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新たな超人チームの結成までの物語

スタン・リー＆ジャック・カービーのコンビによって、1961年に創出されたマーベル初のヒーローチーム、ファンタスティック・フォー。2005年と2007年に実写映画化されている本作が、YouTube世代の旗手、ジョシュ・トランクによりリブート。ド派手なアクションはもちろん、図らずも超人的能力を得たふつうの若者たちの葛藤や苦悩に、より深く踏み込んでいる。

科学研究室の事故により、未知なるエネルギーの宝庫、惑星ゼロに到着してしまった4人の若者。ゴム人間、透明美女、空飛ぶ発火人間、巨大な岩男…彼らが惑星ゼロで偶然に得てしまった能力を駆使し、悪の権化となった元同僚ビクターと、地球の未来をかけて戦う。

まずは、若者たちに異能をもたらす異次元世界の描写の迫力。惑星ゼロは、荒廃した大地から緑色に光るエネルギー体が噴き出ている岩だらけの地だ。監督が約2年を費やして完成したゼロのビジュアルは、「2001年宇宙の旅」の終盤、原始の地球が変化するさまを高速で映し出すシーンの1コマをモチーフにしているという。

「ヒーロー・チームが出来上がるまで」を描いたストーリーの中で、手足が伸び、空を飛び…最初は自分に異能が備わったことを喜ぶメンバーもいるのだが、やがて地球を守るという責務の大きさに押しつぶされそうになっていく。つまりは能力を発揮している描写がナチュラルでリアルであることが、異能を得てしまった若者の苦悩と戸惑いの説得力にはとても重要なのだ。

異次元という舞台を完成度の高い映像で魅せてくれていることと、4人がリアルかつナチュラルに超人として存在していること、それが青春SFムービーとしての本作のみどころだ。