を果たすのか。圧倒的なスケールで描かれる新たな“ポン・ジュノワールド”を、劇場のスクリーンで目撃しよう！
文/久保田 和馬
