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今週のイチ押し
2016年6月6日更新
火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバル
2016年5月31日にひとつの天体ショーが世間を賑わした。それは火星が地球に最接近し、いつもより大きく見える「スーパーマーズ」と呼ばれる現象で、ここ10年で最も近づいたそう。ご覧になった方もいるだろうか。そんな世間の火星への関心が高まったタイミングで、火星を舞台にした映画『オデッセイ』のブルーレイ&DVDが6月3日に発売された。巨匠、リドリー・スコットが監督、マット・デイモンが主演を務めたSFサバイバル。火星探査中、砂嵐に遭遇し、仲間とはぐれてしまった宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)が、火星に一人取り残されながらも、知恵を絞って生き伸びようと奮闘する姿を描く。
大気もない、水もない、食糧も残りわずか。助けを求めようにも地球と交信することもできない。そんな状況に陥ったら、そこにはもう絶望しかない。しかし、ワトニーは違った。植物学者だった彼は、ロケットの余った燃料から水素を抽出して水を生成。さらに自分たちの排泄物を肥料にし、居住施設の中に農園を作り、ジャガイモを育てて食料を確保する。また前の調査隊が残した機械を使って、NASAとの交信にも成功するなど、地球へ帰るためにあらゆる策を練り、努力を重ねていく。
とはいえ、火星で生き延びるには困難ばかり。決して諦めない男、ワトニーも死の恐怖に怯えることだってある。彼はそんなときこそポジティブ&ユーモアの心を忘れない。皮肉めいたアメリカンジョークを飛ばしたり、船長が残していった70年代のディスコミュージックを聴き、その趣味の悪さに毒づいたり。過酷な状況下にありながらも、その状況を受け入れ、むしろ楽しんでいるようにさえ思える。ただ、ワトニーは決して単純に“プラス思考な人間”だったわけではない。少なからず絶望を抱いた瞬間だってあるだろう。それでも彼は、苦境に陥ったときこそ、現状を悲観せず、未来を見据えてポジティブな気持ちで壁に立ち向かう。それこそが困難を乗り越えるために必要な心の強さである。ワトニーの生き様は、現代の我々にそう教えてくれるのだ。
ブルーレイ&DVDのセル特典では、ワトニー救出作戦の裏側や、NASAでどのようなやり取りがあったのかを関係者が語るフェイクドキュメンタリーなどを収録。本編を観終えたあとにも、さらに楽しめる充実の内容となっている。
ちなみにスーパーマーズの現象は、5月31日から2週間ほどは変わらないので、まだまだ晴れの日には夜空にいつもより大きな火星の姿を確認できるとか。そして次のスーパーマーズは2年後の2018年で、地球から火星までの距離はおよそ5800万キロと、今回よりもさらに接近するとのこと。それまでに人類はどれだけ火星に“近づく”ことができるのだろうか。人類の火星への魅力はまだまだ尽きない。
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